「三浦春馬の溌剌とした演技がむしろ哀しさをいや増す一作。」ブレイブ 群青戦記 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
三浦春馬の溌剌とした演技がむしろ哀しさをいや増す一作。
新田真剣佑をはじめ、若手俳優の瑞々しい演技が光る本作だけど、やはり三浦春馬の演技力は抜きん出ている感が。それだけにもう彼の演技を見ることができないと思うと、画面の躍動感とはうらはらに寂しさを覚えてしまいました。
俳優陣の奮闘の一方で、あまりにも説明不足で、悪い意味で「漫画的」な作品構成は少々残念。いきなり観客を映画的状況に放り込む、というジェットコースター的な作風自体は全く問題ないんだけど、タイムスリップというSF的要素が前提としてあるんだから、その論理についてはもう少し丁寧に説明しても良かったんでは。もちろん原作の読者には言わずもがななんだろうけど、映画という単体作品で原作の知識頼みというのは、演出上ちょっと不親切なのでは。作中で言及している「あの作品」ですら、現実味はさておいて、一応のロジックはあったんだけど…。
プロの戦闘集団であるはずの武士達の容貌や振る舞いがゾンビじみているとか、ものすごい斬撃音と出血描写の割に傷の描写がほとんどないとか、漫画的、というかレーティングに配慮したFPSゲーム的な映像であるという点は、むしろ今風なのかも。
もし深作欣二が監督したら、『バトルロワイヤル』(2000)みたいになるのかなー、と、「歴史改変もの」だけに色々想像してしまう作品でした。
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