「見たことを後悔した。」ブレイブ 群青戦記 由申数学さんの映画レビュー(感想・評価)
見たことを後悔した。
キャストが良かったので予備知識無しで鑑賞しました。
個人的な感想ですが、
一言で言えば最悪でした。
まず見るのをやめるべき人
・時代背景を大事にする人
・クサい台詞回しが嫌いな人
・脳筋が嫌いな人
・ストーリー性を大切にする人
・ハッピーエンド主義者
・感情論が嫌いな人
おすすめの人
・キャストが好き
・寛大な心で全てを許せる人
・真剣佑のアクションが見たい人
まず序盤の生徒が惨殺されるグロシーンがくどいことに加え、いくら戦国の世といえ武士が野蛮すぎてゾンビ映画かと思っていました。笑
見ていくと設定もガバガバで酷い。(詳細は割愛)
更に、中盤は奪われた人質を奪還するための策(ほぼ正面突破)を一応練り、城に攻め込むのですが、『未来からきた』というアドバンテージをほぼ活用できておらず、脳筋共によるフィジカル戦で、お熱い友情、クサい台詞回しの連発で見ててだるくなりました。
人が沢山死にます。でもろくな装備をしていない(武器は部活の道具縛り)なのでしょうがない。
戦、なめすぎじゃないですかね?
死にたいのかな?まあ死にますけど。
人質は殺されないんだからまずコンディションを上げろ。野球部さん、ボールは友達だから武器にはなりません。
その割にはギャグ的な息抜き要素もありませんし、終始詰め放題レベルに詰め込んだお涙頂戴展開ばかりで正直胃もたれです。お涙頂戴の台詞を吐く前に武器をもう少し何とかしろ。アメフト部にも武器を持たせてやってくれ。
心のツッコミに必死で、全く登場人物に感情移入出来ません笑
加えて将として本来守るべきものを見失い、ほぼ初対面に等しい主人公を庇って死ぬ家康にも苛立ちました。(展開上仕方ないかもしれない)
なんでやねん。
本当に家康を一流の将として描くなら中途半端な人間で居て欲しくなかったので非常に残念でした。
良かったのはその後の濱田龍臣と真剣佑のアクションシーンと三浦春馬の演技くらいですかね。
イケメンが頑張ってると元気が出ます。
春馬くんみたいな上司ほしいです。
まあその戦の結果として助けた人質以上の犠牲者が出ました笑
行く必要ありました?
終盤において、助けた人質や生き残った人達は、大量の犠牲の上に成り立っていますが以前のような生活に戻れるのでしょうか?
過去を変えない為に、身分を家康と偽り生きていく主人公ですが、仮に本当になれたとして人とは、人生とはそんな単純なものでしょうか?
歴史誌に残った『事実』のみで、その人間の人生を代わりに全うできるのでしょうか?
それはあまりに傲慢ではありませんか?
映画を見た限り、結果として家康の代わりになれたようですが、史書の事実のみを知っているだけで代わりが務まるほど家康は小さな人間ではなかったはずだと私は思うのです。
従ってその辺りもあまり納得がいきませんでした。
絶望的な終わりにしたかったのか?
ハッピーエンドで終わらせたかったのか?
どちらにも当てはまらない形で終わってしまったように感じます。
私にはどういうエンドを迎えたかったのかがいまいち分かりませんでした。
ハッピーエンドを好む人にとっては、人が大量に死ぬ以上ハッピーエンドになるはずもなく、モヤモヤします。
バットエンドが好きな人にとっては物足りません。
ギャグが嫌いで、サクサクストーリーが進むこと、感情的なものが好きな人にはあうかもしれませんね。
ストーリーとノリをを知らないと、ガッカリする人は多いんじゃないかと思います。
私にとってこの映画は、中身のない人間が綺麗事を喚いてるだけの映画でした。
憶測ですが、ここ最近ヒットした某アニメ映画のような『美しい死』をモットーに綺麗なBGMを流しながら綺麗な言葉を乗せて人をが死ぬ描写を入れたのではないかと思います。
誰彼死ねば泣くってもんじゃない。
この映画で何より痛いのは人間描写が甘すぎることです。
人とは綺麗なものばかりでなく、本能的に生きたり、心には汚い部分や弱さも持ち合わせているものです。
それがないなら偶像と一緒でつまらない人間です。
もう少し人の過去に遡り、弱さや脆さを丁寧に描いて欲しかった。
そんな弱さを乗り越えた人間であることを前提として知っていないと、言葉は響きません。所詮綺麗事。
主人公はおろか、敵すらも全く人間味がなかった。
本当に魅力のない人間のオンパレードでした。
その結果、『このキャラが言うからこそ価値がある』と思えるシーンかなにひとつもなかった。
つまり映画全体が薄い。
私の戦国モノにおける醍醐味が圧倒的な力量差などを覆す天才策士が考える、奇想天外な『秘策』を楽しむことである以上、今回の話は『超アスリート未来人』という手駒や現代技術のアドバンテージを生かせる面白い秘策を、歴史を熟知する主人公が考えつき、数で圧倒的に上回る敵を翻弄するものであるのであろうと勝手に期待してしまっていました、、、、。
私にとっては1体1の戦闘シーンはおまけで、戦の駆け引きを楽しみにしていたので、、、、。
ほぼ精神論、フィジカル至上主義的考えで命を懸けて乗り切ろうとする非合理的な物語は好きでは無いです。
そのため私にはあまり合わない映画となってしまったのかなと思います。
ストーリーはテンプレなので、ある程度の物語を読んだり見たりした人にとってはすぐに予想がつく安直さなので、酷くチープに感じます。
因みに私は、序盤中盤はイライラしっぱなしでしたが、最後には一周まわって愉快になりました。
見終わったあとの感想は
『こんなに面白くない映画って初めて!!』
と感動しました。人生でTOP3に入るレベルだったので思わず友人と大喜びしてしまいました。
この映画が好きな方はごめんなさい。
合う人には面白いと思える映画かもしれません。
あくまで個人的な感想ですので、気を悪くさせたならごめんなさい。
長くなりましたが参考になれば嬉しいです。