「千葉真一から真剣佑へのバトン」ブレイブ 群青戦記 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
千葉真一から真剣佑へのバトン
戦国時代へのタイムトリップを描いて、1979年に上映された『戦国自衛隊』の主人公は、千葉真一だった。あれから42年の年月を経て、同じ戦国時代へのタイムスリップを描いた主人公が真剣佑というのも因果なもの…。
しかし、当時の『戦国自衛隊』を超えることはできなかったかな。コミックが原作の分、漫画だからこそ許される描写やストーリーも、実写となるとリアリティーが求められる。その分、戦国時代での、アスリート高校生達の戦い方として描かれた、槍を掲げる相手に向かってタックルかけるアメフト部やTバッティングのように火の玉打ち返す野球部等、実写化するとあまりに滑稽。
ストーリーとしても、最後は少しサプライズはあったにせよ、ある程度先が読める展開。また、現代に帰還するための設定は、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のパクリなのか、オマージュなのか笑ってしまった。帰還してからの最後のシーンも、あれだけの死亡者が出たのに、何事もなく学校生活が始まっているところも、あり得ない。実写化するには、もう少し脚本の緻密さが必要に思う。
また、アスリートを演じる高校生が、あまりに歳をとりすぎていたのもいただけない。まあ、若手俳優の登竜門的な部分もあるのだろうが、もう少しフレッシュな、等身大の俳優陣を揃えて欲しかった。
但し、そうしたマイナス部分をカバーするのが、三浦春馬と松山ケンイチ。彼らの演技はやはり別格だった。多分、三浦春馬にとって、最後の出演作品となるのだろうから、その点を加味して最後まで見届けた。しかし、『天外者』が、とても素晴らしい作品であっただけに、あれが最後にして欲しかったな。
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