「ステップ」ステップ ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)
ステップ
自分も健一と一緒に美紀の成長を見守っているよう。
健一の大変さや辛さが痛いほど分かるし、逆にいえば子育ての喜びも共感できて、最後は良い気持ちで観終われた。
シングルファーザーが仕事と両立しながら子育てしていく難しさだけでなく、学校でみんなと同じような活動ができないこと、新しい母親との順応、義理の家族との関係などなど、いろんな要素が絡み合ってて良かった。
どんな困難も健一1人の力で解決できたものは一つもなく、幼稚園の先生や喫茶店の女性、義父母や奈々恵などいろんな人のおかげで美紀が成長していった。それが分かるのは健一と視聴者だけ。
美紀がおじいちゃんとおばあちゃんに謝恩会の手紙を送り、その内容が読まれるシーンは泣ける。自分に送られたわけではないのに泣ける。
健一は美紀にもっと子どもっぽくいて欲しかったんだと思う。子どもにいろいろと気を遣わせてしまっている罪悪感は一番キツい。そうやって苦しみながらも、奈々恵を新しい母親だと認めて3人が歩き出す過程は素晴らしい。
小学校の先生は、いろいろな児童がいる可能性を加味して、扱う活動や内容を精査していかないと!母親の顔だけじゃなくて家族の誰の絵を描いてもよいこととするとか配慮が必要。健一に対する対応もあの先生は良くなかった。あれがリアル?
保護者会が平日にある問題も母子家庭、父子家庭にとってはキツすぎる。
そこも含めて考えさせられる。
健一と美紀、2人のステップを観ることによって子育ての難しさや喜びを感じた。これは決して母子家庭や父子家庭の場合に限ったことではなく全ての子育てに通ずる。
タイトルの「ステップ」が「一歩一歩」の意味だけじゃなくてダブルミーニングになってるのもポイントが高い。