「人間同士の距離感がどうも苦手だった。」ステップ tackさんの映画レビュー(感想・評価)
人間同士の距離感がどうも苦手だった。
映画を見ているときに
後ろのほうからすすり泣きが聞こえてきたり、
感動している方が多いようで、
ほかの方のレビューを見ても、
やはり“泣ける映画”としては王道なのかと思う。
山田孝之はこれまでの役柄にはなかった演技で
お父さんらしさが出ていたし、
また義父役の國村隼が素晴らしい演技だった。
ただ飽くまで個人的な感想だが、
この映画の人間関係の距離感がどうも苦手だった。
例えば、山田孝之が演じるシングルファザーの武田と
義父母の関係性。
『実の息子のように』というが、
どうしてもきれいごとに聞こえてしまうし、
それは義父母としてちょっとずるいのではと思ってしまった。
さらに、武田の上司。
ああいうタイプの上司はすごく苦手だった。
『お前を買っている』という言葉もすごく嫌いだった。
もちろん各人、良心で妻なきシングルファザーに
関わっているのだろうが、
僕ならもう少し距離を置いてほしいなと思う。
特に義父が余命あと少しの時に、
武田にようやくナナ(広末涼子)という新たなパートナーができ、
娘のミキを連れて病院に行った時の、
ナナに対しての義父の一言は
僕がナナなら正直他人の親にそんなプレッシャーかけられたら
たまったもんじゃないよ、と思ってしまう。
最も僕が子供がいない為、心が幼稚だからもしれないが。
あとは、子役の子は演技が巧いのだが、
小学1年の時のあの子は、
明らかに不自然すぎたかな。
いくらませていて、母親がいなくてしっかりしているのかという
推測を含んでも、あのセリフの間とかちょっとしたトーンの落とし方とか、
どう考えても6~7歳の子にはできないでしょ。
あれは演出の時点で変えてほしかった。
それなら低学年と高学年で役者分けなくてもよいのに、となる。
それはキャスティングなども含め、大人の事情があるのだろうが。