「死と共に生きること」ステップ さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
死と共に生きること
山田さん、しっかりお父さんになってましたね。この役は素でやっていたとおっしゃってたので、あまり見た事のない姿を見れるかなと楽しみにしてました。
突然、まだ幼い娘を残して、亡くなってしまった妻。その日から始まった娘とパパの2人の生活。最初は訳もわからず、戸惑い、迷走しながらもしっかりと娘と向き合って、子育てしてました。
子育てって言うけれど、本当は同時に親も育てられてるんですよね。子供はいつの間にかに成長してるから、親もそれに気づいて変化してく必要があるんだなと感じました。
そして、大切な人の死について。悲しみを乗り越えるっていう形ではなく、姿はもうないけど共に生きていくという考え方はとても共感しました。美紀ちゃんはママの死の記憶はないけれど、仏壇、たくさんの思い出の写真があるこの家にママはいるって思ってるのって、素敵なことですよね。友達にママいないだろって言われて、悲しい気持ちになったりすることを経験して、人の気持ちがわかる、優しい子供に成長できたんです。
パパが連れてきたナナさんのことを「お母さん」って呼んだ時、また一つ階段を上ることができたんだね。パパと美紀ちゃんの2人の間に入っていく、ナナさんも本当に勇気がいることだし、それを受け入れる美紀ちゃんもたくさんの葛藤があったと思うけど、少しずつまたそれぞれがステップを上がっていく、時間はかかるけど、楽しいこと、悲しいこと、嬉しいことを共感しあって、また新しい家族を作り上げること、それが生きていくってことなのかなって思いました。
3人の子役さん達がどの子も自然に子供らしく、ちゃんと親子を演じられていたことがすばらしかったです。