「真の自由への一歩」ロニートとエスティ 彼女たちの選択 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
真の自由への一歩
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鑑賞前は単なるLGBTのストーリーかと思ったが、LGBTは数ある枷の一つであり、まだまだ人は人に縛られた人生で生きていることを実感させられるそんな作品だった。
ロニートとエスティは昔から愛し合う関係であった。
しかしユダヤ教指導者のロニートの父に見つかり否定されロニートは故郷から離れてしまう。
父の死をきっかけに久しぶりに故郷に戻るがやはりどことなく人々からは受け入れてもらえない。
エスティと生活していく間にロニートとの間に再び愛が芽生え愛し合う話だ。
ここまではロニートとエスティが結ばれる結末を期待していたが、エスティは夫であり彼女らの幼馴染みでもあるドヴィッドとの間に終盤子供を授かる事になる。
その事が決め手になったのかは分からないが最後はドヴィッドとの夫婦関係を続けることで幕を閉じた。
同性愛で苦しむ彼女らもそうだが、ドヴィッドもまた宗教に縛られ思考の自由を縛られてるようにも感じた。
この作品に出てくる主要人物達が自由を縛られ、そして最後は真の自由ある人生の一歩踏み出す形で終わったと自分は捉えた。ハッピーエンドというよりかは非常に現実的な作品に感じた。
日本に置き換えると宗教に縛られる者は少なく、今回テーマの一部となったLGBTも少なからず認めようという流れに社会はなっていると思う。
しかし現実的な事は周囲にいない為実感はない。
本当の自由とはもちろん自分たちが掴む事も大切だが同時に周囲が認め、支え合うことも本当の自由ある社会には大切な事であり近道でもある。
偏見や差別をなくし、自由に苦しむ人々達が暮らしやすい社会作りの一員になれるよう生きていきたい。そんな事を思わせてくれた作品だった。
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