「少年とわんこの友情の物語です。周りの人たちが次第に手をさしのべるようになる姿が、こちらの心を温かくしてくれます。」ハチとパルマの物語 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
少年とわんこの友情の物語です。周りの人たちが次第に手をさしのべるようになる姿が、こちらの心を温かくしてくれます。
久しぶりのわんこ作品です。
ロシアと日本の合作というのも気になり
観てみることにしました。
犬と少年の絆の物語 であり
少年と父の確執と和解の物語 でもあり
国家に縛られる人間たちのドラマ でもありり
心に優しさをもった人たちを描いた
ハートフルでワンダフルなお話でした。 わん。
シリアス一辺倒なお話かと思えば
ドタバタな展開やホームコメディ色もありと
途中、話の展開が見えなくなって、なんとなく
堕ち着かなくなる部分もありました。
けれど
少年とパルマ。
二人にとっての最高の結末になったと思います。
良かった良かった。
観て良かった。
◇ 以下、簡単にお話のダイジェスト
主人公のわんこ。
シェパードです。名前はアルマ。
少年はパルマと呼ぶ。
元々の主人と一緒に飛行機に乗るはず …が
検疫の手続きでひっかかり、飛行場に置き去りに。
飛行機で元々の主人が帰ってくるのではと
着陸のたびに滑走路に現れます。
※最初から連れて行くつもりだったのか
本当に手違いだったのか…
なんとも自分勝手な飼い主です ぷんぷん。
もう一人の主人公。
コーリャ君は人間の少年。9才。
一緒に暮らしていた母を亡くし、
それまで会ったことも無い父親の暮らすモスクワへ
父親の操縦する飛行機でやってきます。
境遇の変化に、心はすっかりツンドラ状態…。
見知らぬ街へやってきた少年 と
飼い主に起き去りにされた犬。
寂しさを共有する仲間として
次第に距離が近づき出します。
体が そして次第に心も。 わんわん
友達になったパルマと少年。 …けれど
パルマは元のご主人に会いたがっている…。
「返してあげなきゃ」
少年は心に決めた。
元の飼い主は、今何処にいる ?
今のパルマのことを伝えなきゃ
次第に、周りの大人が力を貸してくれるようになる。
空港のやや(…かなり)太めの女性
地上勤務の女性。
そして父親自身も。
新聞にパルマのことが載る。
この新聞が、思わぬ展開を招きます。
少年の載った飛行機には
共産党の幹部も乗り合わせていました。
この幹部が、主人を待ち続けるパルマのことを
政治的に利用しようと
「良い話」を仕立て上げようとします ←悪い奴です
元々のご主人に
「パルマを引き取るように」 との命が下されます。
「離ればなれの飼い主にようやく会えた犬」
という感動のお話は
共産党の格好の宣伝材料です。
しかし
もはや少年とパルマの間には
新たに 「信頼と絆」 ができていました。
パルマはどうなる
少年とパルマの運命は?
というお話。 ( 長い…)
登場する人物がみんな
キャラが立ってて良い味出してます。
動物ものなのですが
ハートフルドラマ色がどんどん濃くなっていく
そんな感じがしました。
そんなお話、私は好きです。
◇あれこれ
アエロフロート
少年の父が勤務する会社。
1977年時点ではソ連の国営航空 でいいのでしょうか …?
そこで働く人たちは、つまりは公務員。
国(共産党)の命令は絶対の時代なのでしょう。 たぶん
命令一つで勤務先を変更させられるとか
共産党の意に沿わぬヤツは出世できなくなるとか
コーリャの父もパルマの元主人も
そんな時代に翻弄されたのですよね。 お気の毒に。。
航空会社勤務の女性たち
スチュワーデス(今ならCAなのでしょうが…)や
地上勤務の女性たちが
とにかくキレイな人達ばかりなのにびっくり。 @_@
※旧ソ連の国営企業だから、と考えると有りそう?
少年の父親(パイロット)
どこかで見たカオ …と、気になっていたのですが
「T-34」のステパン様ではないですか。
戦車の運転士からパイロットへ。
今回も渋みのある役を演じてました。 ハラショー
◇最後に
秋田犬が沢山登場しました。 もふもふ一杯です
ザギトワさんも登場しました。 マサル元気かな
まあ、それはもちろん良かったのですが…
作品の冒頭とエンディングの
日本でのエピソード これって
無くてもこの作品が成立しているのでは…
そんな事を思ったりしましたが…(汗)
やはり
飼い主を待ち続ける犬の元祖=ハチ公 ですよね。
動物愛は世界共通です。 わんわん。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。