グッドライアー 偽りのゲームのレビュー・感想・評価
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俳優陣の演技力が素晴らしい。
原作が素晴らしいのだろう。そして俳優陣の演技力が素晴らしい。ベティも嘘つきであることは最初の段階で読めたが、彼女が嘘をつく理由には意表を突かれた。ロイが絶対に世話になりたくないと言っていた無料の医療サービスの世話になっているのも、部屋に描かれた絵が北ドイツの海岸になっているのも皮肉としか言いようがない。舞台がロンドンで出演陣も英国人ばかりだったのでアメリカ映画と後で知って驚いた。
よくまとめてきた!
途中からなんとなく立場が逆転するんだろうなーとは思いながら観てましたが、案の定そんなストーリー。
伏線も至るところに張られていたので割とわかりやすかった印象。
ただし動機などにはきちんと裏付けがあったので納得のラストでした。
爽快なラスト
女性の思惑が最後まで分からず進行していく物語が良い。
ラストシーンで主人公のトラウマを想起する場面が二つある。
一つは計画の協力者であり、孫の恋人からの「好ましく思っている」という言葉。これは、詐欺師のロイが昔から相手をはぐらかす時に使う台詞だ。幼い頃に初めて想いを寄せた相手から、レイプされる直前に言われた言葉。
リリーは少しの間その言葉を反芻し、過去を知らずにそれを発した相手に優しくキスをする。
もう一つは、池で戯れる孫娘たちの叫び声。リリーは思わず無事を確認しにいく。そこには、この世に危険など一つもないかのように無邪気に遊ぶ、かつてのリリーたち姉妹のような孫たちの姿。リリーは安堵し、目を細める。その顔には自信と誇りが溢れていた。
ここに至るまでの彼女の葛藤を思わずにはいられない。自分の安全だけでなく、子育ても緊張の連続だっただろう。それも過保護になりすぎないよう、細心の注意を払いながら。付き合う相手は人柄を第一に見定めて…。不安にかられては、立ち向かい乗り越えてきた。その度に辛い過去が少しづつ上書きされていったのだろう。
そんな彼女の歴史が、最後のシーンに凝縮されている。緑と光と笑顔に溢れた庭。
一方で、リリーから金を騙し取ったあとは南の島で老後を過ごす魂胆だったロイは、「一生世話になんかなるもんか」と言っていた無料の医療サービスの病院で、壁に描かれた寒々しい海辺の絵を背に、自ら食事をすることもできない。唯一の訪問者である自分を裏切った詐欺仲間から、「シャンパンだと思って飲め」と水を飲まされる。全てが偽りの世界。
庭、家族、成功、落伍者、皮肉。とてもイギリスらしい上に、爽快なエンディングだった。
おもしろかった
ベティさん、まんまと騙される…わけはないなとは思ったけど、ラスト20分くらいで種明かし。
お見事〜!とスッキリする。
ベテラン2人の演技が安定感があり、ホント素晴らしい。
若い頃のロイさんと、鼻が全然違うのはご愛嬌か?
それにしても、人間の欲というやつは、無限なんですかねぇ。
騙し合い
リリーの過去が陳腐すぎて、真剣に観てたのにがっかり。
それが理由なら、もっとロイのプライドをズタズタにしてほしいし、徹底的にやり遂げるストーリーにしてほしかった。金と体を痛めつけるだけでは物足りない。
公式で「騙し合い」とネタバレしなければまだ良かったかも。
あとこれは騙し合いというより復讐劇。
まだか?まだか?
とヘレン・ミレンの大逆転のパートを期待しながら見ていたが、話は思わぬ方向へ。プロの詐欺師同士の狐と狸の化かし合い、ベテラン俳優の小粋な演技合戦と踏んでいたが、過去暴行されたことや、父親に対する反逆罪密告からの家庭崩壊の復讐のために、初めからイアンを狙って嵌めようとしていたとは。。イアンもその他の詐欺で殺人まで犯していたので全く同情できるものではないが、後味は良くなかった。
出会いの時の
ヘレンミレンを観た時点で、ヘレンミレンの勝ち!と感じました。
しっかし悪ですね、あの男は!
往生際の悪さをバッサリ切って行く最後のシーンはスッキリでした。
…が、何十年も前からの確執とかをもってこずに、ヘレンミレンにはただの最強の詐欺師でいてほしかった。
『深く思う』・・・英国的な表現ね
映画「グッドライアー 偽りのゲーム」(ビル・コンドン監督)から。
インターネットの出会い系サイトで出会うところから、
ラストの金を巻き上げるシーンまで、
全て計画的な犯行だったと知り、ちょっと無理がある気がした。
そんなに上手くことが運ぶものなのか・・という疑問である。
映画だから、都合よく繋げられるけれど、現実は・・という感想。
だから、ストーリーに関係ないところで、気になる一言。
これも計画的・・と考えるとつまらないけれど、
愛する気持ちを「君を深く思うようになった」と伝えるシーン。
「『深く思う』・・・英国的な表現ね」と女性が切り返し、
「『愛』と言う言葉は居心地が悪い」と男性が答える。
確かに「愛している」より「深く思っている」の表現の方がいい。
日本では「大切にします」かな。
夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したことは、
映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」で、
紹介されていたけれど、直接「好き」「愛してる」ではない、
そんな表現に、思いの深さを感じるんだよなぁ。
前情報0だと良い
結末知っていると退屈かもしれない。
原作知らず、予告編すら見ていない状態で観賞。
ヘレンミレン見たさ。
詐欺師が純粋な女性に感化され、心変わりしてハッピーエンド的な流れを創造していたが、そんな話では無かった。
心変わりはあったが、
どんでん返しで終わるとは。
自業自得ではあるけれど。
グロいシーンはまああるような
そういうシーンないのかな?と勝手に思ってたのでびっくりしました。血が苦手な方はやめた方がいいです。
内容としては最後のオチの伏線が何も無かったのでえ?となりました。なんとなく、オチの予想としては散りばめていた伏線を最後で回収して、もう一個でかい想像つかないようなやつが最後にきてほしいなー来るかなと思ってました。そしたらただのふっつーのオチで、これってオチなのか、、と思いました。伏線ないオチってヘェ〜としかならないです!!!
でも、オチに至るまでのストーリー感?とか好きでした。老人のクズっぷりが分かりやすかったです
なんじゃこりゃ?
騙す側と騙される側が実は逆でドンデン返し!なんてオチだったら笑止だなと思ったら、まんまと図星、そのうえ最後唐突に匂わせもしなかったリリーのエピソード。この脚本書いた人謎解きの意味知ってんの?誰も知らない話いきなり持ち出したらそりゃ誰も解けないよね。ばからし。
しかも最後はドタバタ劇だし、何でこんな名優が二人も出てんだろ?キャスティングが最大の詐欺だわ。これが監督の意図ならまんまと騙されたけど、映画としては地べた這うレベルだからね!
幸運の風向
夫を亡くした老婦人ベティの資産を狙う老紳士ロイの話。
自身も嫁を亡くしたという設定で出会い系サイトで引っ掛けて親しくなり、投資を持ち掛けて行くストーリー。
仲間と共謀し他にも投資詐欺を働くロイと、人が良く直ぐにロイを信用し身体を労るベティ。
って…むむっ!?車の時点でちょい引っ掛かり、家の時点でほぼ確信。
何だかずいぶん早くどうなって行くかは読めてしまったけど、それを踏まえてどんな展開になるのかが楽しみになってくる中盤。
地下鉄のシーンはこの作品でそんなんやる!?と予想外だし、ベルリンでのせめぎ合いシーンは意外な過去の話に体温が上がる。
さていよいよからの流れはちょっと理不尽なところもあったし、完全後出しだったのはちょっとね。
それに都合良すぎるとも感じたけど、不用意なところがあったからこそのあの流れとも考えられるし、そこはまあ良いか。
厳しい結末ではあったけど、しっかり真っ黒な姿をみせていたし、なかなか良かったかな。
ただ、ロシア人がのっかってくるのは違わないか?
男が忘れた過去の代償は大きすぎた、そして女は
ネタバレという訳でもないけど、公開前からヘレンが悪女というのは知っていたので楽しみにしていました。
イアンが詐欺師ということですが、ただ単に人を騙して金儲けをしているだけと思ったら、違法スレスレというか、殺人も平気でさらりとやっている、
しかも、昔ではなく、今、地下鉄でのシーンは正直、えっっとびっくりです。
二人の出会いがネットでというのも現代でリアルだなあと思ったのですが。
女に誘われて、彼女の家に同棲、一緒に住むって早すぎないと思いましたが、これが人生前向きに生きるコツなのか、歳をとってもポジティブに、前向きに行行動しろということなのか、日本でこんなことしたら絶対、後ろ指さされ組だわと思いました。
最初から、この出会いも何もかも仕組まれていた、しかも女の掌の上で転がされていたことに気づいたとき、男は謝りますが、多分、まだ彼女を騙そうとしているのではと感じてしまいます。
家族がばらばらになって酷い目にあっても生き残った彼女は必死に生きてきた。
男も必死で、でも、自分のやったことは子供の頃の事だと、そんな事は忘れていた。
そして最期に男が払った代償は大きすぎた、全てを失った男の顔を彼女は見たのだろうか。
いや、たとえ見ても、そこで呵責と感じないで欲しいと思いました。
強い女と強いと自負していた男のやりとりです。
またも◯◯か‼️
騙し合いである、ということは宣伝や予告編で周知のことだったので、さあ、一体どう展開させるのか、本当に騙されていたのは誰か?
という自分なりの想像がどこまで監督に肉薄できるだろうか、ということを楽しみに鑑賞。
途中からある程度の方向性(最終的な勝者)は感じとれます。というか、私のようなおバカさんでも少しは分かった気にさせてくれるように組み立てられていました、なんて優しい監督さん。
でも種明かしのひとつひとつ、そもそもの動機や騙し合いゲームの参加者の素顔など、かなり意表を突かれました。私ごときの想像力は植木等さん以上にお呼びでなかったです。
名優二人の表情を楽しめるということだけでも劇場鑑賞の価値は十分‼️
【以下、備忘録的な感想】
上映後まず浮かんだのが、またもナチ❗️
ということでした。戦争ものに限らず、インディ・ジョーンズシリーズや最近のジョジョ・ラビットでもそうですが、英仏米その他ヨーロッパの映画では、過去でも現在でも、直接間接に関わらず、様々な形で登場人物たちに影響を与えています。
実際のところを知らないのですが、日本で我々が観るのと同程度にこれらの映画がドイツでも公開されているとしたら、ドイツの方々はどう感じているのか、とても気になります。
もし、第二次世界大戦の頃に日本が進出した中国や朝鮮半島やその他多くのアジアの国々の映画産業がもっと活発で、近代史やそれが現代にどう影響しているかを描いた作品の日本市場での上映数が多かったとしたら。
そして、それらの作品の中に旧日本軍の行状がいまだに色濃く残っていたら(思想色や批判的要素が薄いコメディやらアクションなども含めて)、自分がどう感じるのか、見当もつきません。
もしかしたら、歴史的事実を認識してちゃんと向き合っている人だって、もういい加減にしてくれ、と嫌になったりしないだろうか。
国民とか民族のプライドを取り戻す、という旗印を掲げた極右的な思想が生まれ、それを支持する人が生まれる要因のひとつになることはないだろうか。
そんなことを考えてみると、きっとドイツの政治家や教育機関や報道に携わる人たちは、戦後は絶えずそういう危険因子が増幅しないような自己抑制を意識した強い責任感を維持してきたのだと想像できます。
翻って日本の政治家や報道機関の方々は、一体どんな責任感を持ってきたのか、ということにも思いが及びます。
まさか、あれは今の日本人と違う日本人がやったことだから関係ないよ、という見方をする人はいないと信じたいのですが、どうだろう。
今度公開される『1917』は第一次世界大戦が舞台。
いわゆる〝塹壕戦〟という悲惨な状況についてWikipediaなどで予習しておこうと思ってます。
日本は出てこないと思いますが、実は日英同盟をいいことに、敗戦国ドイツの中国や太平洋における利権をちゃっかり獲得していたそうです。その利権がどうなったのかなど詳しいことはよく分からないのですが、世の中本当に知らないことだらけです。
オチがすぐわかってしまう
予告で知りましたが
名優の共演と言うことで楽しみにして観賞
感想としては
うーん
ちょっとキャストに比べ
脚本が平凡すぎ
演出も露骨すぎてサスペンス性に欠けました
老年の詐欺師ロイがネットの出会い系でカモを
漁っていると最近夫を亡くした未亡人ベティが引っかかります
互いに名前からプロフィールまで偽ったことを打ち明け
親密な関係になっていきますが…
ロイの専門は振り込め詐欺
老いても騙すことそのものが快楽のようなタイプ
ベティにも言葉巧みに近づきあれよあれよと
信用を得ます
ベティは資産家のようですが好奇心旺盛
ちょっと首を突っ込みすぎるとこもありますが
しっかり者のスティーブンが近くにいます
スティーブンはロイをハナッから疑います
最強の悪女といった紹介をどっかで見ましたが
どこが?
序盤にロイが仲間と思わせてそいつを騙す
逆ドッキリみたいな詐欺をやるシーンがあるんですが
仲間に後から報酬の不満を言われますが
暴力で黙らせるなど冷酷なとこも
見せますがこれも裏切りのフラグだよなー
とすぐ気が付きます
このままロイがベティを騙していくのかなと
いうとそこはヘレン・ミレンがやっているわけですし
不自然なまでにロイを信用するベティの様から
ああ最後はロイが騙されるんだろうなとすぐわかります
だからそれがどんなふうにかという見方になって
しまいます
そこがこの映画サスペンスとして全然ダメかなと
終盤はその真相になりどうロイが騙されていくかになりますが
それが何とも後からくっつけたみたいな感じでえぇ…と
詐欺師ロイ誕生の瞬間みたいなエピソードなのですが
いくら50年以上前とはいえそんだけのこと一度にやらかして
そんなに覚えてないもんかなと首をかしげてしまいました
「しようとしている」事を示唆する描写は露骨なんですが
少しずつ関係性や生い立ちを示すのは一切無いので
どうしてもいきなりに感じてしまいます
なんであのペンダントとかをもっとそういう
思い出させるアイテムに使わなかったのかなと
なんかの本で読みましたが
詐欺師というのは病的にナルシストな部分があり
イアン・マッケランはそのあたりの異常性を
しっかり演じていました
ヘレン・ミレンも同等に演じていましたが
存在感がありすぎてストーリー自体のからくりに
影響しすぎている気がしました
そう
キャストはいいんだがな…
なんかどうも最近見かけ倒しのサスペンス多いです
※ネタバレ厳禁 ヘレン・ミレンのチャーミングさに星0.5増し!
前情報無しで鑑賞。
予告編は劇場で何度か見てたから、何やらどんでん返しがありそうな予感だけは携えて鑑賞。
後半、話が第二次大戦に至ったあたりで 、 以前に観た「手紙は覚えている」 が頭をよぎって離れなくなってしまった。というか、主人公の見た目も似てない!? って思って、どんどん意識して比較してしまった。 あの作品の「 大! どんでん返し! 」はそう簡単に超えられるもんじゃない。 案の定、 期待値の三分の二ぐらいを消化したあたりで終了。
ヘレン・ミレンも、 2015年の「黄金のアデーレ」での印象が強くて(あの作品も傑作!)、第二次大戦を媒介とした「過去と現在」ってテーマも相まって、頭の中で( 「手紙は覚えている」 + 「黄金のアデーレ」) ÷ 2 = 「本作」 の構図が出来上がってしまったため、個人的には期待値ばかりが先走ってしまって後で反省。。。
作品そのものはまずまずの満足度! 一方で、ヘレン・ミレンのチャーミングさが輝いていたから、星0.5増しの4つ星!
それから、音楽がよかったな。 本作の音楽、好きでした。
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