FREAKS フリークス 能力者たちのレビュー・感想・評価
全3件を表示
現代の魔女狩り
外界に異常なまでの警戒心を持つ父親、家に閉じ込められている少女クロエ、題名からX-menのような超能力者のアクションSFものかと思ったが訳の分からないチープなホラー調に困惑は深まるばかり。
後半になって、FREAKSとは異常な連中を指す言葉、すなわちクロエの家系が超能力者で世間から魔女のように忌み嫌われ迫害を受けているらしいことが分かってくるが馬鹿馬鹿しい、まるで現代の魔女狩り騒動ではないか・・。超能力者と言わず能力者と超を省いたのはせめてもの配給会社の良心でしょうかね。敢えて控えめにしたのは民族や文化、生活習慣の異なる異端の人たちへのハラスメントに寄せて社会派ドラマの要素も込めたかったのかもしれませんね。
ザック・リポフスキー&アダム・B・スタインが脚本・監督・製作を兼任しているから、二人の思うように作れる半面、客観性が入る余地がなく独断専行、極めて作家性の強い映画になってしまう典型、夢見る少女じゃいられないとばかり、殺人までやらせるとは唖然、茫然、いたいけない少女を使ってホラーもどきの演出には腹が立ちます。
超能力系家族愛の物語
ヒューマンドラマペーストのSF、とあるサイキック家族の絆がテーマ。
以下、すごいネタバレなのでご注意ください。
超能力の家系に生まれたばかりに、普通の人間からの差別迫害を逃れるために過保護(?)なパパから隠れ家に幽閉されて育てられてきた少女(7歳)が、もうどうにもアイスクリーム(チョコのダブル)が食べたくなっちゃってプチ反抗外出を強行。
え? まるでIT(それが見えたら終わり!)みたいな展開か?(シャボン玉も浮かんでるよ)と思ったら、実はなんと少女の祖父だった(おお、そう来るか!)移動アイスクリーム屋さん。 物語では説明されていないが、このじいちゃんは孫が7歳になればアイスクリーム食べたさにいつかやってくる、という予知能力も持っていたため、ずっと隠れ家の前で駐車商売してたにちがいない。(たぶんね)
とまあ、そんなきっかけで、死んだと聞かされてた母親(サイキック=フリークのテロリストとして捕まった)が実はまだ生きているということを、自分自身の超能力で偶然に知っちゃった少女が、父と祖父の超能力の助けも借りて救出しにいくという流れ。
過保護な父親は、近所の夫婦を金で買収して少女を養子にしてもらおうと計画するが、フリークであることがバレて失敗、通報されて隠れ家もミサイル攻撃(さすがアメリカ)されちゃう中での母親救出作戦がハラハラ演出です。
結局じいちゃんもパパも犠牲になって死んじゃうんだけど、娘に会いたくてすごく頑張ったじいちゃんのことは、助かったママが全然気づかない(パパにはチラ見あり)のがすごく哀れ(だってじいちゃんと同世代だもん)でした。
てなわけで、突っ込みどころは結構あるけど、とにかく主人公がすごい美少女(将来が超楽しみ!)だったし、全体的にはなかなか面白かったので、自分の中では高得点でした。
蛇足で、サイキックパワーだけど、少女が最強にみえて実は時間を停められちゃうパパのほうがすごいんじゃないか?との感想。 これも説明ないけど、隠れ家にある大量の札束は、パパが時間止めて銀行からパクッてきたんだよね!?
じいちゃんとママの能力は…わかるようでよくわかんないなぁ。
They look just like us コピーより
You've got to be a good hider otherwise
the bad guys will find you..... " Sorry. Dad."
父親と娘のクロイ。娘に絶対に外に行ってはいけないという父親。何故か?
Chloe what's your favourite sport?
I've never played a sport. Bang!
You're dead.
このシチュエーションを見ただけでは、1984年のスティーブン・キング原作・ドリュー・バリモア主演映画「Firestarter」の亜流かと思ってしまう。でも違う。
I can only protect you when I'm awake.
能力者の弱点も見えてくる。
それならこの汚いだけの家が舞台のソリッドシチュエーション映画なのか? それも違う。トラックを家の前に横付けしているアイスクリーム売りの爺さん、AKA:Mr. Snowcone はクロイを連れ出そうとする悪者か? そうでもない。
I hate you!
I wish I had a Mom.
終いにはクロイは・・・・・!
I wish you would die.
では、Dadと呼ばれる男の人はクロイの本当の父親か?
見ている者を疑心暗鬼にさせる新しい感覚になる。そしていきなり女性の登場となる。
二転三転するストーリー展開。先が一切読めない。そして物語が進むにつれて全容が明らかになる手法。唯一言えることがあるとするならば、思い込みは’禁物’であるのは間違いがない。Sci-Fi映画にはあまり見られない不思議な家族愛を描いた作品なのかもしれない。誰でも持っている恐怖心と依存心と7歳の女性の自我の目覚め。
Wake up, wake up, wake up!
Come back, come back, come back.
そして映画も幕を降ろそうかというその時に
I don't want to hide anymore.
We can live wherever we want.
And if anyone bothers us,
we know how to make them stop.... Okay.
クロイが一人いただけで、スーパーマンはただの人工衛星になり、スパイダーマンは繭の中に、バットマンは顔を晒してジョーカーになってしまうかも?そしてプロフェッサーXは赤ん坊に帰る。
ある人は、この映画に関して一貫した関連性のないシナリオだと指摘する人や子供が法執行官のように殺人を執り行っているとか否定できない意見も存在する。たしかにクロイを演じたレクシー・コルカーさんの演技がなければ、この映画は撃沈していたかもしれないし、子供に殺人をさせているように匂わす場面があることは、いかがなものかと思うのは当然のことと言えるが、そのところはあまり違和感のない描き方をされていたと思うのだが....
ニューヨークタイムズ「映画の最も効果的なトリックは、クロエの頭の中に私たちすべてをトラップし、子供の目の視点から、理解不能に狂ってしまった世界を提示することである。」
ラストはカタルシス全開放となっています。
全3件を表示