「翼を広げた新生エンジェルから愛を」チャーリーズ・エンジェル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
翼を広げた新生エンジェルから愛を
顔を見せない司令塔チャーリーからの指令を受け活躍する3人の女探偵(エンジェル)が新生(リブート)!
…と思ったら、まさかの正式な“続編”であった!
序盤のあるシーンで、写真でTV版の初代エンジェルや先代の3エンジェルが登場!(“ディラン”は本作に製作総指揮で参加)
チャーリー・タウンゼントも探偵社から世界中に支部を持つ機密企業に。
それぞれにエンジェルたちやボスレーが居て…と、ここで意外な事実が判明! “ボスレー”とは名前ではなく、“警部”みたいな組織の階級。そうだったのか…!
今回の新設定かもしれないけど、なかなか面白いニュー設定。
初代が居て、先代が居て、今回のニューエンジェルが居て、そしてまたいつか継承エンジェルが居て…と考えると、一貫したこの世界観が楽しい。
さて、新エンジェルは…
時には美貌を武器に、時には変装をし、男勝りな性格で腕っぷしも強いサビーナ。クリステン・スチュワートが初の本格アクション・ヒロインを快演。
元MI6で、射撃や格闘術にも長けるジェーン。新鋭エラ・バリンスカがクールに演じる。
これまでのエンジェルはすでにプロだが、今回はまだ若手。しかも2人、開幕の任務で初タッグ。
エンジェルは常に3人一組。一人足りない。ここに加入するのが、ナオミ・スコット演じるエレーナ。
と言ってもエンジェルではなく、エンジェルたちの任務に関わる事になる立ち位置。なので、慌てふためいたり、ゲロっちゃったり。
しかし彼女が知らぬ間に白羽の矢が立てられ、もう一人のエンジェルとして逞しく成長していく。
言うまでもなくキュートで、3人の中で一番の儲け役。
話も彼女を軸に進められる。
天才エンジニアのエレーナは、自身が開発した新エネルギー“カリスト”が会社の上層部によって軍事利用される事を危惧。勇気を持ってタウンゼント社に内部告発。サビーナたちと調査を開始するのだが…。
新エネルギーや軍事利用など、話も現代的。
黒幕も二転三転し、話も面白味あった。
元エンジェルから初のボスレーとなり3人をバックアップ、さらに監督/製作/脚本と計4役も兼任したエリザベス・バンクス。
先代エンジェルのようなおバカなくらいのノーテンキさは抑えられたが、やり取りやユーモアは軽快。個人的にはこちらの方が楽しい。
ポージングもカッコよかったキレッキレのアクションは先代の方だろう。今回はスタイリッシュに。
お色気やコスプレ感も無くなったが、華麗なるファッションに身を包み、美しさや魅力は負けてはいない。
初代ボスレー、パトリック・スチュワートはいつもながら某艦長か某教授のよう。…と思いきや。
ジャイモン・フンスーも頼りがいのあるボスレー。途中退場が惜しい。
また、“聖人”もナイスキャラ。エンジェルたちのケアや武器も作り、『007』で言えばQ。
敵役では、無口な暗殺者が異様さを放つ。
映画界で女性の立場や存在が叫ばれる昨今に作られただけあって、そんなメッセージも込められている。
ただ黙って男どもの言いなりになりはしない。
クライマックスのあるシーンでは“揃い踏み”し、まるで手を取り合って、共闘して、まだまだ男尊女卑な映画界に戦いを挑むパワーを感じた。
エレーナの会社潜入のミッション、採石場でのアクション、意外過ぎる黒幕と遂に対するクライマックス。
アクションやスリリングな見せ場もふんだんに、軽快なユーモアやノリのいい音楽でテンポよく。
ニヤリとさせるSPキャスト。特に、これまで声のみであったチャーリーが、ひょっとしたらアノ人?…と堪らん遊び心とオマージュ。
そして3人の活躍と成長と、絆とチームプレー。
強く、正しく、美しく、面白く!
全米では大コケし、つまらないのでは?…と勝手に思ってしまったが、
いやいやいや! 何の何の!
思ってた以上に、いや~面白かった!
新生エンジェルたちも非常に気に入った!
採点は4でもいいんだけど、3・5で。
何故なら、更に面白い続編に期待!
是非とも、続編を!