永遠が通り過ぎていくのレビュー・感想・評価
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あなたがなにを言っているのかよくわからない
2022年公開作品
U-NEXTで鑑賞
監督と脚本は元AV女優の戸田真琴
16年にSODからAVデビューし21年に引退
セクシー女優という言い回しは夜の六本木でチャラチャラしている東京のマスコミ関係のゴリ押しに感じ使いたくない
3本の短編によるオムニバス作品
自分が戸田真琴の大ファンだとして彼女の舞台挨拶とセットじゃないと正規の料金で映画館に足を運べるような内容ではない
戸田真琴という3つの地獄
彼女が全裸で登壇したとしても許される代物ではない
できることならフロイトに精神鑑定依頼したい
なんじゃこりゃ
『アリアとマリア』
なぜか植物園
なぜか日本語と英語の字幕付き
空虚な散文詩のやり取り
配役
妹のアリアに中尾有伽
姉のマリアに竹内ももこ
『Blue Through』
字幕が消える
空虚な散文詩は勢いを緩めたもののやっぱり続く
キャンピングカーで旅をする若い男女
お互いの名前は知らない
女の名前はアイちゃんらしい
配役
キャンピングカーで旅する女に西野凪沙
キャンピングカーを運転する男に白戸達也
出血を止めてくれた女に國武綾
『M』
シンガーソングライターの大森靖子が熱唱する歌が流れる
女子高生に五味未知子
女子高生と逃げる女にイトウハルヒ
監督の記憶や想いが音楽や字幕や映像の結晶として再構築されている
とても情報量の多い短篇集だった。鳥籠のような温室植物園での二人劇が強く印象に残った。
傷ついた皮膚を覆う瘡蓋のように日本語とフランス語の字幕が貼られていき、二人の台詞が流れてきて、音楽がそれを包み込む。幾重にも連なる表現は過度に捉えられるかもしれないが、それらの重なりから生まれた滲んでくるものに純度の高い禍々しさを感じた。
二人の関係は親子であるように見えて、友達のようでもあって、人間ではないように見えた。植物の化身のようでもあるけども、監督の想いを語る記号のような役目を担っていたのだろう。その温室内で良くも悪くも一定の保護下に置かれて育ち、やがて温室の外へ出荷されていくであろう植物たちに、監督は自分がある一定の環境の中で護られて反発しながらも今に至る自分を表現したのかもしれない。字幕、音楽、多彩な色彩が弾幕のようにスクリーンを覆い守りたかったものは、監督と親との物理的に切ることのできない記憶の糸だったのかと思った。
わたくし映画(フランス映画の系譜)
「私小説(わたくししょうせつ)というものがあるように、これは私映画だ」by菊池建雄監督
「芸術はATフィールドを通り抜ける力を持っている」by戸田真琴監督
自分を語ることで、誰かの魂が救われることを祈っている、そんな映画だ。
4月7日アップリンク吉祥寺で鑑賞。
戸田真琴は、生な生(なまなせい)を丸ごとさらけ出している(と感じた)。
だからそれは、ストーリーという分かりやすい意味を持った一本の線にはならない。だって、なりようがない。
そこが、フランス映画の系譜につながる。
私はもともと戸田真琴さんの文章が好きである。
この映画の中の言葉もとてもいい。それはパンフレットに掲載されているシナリオを読んで、より一層はっきり分かった。
目で見て読む文と、耳で聞いて届く文とは、やはり異なる。そこが惜しい。
だから、☆は4でなく、3.5とする。
その点は、さすが大森靖子。彼女の声と歌い方は、耳で聞いて、むしろ、よりはっきり伝わる。作詞のMは真琴ですよね?たぶん。
映像は美しく、様々な挑戦もしている。次回作は必ず観る。
衝撃作(ある意味)
ここまでひどい映画は見たことがないので
ある意味貴重な体験をしました。
色々言いたいことあるけど、一番は
「登場人物にまったく共感できない」
ある時点で登場人物の感情が高ぶっているのですが、
そこにいたるまでの過程を私達にわかるように描いていない。
画面上の登場人物がなぜこんなにも興奮してるのかがわからない。
そこの温度差がすごかったです。完全に置いてけぼりを食らいました。
あと、台詞が日常会話から浮きすぎてて
終始共感性羞恥を感じました。
最初の詩の部分はおっと思いましたがまだナレーションだからいいとして…
我慢してたら演技が始まってからもずっとあの調子なのでずっこけました。
創作する者として、表現する者として、
こんなんでいいの?!ってなりました。
生の食材とコショウ渡されてこれで
味付けして食ってね、と言わんばかりで。
これが認められるなら、今までみんながやってきたような、
材料を濾したり、味付けを測ったり、というような努力はなんだったの?って感じです
良かった点は、映像がきれいなこと。
大森靖子さんの曲もよかったかな。
ストーリーは抜きに、エモい画を撮らせたらうまい監督さんなのかな。
描かれている傷には覚えがないけど懐かしい
ストーリーを追うっていうよりは、眺めるように見て、音楽を聴くようにセリフを聞いて楽しむ映画かなと思った。
昔、HTMLタグを書いてホームページを作っていた頃に、フリーの写真素材サイトをたくさん訪ねては好きな雰囲気のサイトをブックマークしていたんだけど、この映画はそういうサイトをのぞいている感じがして懐かしかった。「女の子」「街」とかカテゴリーに分けてあって、微笑む女の子の鼻から下が斜めに写ってたり、電線が意味ありげに延びてたりするやつね。■が並んでてクリックすると別カラムに写真が表示される、ああいうやつ。監督が普段から撮りためている風景なども編集して使われているそうだ。
セリフで誰かが誰かに訴えかけている内容は、自分の傷を分かってよ分かってよと言ってるみたいで、そこは同じ傷があるかないかその傷が深いか浅いかでどれぐらい味わえるか変わるだろうなと思う。私はとりあえず文語調だったり詩的だったりするセリフに挑んでいる俳優さんたちの姿のほうに感銘を受けたかもしれない。
戸田真琴監督、キャストの中尾有伽さん、中尾さんの他の出演作の監督で阿部はりかさん。三人が登壇する回に行った。司会なしで女三人しゃべる。中尾さん、出役なのにまるで前に出ようとしないで優しいまなざしで監督を見ていたのが印象的。
男性客がやっぱり多かったけど、上映中も舞台挨拶中もみんな静かにしていてマナーのいい人たちだった(ペットボトルをどすんとホルダーに置く人がいて、それは嫌だったかな)。出かける前、偏見に満ちて(劇場が妙な雰囲気かもと)覚悟を内心していてすみませんでしたという気持ち。
闇堕ち
自分語りな感じバリバリ…と思ったら、本当にそうだった文筆家でAV女優の監督による3作の短編集。
アリアとマリア
フィルムカメラを持つ女性とハーブティーを飲む女性の2人が植物園でぶつかり合う話。
母親?ゴミ屋敷?他人の言葉を借りているというか、成り切っているというか、人物像がコロコロ変わって何を言っているのか…。戯曲の様でもあるけれど、基本会話劇で、映像が邪魔して内容が入ってこない。ラジオドラマの方が良かったんじゃ? ☆0.5
BlueThrough
キャンピングカーでお出かけした男と女と+1(ネコを除く)の話。
遠くへ行きたい?病んでる女?「アリアとマリア」よりはドラマがあるし、男と女になったけれど、あまり変わり映えしない様な…。☆1.0
M
監督からの手紙をもとに大森靖子が書いた楽曲に映像をつけたMV的作品。
AV女優である女性の心の関係と肉体の関係と底に至った環状線と…曲は超大森靖子という感じで嫌いじゃないw ☆1.5
ちょっとやさぐれた女性にはハマるのかな…。
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