「待望のブラック・ウィドウの物語なのに些か割を食った感じが惜しいです。」ブラック・ウィドウ 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
待望のブラック・ウィドウの物語なのに些か割を食った感じが惜しいです。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の最新作でMCUでは前作の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」からかなり時間が経っての公開でMCUファンには待望の新作とあって、見ない訳には行かないでしょうと言う事で鑑賞しました。
で、感想はと言うと、うん。普通に面白い。
こちらのハードルを軽々とクリアしていくのは流石。
ただ、面白いけど「Disney+」のプレミアアクセスで同日配信がされた事でスケール感が若干トーンダウンした様に感じられる。
あくまでもイメージ的な物なので、実際には劇場公開を前提で製作された作品なので、そんな事は無いんだけど、動画配信との同日公開はやっぱり惜しい。
殆どの方がプレミアアクセスで観れるならそちらに集中するだろうし、その事で上映館も少なくなっている。
公開を盛り上げようとする気概も含めて、映画は作り上げられていくと思うだけにやっぱり惜しいなあ。
作品は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」と「ドクター・ストレンジの間でアベンジャーズ的には「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」迄の物語。
アベンジャーズのまとめ役で影のリーダー、ブラック・ウィドウがシビル・ウォー直後に自身の過去と向き合う物語でブラック・ウィドウが何故アベンジャーズに加わったのか?と言う点とアベンジャーズから離れていた時期に起こった出来事を描かれている。
ブラック・ウィドウの前に突如現れた、妹のエレーナ。二人は自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織「レッドルーム」の秘密を知ったことで命を狙われるが唯一の味方は、かつて組織が作り出した「偽りの家族」のみ。
バラバラだった偽りの家族は様々な出来事から、本当の家族になっていくが、レッドルームの恐るべき陰謀が動き始める…と言うのが大まかなあらすじ。
個性豊かな面々が揃うMCUは一人一人のエピソードまで手を伸ばすと、ネタには事欠かないのが強み。
その中でも最強のスパイとして魅力的なブラック・ウィドウの物語は「アベンジャーズ/エンドゲーム」で結末が分かっていても、やっぱり魅力的。
そこに新キャラクターで妹のエレーナ役に「ミッドサマー」でカルトブレイクを果たしw、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたフローレンス・ピューが登場。
正直、待望の参戦とまでは行かなくて、フローレンス・ピューが出ているだけでもなんとなく「ざわっ」としますw
物語は普通に面白いけどそれ以上でもそれ以下でもなく、MCUの中で至って普通なんですが、それでも大スクリーンで観る価値のある作品かと。
セリフや設定の所々に「アベンジャーズ」との繋がりが出てくるとなんかニヤニヤしますねw
ただ、それでも難点はあったりします。
父親のアレクセイ=レッド・ガーディアンを演じるデヴィッド・ハーバーがコスチュームを着てからの姿がどうにも「キャノンボール」で主人公のバート・レイノルズ演じるJ.J.の相棒のキャプテン・ケイオスにしか見えないとか、いろいろありますw
個人的に一番気になったのはブラック・ウィドウを演じるスカーレット・ヨハンソンが…ちょっと老けた感じが気になるw
時系列に並べると無理があるけど、撮影順では結構な時間が経っているので、それなりに致し方無しだとしても結構気になるんですよね。
母親のメリーナと並ぶと所々、ロマノフ=ブラック・ウィドウの方が貫禄も含めて、老けて見えるw
メリーナを演じるレイチェル・ワイズはスカーレット・ヨハンソンとは実年齢で15歳近くも上なんですが、一応、偽りと言え母親役と見比べて、娘の方が時折でも上に見えると言うのはどうかとw
また、これは個人的見解ですが、やっぱり動画サイトとの同時公開はマイナスイメージ。
実際にそうでなくても、製作や作品のスケール感が小さく感じるんですよね。
いろんな理由で作品の公開が遅れ、そうせざるおえない理由があるのは重々承知なんですが、出来れば公開1ヶ月ぐらい遅らせての配信スタートとかの考慮が欲しいかなと。
普通に面白いし、MCUの「フェーズ4」の作品では劇場公開作品の一発目となるだけに細かい所でつまづいて欲しくない。
ましてやキャプテン・アメリカやアイアンマンとアベンジャーズの主要柱が失われての新たな展開からの仕切り直しになるだけに多少のスケールダウンは否めない。
もちろん、今後様々な個性的かつスケールアップのキャラクターが出てくると思われるので、大いに期待したいが作品の内容以外の制作や上映周りでもちょっと割を食った感じがします。
それでも映画好きなら配信で見るよりも、大きなスクリーンの劇場で鑑賞して欲しい作品。
また、MCUではお馴染みのエンドロール後の次の予告的ボーナストラック映像にはニヤニヤ。
ネタバレになるのでここでは書きませんが、“おぉ!そう来るか~”と思う映像には楽しみがマシマシ。
また、皆も分かっているのか、誰も最後まで立たなかったのはMCUの流れが浸透している証拠ですね♪
夏休み前に景気をつけたい作品の一つかと思いますので、未鑑賞の方は出来れば劇場で是非是非です。