「東宝東映松竹とディズニーが喧嘩別れの中皮肉にも家族の再結集の話。」ブラック・ウィドウ 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
東宝東映松竹とディズニーが喧嘩別れの中皮肉にも家族の再結集の話。
この数年(気がつけば複数年経験している)、コロナという世界的に未曾有の状況で、色々な場所で地殻変動が起こり、時折、火事場泥棒の様に、首を傾げることが起きている。
最後発のメジャースタジオながら、コンテンツと過去のメガヒットによる豊富な資金力で巨大な存在と化したディズニー連合にとって、日本の劇場の閉鎖的な環境は目の上のタンコブだったのではないだろうか。
結果、上映開始とほぼ同時に独自配信サービスで新作を公開するというのは、アメリカでは他のスタジオもいくつかやっているものの、日本ではディズニーがそれを強引に押し通した。
でもね、日本のDisney+は、所詮ドコモのDisney Deluxの看板を変えただけのサービスだから、4K非対応だし音声もステレオのみのままなんですよ。
ドコモはコンテンツをコンテンツとしか見ていないから、エンターテイメントとは何か、なんて考えちゃいない。
そんな映画ファンを舐めきってる現状だからこそ、今作は映画館で観るべき作品だけど、残念ながら箱が少ない。
ほぼ王道のストーリーながら、途中でムーンレイカーのシーンが流れるなど、ああこれは007の家族版なんだと、思い観ていると、結果、「Mr.インクレディブル 実写版」なんだと解釈すると腑に落ちる。
出演する俳優達は誰もが素晴らしいながら、僕は話題になっている妹が、クロエ•モレッツに見えて仕方がない。
鼻と口の感じが。
父親は、ストレンジャーシングスのお父さんで、この方ロシアに行ったり来たりで大変ながらも魅力も十分。
スーツを無理して着こなすシーンは先述のMr.インクレディブルのまんまだった。
かと言ってお父さんが活躍するかと思いきや大して活躍する事もなく、むしろお母さんが強かった。
さすがハムナプトラを生き抜いた女は強い。
カメラワークも特に凝る事もないながら、丁寧に撮られていて、混乱しかねないシナリオを上手くまとめた監督の今後も期待が出来ると思う。
それだけに、コロナで映画産業に地殻変動が起き、一番損をして、得をしているのは誰か、我々は改めて考えなきゃいけないのでは。
大手が上映拒否したため、今まで脇役だった映画館に観客が足を運んでいる様子は個人的には嬉しい。
p.s. 昔レイチェルワイズ好きだったので、スーツ姿で俺得でした。家宝にします。
p.s.のp.s. タスクマスターの人、オルガ・キュリレンコに似てるなぁと思ったらその通りでした。ボンドガールってより、日本で何度か放送されたオブリビオンの空から降ってきた人の方が認知度あるかも?隠し出演過ぎて情報が出回っていないので誰だコイツって思った方も多いかも。