「姉から妹へ」ブラック・ウィドウ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
姉から妹へ
終わってみればいい話だし、随分と作り込まれた設定だった。
始まりは何を見せられてるのか分からない。
ブラックウィドウの生い立ちなのは分かるのだけれど、期待していたのとは少し違う。
21年後になり妹が登場してからも、なんだか流れていき、いつの間にやら「REDROOM」を壊滅させる展開に。この組織は彼女が所属していた組織で、彼女をブラックウィドウとして育てあげた組織らしい。
で、コレが今回のラスボスなわけだ。
そこに至るまでに、家族との再会と邂逅が描かれる。
妹は殺し屋で、父は強化人間で、母は科学者だ。
妹と再会した時は殺し合いだし、父と再会するも温厚な感じではない。母に至っては騙された上に組織の本拠地に連行される始末。
…と、散々な家庭環境であり、元々血の繋がりはない。任務上、3年間だけ家族の体を装っていた間柄である。
なのだが…
よっぽどその3年間は幸福だったのであろう。
血の繋がりなど無意味な程の結束を感じていたのかもしれない。情が湧くのであろう。
幼い妹は無邪気であり、姉の立場で見ると無条件に可愛い。その2人の睦まじさは母の母性を呼び起こすには充分過ぎたのであろう。
それまで思いもしなかった感情に満たされた3年間。
その温もりに帰結していく話でもあった。
アベンジャーズでは比較的隙のないキャラであるBWが母にたしなめられる姿なんかは新鮮。妹に決めポーズを茶化されるところとか。
そうこの妹のポジショニングが素晴らしい。
実は強がってたところとか、その温もりに焦がれていた感じとか。意地らしくて可愛い。
不貞腐れて部屋に閉じこもるも、父親と昔大好きだった歌を口ずさみ、少しはにかむ笑顔なんかは10代の少女のようでもあった。
母親のトリックも見事で、BWが霞む程、知略に長けてた。何手先を彼女は読んでいたのか。単独の戦いを強いられるBWだが、1人ではないかのような演出が小憎らしい。
アクションはシリーズと比べると地味な部類に入るのだろうけどアクセントとして充分な役割を果たしてくれてた。空中アクションもお気に入りだ。
恒例のオマケムービーが、このレビューの表題。
スタークの死後、新生なのか第二世代なのかは分からんが、次代のアベンジャーズへと着実に進行していってるような印象だった。
また楽しみが増えた♪