劇場公開日 2020年9月11日

  • 予告編を見る

「派手な戦闘シーンと丁寧な人間ドラマ」ミッドウェイ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0派手な戦闘シーンと丁寧な人間ドラマ

2020年9月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

第二次世界大戦中のミッドウェイ海戦を描いた戦争映画。
真珠湾攻撃から始まるので敵役としての日本軍を卑怯者として描くのだが、日本憎し!よりもそこから情報戦の重要性が高まるという流れ(もちろん日本憎し!のセリフはそこらじゅうで出てくる)。史実を追いかけているのだが、戦っていた兵士たち(将校も含め)の人間ドラマをきちんと描いているので飽きが来ない作りだったと思う。結婚式の例えはわかりやすかった。
そして戦闘シーン。エメリッヒだけに派手な画なんだろうなとは思ったが、期待通りの迫力だった。CGを使った映像づくりの上手さは衰えていない。
日本海軍としての苦しみや葛藤みたいなものも描かれているので意外とフラットな戦争映画に思えた。もちろんアメリカが作った映画なので、アメリカは正義!アメリカ最高!的なところは根底にがっちり組み込まれているのもたしか。
個人的な米軍の印象はとにかく生きて帰ってくることを重視するという印象だったが、東京大空襲で飛び立ったパイロットやミッドウェイで戦ったパイロットたちの姿を見て若干印象が変わった。彼らも追いつめられていたということか。逆に、天皇に奉公する精神で戦う日本軍は恐れを知らぬという意味での恐さがあるが、面子を重視するあまり幹部が誤った判断をしていた印象も強い。戦争中に夫婦で食事に行ってダンスを楽しむアメリカとの精神性の違いを強く感じてしまった。

kenshuchu