リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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Basic Incom時代の・・?
最初に、いつも高いレベルで映画を製作される監督に「敬意と称賛」を送りたい。
映画の内容を評論しても仕方ない。
この映画が、ぼくにとっていろいろと考えさせる作品になったのは作品内容とはまったく(たぶん)別の個人的なテーマ「情報化社会(人世代前の世界)」と「Basic Incom時代」のひとびとの生き方。
すでにマスコミ(TV、新聞、出版社、映画も入るのかな?)の正義が実は自分たちの利益でしかなく、国家や社会の利益とかけ離れていることが明らかになってしまった今、AIとロボットの時代における「人間の生き方がどうなるのか?」を知りたかったぼくにとって示唆的な映画でした。
ちょっと自閉的なスペクトラム症候群的な主人公ですが、喜んで警察システムの中で正しさを実現しています。それが彼は幸福なのです。
なんとなくシンギュラリティ後の人たちの生き方なのかな?と。結局、雇い主が変わるだけですね。
倫理的な感情を抜きにすれば、それはそれで次の現実なのかもしれない。
無罪を証明するのは難しい
法執行官
正直者
「映画」の使い方
俳優が「映画に・恩返ししたい」という声は聞くが、
監督は「映画で・恩返ししたい」ような姿勢に思える。
映画は映画にすぎず、「伝えるための手段」として道具(ツール)として、割り切って映画を作っている感じも受ける。
映画とは、「楽しさ」「悲しさ」「感動」「恐怖」「探求心」「夢」を伝えるための手段。映画の神髄を理解しているからこそ、監督の作る映画は、とても真摯だし、観ていて姿勢が正せられる。
可能な限りたくさんこれからも作ってほしい。監督の「映画に対する心」をどんどん残していってほしい。映画に対して真摯な人間が作る次回作が楽しみでしょうがない。
マスゴミのフェイクニュースの影で、血と涙を流す人たちがいること。
マスゴミが誰からの批判も受けず、のうのうとフェイクを垂れ流すことができていた時代。
特権階級として言葉の暴力を揮いつづけ、批判を浴びることもなかった時代の一つの悲劇を、丁寧に描いたエンターテイメント映画です。
内容は観ての通りとしか言いようがありませんが、マスゴミがまだマスコミと呼ばれていた時代の暗黒に立ち向かった英雄二人の物語で、特ダネを取るためなら女の武器を平気で使う記者とか、さもありなんという感じであり、どこからがノンフィクションで、どれがフィクションなのかわからないという点が弱点と言えば弱点なのかも知れません。
ただ、思うのですが、この映画も該当するハリウッド映画の一つの系統のことです。
すなわち、日が当たらない縁の下の英雄や、虐げられた人々に対して、キチンとスポットライトを当てる映画を作ることによって、しかも多くの人が観るようにエンタメとして完成した作品を作ることによって、鎮魂し、国家としての反省の意志を示すという姿勢を示す一連の映画作りについて、羨ましいなと思うのです。
それらを受け入れ、エンタメとして成立させることを許容する度量の広いアメリカ人の国民性。
ひるがえってわが日本はどうでしょうか。
リチャード・ジュェルの冤罪に対比できるのは、オウム真理教の松本テロで犯人と目された河野義行氏の冤罪事件がまず頭に浮かびますが、たしかに映画化されたものの、ごくわずかの目にしか触れていません。
制作者の肝っ玉の据わらなさを象徴するように、そもそも河野氏をはじめ、みんなを仮名にしている始末です。
日本とハリウッドの間に存在する、この絶望的な「志(こころざし)」や肝っ玉の差について、あれこれ想いながら、私はこの映画を観ていました。
汚名を拭う
リチャード(ポール・ウォルター・ハウザー)は母親思いの優しい人だけど、社会では時々誤解されてしまったり、人に使われてしまったり相手にされなかったりするかもしれない。一本木の性格に、マッチする仕事を選ぶ必要があるし、母親以外に彼を理解してくれる人を探さなければならないと思う。一般論だが、彼の外見はデブというより愛嬌のなる、冷凍クッキーやパン生地のhttps://www.pillsbury.com/ マスコット、ピルズベリーのようだ。リチャードも自分で人々にそう言われると言っている。ワトソンはリチャードに初めて事務所であったときの会話で、『なにかこの人は違う!』と思ったに違いない。リチャードのワトソンに対するその時の気持ちは個人的にちょっと読めなかったが。
しかし、彼を一人前の人間として扱って付き合ってくれたのが、ワトソン弁護士。だから、
リチャードはワトソン(サムロックウェル)に、弁護人になってもらったのだ。ここが大事なのであって、自分の存在を認めてくれる人は自分を人間として扱ってくれるし、聞いてくれる。
リチャードタイプの人は不幸にもうざく感じられてしまう。警備員という自分の仕事、自分に誇りを持っているが、周りはそうはみなく、このやつ、警察じゃないのになにいってるんだという具合だったんだろう。
それに、生存している母親が、まだリチャードが爆弾をしかけたと思っている人がいると言っていたが、マスコミ、FBIの操作で、リチャードはヒーローから悪人になったから、一般市民にマスコミが作り上げたイメージが悪印象として残っているのかもしれない。それに、前に述べたような性格と外見。Piedmont Collegeの教職員も彼の、『言葉通りにとる』性格も見抜けなかったね。外見と職業でみてるから、かれのシャープさが相入れなかったのかもしれない?人間性より外見や仕事で判断するのがいかに多いかつくづく感じるよね。
でも、彼の場合は一言おおい。FBIにワトソンと会いに言ったときは、必要で、人をお唸らせる言葉が言えた。一言多いんだよと思わなかった。
リチャードの母親のプレスコンファレンスで、息子の汚名を拭ってと大統領(クリントン)に訴えるシーン。監督イーストウッドがリチャードの汚名を拭ってくれた。
FBIはタッパとデズニーテープをお母さんに戻していないと(冗談ぽく面白い)
Richard Jewell: The 1996 60 Minutes interview
今の世の中もマスゴミだらけ
無理が通れば道理引っ込む
またイーストウッドの実録モノかと見逃した作品でしたけど、やはり劇場で観ておけば良かったと後悔しました。彼の実録モノの中では個人的に一番面白かったかも知れない。
今回は“真実の正義”についての内容でありテーマだったので、今現在の問題でもあるSNSなどでの大衆誘導型の“正義を纏った下劣な行為”などとも共通して凄く興味深く鑑賞出来た。
特に本作の場合それがFBIであり大手メディアであり、個人の力ではおいそれとは対抗出来ない相手の“下劣な行為”なので、ケン・ローチの作品並みに怒りが湧き上がりましたね。自分の利益の為だけに偽りの正義を振りかざす大きな力に対し決して挫けない心と言葉には真実が宿り感動させられます。最後のジョエルの言葉「私が負けれは、今後ジョエルの二の舞となるのが怖くて正義を行おうとする人がいなくなる」という事が全てですよ。
“無理が通れば道理引っ込む”のことわざ通りの本当の正義は喪失してしまうという教訓は、今の社会を見ても最も重要な問題だと個人的にはずっと感じています。そして今は権力者やメディアだけでなく、SNSなどで一般大衆までもが“正義を纏った下劣な行為”を行う世の中になって来ているので、この問題はどんどん深刻化していると思っています。なので、この手の作品は個人的には諸手を挙げて歓迎しますよ。
あんたは火を放ったんだぞ
映画「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督)から。
1996年のアトランタ爆破テロ事件で、犯人に仕立てられた主人公が、
常に「法執行官」として人を守るということを念頭においている生き方に
強く心を揺さぶられた。
真犯人も捕まって25年経った今でも、彼を疑っている人がいることに、
クリント・イーストウッド監督は嘆き、これを映画にして
彼の汚名返上・名誉回復を図ったことにも敬意を評したい。
「個人を称える役目は名誉なことだ」が監督の言葉だ。
さて、作品で心に残ったシーンは、根拠も証拠のない段階で、
他紙をすっぱ抜いたと大喜びした女性記者が務める新聞社に、
主人公と弁護士が乗り込み、怒鳴りつける。
それに対して「事実を伝える、それが私の責任よ」と彼女、
「あんたは火を放ったんだぞ。彼の生活を破壊した。
謝罪すべきだぞ」と弁護士。
大騒ぎとなる話、誹謗中傷の類は、ほとんどフェイク情報で、
発した人は、その後の展開にはあまり興味を示さない。
ほとんど責任を感じることなく、面白がってニヤニヤすることも多い。
だから、今回の弁護士の発言に、大きく頷いてメモをした。
本当の放火犯なら逮捕され、社会の制裁を受けるが、
フェイク情報の放火犯は、何も制裁を受けることはない。
だから、ネット被害がなくならないんだろうなぁ。
教訓は活かされず
恐ろしい映画だった。
教師の何気ない悪気のない一言からFBIもメディアも世論も
全てが彼を犯人と決めつける。
調べれば犯人じゃないとすぐ分かるのに。
ラストでリチャードジュエルが言ったことが真理。
彼を追い詰めると次の正義の芽を摘む事になるのに。
だけど、今現在全くこの教訓は活かされてない。
それどころかSNSではもっと酷い事が起こっている。
何百、何千、何万という人がFBIとメディアの役割を果たして
根も葉もない根拠を武器に偽りの正義をふりかざしている。
そして僕は巻き込まれないように無言でいる。
本当にこれで良いのかな?と考えさせられる映画でした。
映画だと隣にサム・ロックウェルとキャシー・ベイツがいて
とても頼もしかった。
リチャードジュエル
冤罪恐い、、、
実話だから良し?映画としては本当につまらない。
リチャードジュエルの人となりは分かった。
色んな誤解を生み、容疑者になって行くのも分かった。
ただ何というか、この映画は全編通してイライラした。
疑ってくるFBIも勿論そうだが、弁護士の熱量や信念が伝わって来ないのと、リチャードの内なる怒りもなんだかイマイチ分からない。
全体的な熱量の低さが、解決したのにモヤモヤしてスッキリしなかった。
実話を忠実に描く事は分かるが、ドキュメンタリーで無い以上、映画としてはもう少し感情や状況の起伏を描いて欲しかった。
特に特ダネを狙う記者として出てきた女は、悪者なのか良い者なのか、最後までただただ気持ち悪い存在。
FBI捜査官も、ただの馬鹿な悪役で信念ゼロ。陥入れ方もチープでそれに言いなりのジュエルにもイライラ。
最後もなんか拍子抜けなほどヌルッと解決して、こっちの2時間のモヤモヤも全く解消されず。
主役の2人だけでなく、出てくる全てのキャラクターに最後まで感情移入出来なかった。
他レビューでは「恐ろしい実話!」と高評価が多いようですが、実話かどうかは関係無くて、映画としてとてもつまらなかったです。
いつもの実話クリントイーストウッド映画で期待しただけに、イマイチでした。
アトランタオリンピックの頃はまだ小学校に通ってたな。
主人公リチャード・ジュエルはかなり記憶力が優れているし、ちょっとどこかネジが外れちゃっている感じで、自閉症?のような不思議さがある。
それがブレない正義感の強さと繋がっていて信頼できるキャラクターなんだけど、色々と分析力があって冷静な割に、周囲にはちょっと好きな様にやられすぎてしまうところは矛盾があってホンマかいなって思う。
・・普通あの様な状況で、電話つかって「俺がやりました」って言えなんて言われても従わないだろっ!!って思うのだけど、やすやすと応じてしまう感じがおいおいこの展開はないだろってヒヤリとした。
ただそのあとはおきまりの安っぽい展開にはならなかったので安心。無駄に面白くしようとしてなくて面白いドキュメンタリーでしたよ。
あとバカな記者役の人はマジでピッタシの配役だね。
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