ファーストラヴのレビュー・感想・評価
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登場人物みんな訳あり
登場人物が全員トラウマを抱えていて、結局トラウマを抱えた者同士じゃないと理解し合えないのかなと思いました。
全員何らかの事情を抱えているので、それぞれの心理描写が浅いです。
なぜ証人になる気になったのか、なぜ北川景子はあんな優しい夫にそこまで秘密にしておきたかったのかよく分かりませんでした。
サスペンス映画としてはまずまず楽しめました。
救いもある終わり方で良かったと思います。
感じ取り方に性差がありそう
本当に人を好きになったことがあるか,という観点から過去を探っていくアプローチが面白く,その内容も女性作家ならではの内容であった。一部の女性にとっては決して他人事じゃないように感じるのではないか。カギとなる男の人の視線がうまく描写されていて,被告が体験したトラウマの一部を実際に味わっているような気分だった。
完全にデートに不向きムービー
見終わった後「……帰ろか……」みたいな雰囲気になる
男女で見に行くだけでも雰囲気最悪になりそう。
以下、順不動で思ったツッコミ↓
・板尾良くその役引き受けたな!
・トイレ掃除中っても無人であんなに床ベシャベシャにしとかないだろ
・自傷行為に包丁?? カッターのが手軽では?
・見られたくないのに女子アナ志望ってなんで?
・そこ兄弟で分かっててええんか?
・ダッシュボードにそんな分かりやすく入れとく?
・母親、それ言わんでええやん
・母親、なんで平気な顔しとるんや?
・「二桁経験あっても……」って、そのセリフ逆に童貞っぽくね?
・で、そんなこと言うやつ好きになるか?
・そもそもいきなり髪の毛切らすって何なん?
・店の裏で髪の毛切る客、怖くない?
・いきなりそんな事してくる男嫌じゃない? そんな男に惹かれるってめちゃくちゃ性癖特殊じゃない?
・どうでもいいけど、窪塚洋介、めちゃくちゃカッコいいなおい!!!!←これは役とかじゃなく、完全に佇まい、ビジュアルの事
etc....(思い出したら追記するかも。)
芳根京子の演技や全体的な雰囲気はシリアスなのに、上記のツッコミが見ている最中頭の中をチラチラと掠めて、どうやってレビューでまとめてやろうかと悩みました。
予告で見た段階では、もっと芳根京子に裏があり、北川景子が自分のトラウマと公私混同苦しんだ挙句、騙されて冤罪と信じ込ませられてしまう、とかかと思っていたけど、そこら辺は案外すんなりでしたね……。
こんな感じで、すんません笑
N◎t a Second Love!!!!????
本当のことを言う為には、時として、お金を持たせる必要もある場合もあるような。(笑)
感情に配慮して。(笑)
本当のことを言うタイミング。(笑)(笑)
本当のことを言っても信じてもらえなければ意味がない??(笑)(笑)
感情とタイミング。そんなことをちょっとかすめたけれど。(笑)
信じてもらえない時は、まあそんなとき。(笑)
その逆もまたしかり。(笑)
仕方がない。??(笑)
そんな諦めと、あがきと葛藤と、格闘なのかどうなのか。(笑)(笑)
できれば民事で
企業対企業とか。(笑)(笑)
国家間の民事紛争解決、痛快、アクション、恋愛、サスペンス、コメディが観てみたい。(笑)(笑)
Second Love??に期待しておりまする。(笑)(笑)
Whats a First L〇ve@RiverDe□!!!!!????
脚本どうのこうのとか。(笑)
刑事事件での弁護士どうのこうのとかは置いておいて。(笑)
クールな演技力と。(笑)
熟女的演技力??にすこし萌えながら(笑)
そんな映画(笑)(笑)
まあ、あやめてしまったのかもしれないけれど。(笑)
誰からも恨まれてはいないし、口なし。(笑)(笑)
みずからの申し訳なさを償うだけなので八年??(笑)(笑)
そんな内容は置いておいて。(笑)
クールなキャストとその他もろもろ。(笑)
俳優さんが好きなら、楽しめるようなどうなのか。(笑)
アップとか画がいいのですよ。(笑)??!!!
まあ脚本は置いておいて。(笑)
個人的にはこれからは民事事件でしょうか??(笑)
日本における民事事件は難しいし、映画にしにくい。(笑)(笑)
そんな、技量の見せ所を、頑張ってほしい。
続編に期待なのかどうなのか??(笑)(笑)
擬似的な自死
以前から小説を読みたいと思っていたが気力が湧かず、映像になったので気力を振り絞って行く。絡まった連立方程式は綺麗に解けて丸く収まり、現実のおぞましさを少しだけぼかし、社会派サスペンスを基軸にしながらもながらも観る人の視点によって違う捉え方ができそうな多角的な構造は素晴らしくよくできていた。こちら側の人間と自分で言うのはおこがましいが、その端くれとして楽しめたのはトラックのシーンで、あのように人生の鍵となる二人の男の前で死んでいたらどんなに幸せだったろうと思わずにいられなかった。擬似的な自死の果てに生まれ変わってみたいものだという欲を満たすに十分だった。もちろんラストシーンもひねくれて捉えるなら擬似的な殺人に擬似的な罰という癒しに見えなくもなかった。
備忘録
1週間前に観たので忘れかけていますが、原作はどうか知りませんが、そこまで生々しくなく、最後はスッキリ解決した印象。
性的虐待、毒親、性犯罪、男性の怖い目など、女性はニュースで見聞きしたり経験する場合もあり、非常に嫌悪感を感じます。最後全て明らかになり裁かれ刑に処される流れは、観て良かったと感じました。
演技面では芳根京子さんの演技は、以前観た映画の犯人役よりも型を破った印象で良くなったなと感じました。
北川景子さんは美しすぎる為なのか、感情的になる場面は良しとして、些細な仕草や何でもない場面で、働く女性のナチュラルさというか日常を感じ取れない演技は、残念に感じました。
ファーストラブの意味
小説は未読。
冒頭、誰が嘘をついているのかわからない混沌とした状況が出てきて、サスペンスドラマのわくわくした期待感をもたせられる。
しかし話が進んでいくと、犯人当ての推理ドラマではなく、心の複雑な問題に分け入っていく話なのだとわかってくる
正直、最後のどんでん返しや、あっと驚く展開は無い。その点で物足りなさを感じつつも、脚本は丁寧で一貫してリアリティを保っており、面白く観ることができた。
この話の本質は女性にしか分からないのかも知れない。そういったリアルなテーマを描いている。
映画の冒頭に出てきた言葉。
子供が引きこもりなどになったとき、親は、それが子供の問題であり、自分には何も問題がない、と考えてしまう。親が根本的な原因になっていることがあることを、なかなか理解してもらうのが難しい。
これが、映画で一貫して訴えていることのように思う。
親の論理と、子供の論理
そして、男性の論理と、女性の論理
明示的な論理と、非明示的な論理が
繰り返し対比されて提示される
親の論理、男性の論理、明示的な論理は、理由がはっきりしていて、理屈が通っていて、倫理的に正しく、世間体的に恥ずかしくない、いわゆる正論に属する
しかしそれによっておしこめられて、水面下に隠された「本音」の歪みを押し付けられた弱者が、異常行動という形で事件を起こす。
今やっている洋画の「スワロウ」も同じテーマだろう。
父親は、不貞で生まれた娘を自分の娘として受け入れる。これは道徳的には正しいことであり、自分は道徳的な人間だと思いたいからそうしたのかもしれない。
しかし潜在的には妻と娘を憎んでいたかもしれず、それが妻や娘への無意識の虐待につながった。
無意識であるゆえに、関係者の誰も、加害者、被害者の意識がなく、その行き場のない感情が最も弱い存在である娘におしつけられる形になった。
裁判というのは、論理的、明示的なものだけが重要視されるものだ、ということも繰り返し強調される。
だから、最後に主人公サイドが裁判で負けることには大きな意味がある。
これは、現代社会というものが、男性的で論理的なものを正しいとして秩序を保とうとしている、ということを意味している。
最後に、ファーストラブの意味を考えてみた。
これは、子供の親への愛のことだろう。
どんな人間でも、まず愛するのは親である。
それに対して、親は子供への愛がファーストラブというわけではない。
その非対称が虐待の問題の根本の一つなのかもしれない。
どうしたら兄のような心持ちのイケメンになれるのだろうか
重厚な心理劇。二人の女優の熱演が心を揺さぶる。まっすぐな兄の心持ちと彼の撮影したハートフルな写真が、重いストーリーを中和する。「辛い過去を乗り越えた大人がいい仕事をする」と静かに鳥肌が立ったエンドロールにしてやられる。
人から大切にされ、自分を認める「愛情体験」としてのファーストラブが、全ての人々に訪れるようにと心が温まる、見応えのある作品。
親子の関係 そこには確かに愛があった。
ニュースや報道を聞くと、
被害者に感情移入して肩を持ちたくなる
だけど、本当は、
被害者にも加害者にも、
それぞれの正義があった。
娘だって、母だって、父だって、
きっと悪意があったわけじゃない。
傷つけたかったわけじゃない。
親だって、人間。子供ができたから"親“になっただけ。
親なりの育て方で、愛情を注いでいた。
そのやり方を、少し間違えただけだった。
自らの心の中にある傷は、
どれだけ押し込めていても、
なにかの拍子で牙を剥き、毒で体を蝕んでいく。
きっと、観た人それぞれの、
辛かった過去、かつて愛していた人、
そんなものが思い出されて、
胸が苦しかったんじゃないかと思う。
そして、境遇が違くても、
同じような感情になったことは、
誰でもあると思う。
大切な人に、逃げないで想いを伝え、
抱きしめてもらうだけで、
同じ思い出の色が変わっていく。
それはまるで、役目を終えて天に昇華していくように。
それがどれだけ救われることか。
胸に、沁みた。
また、エンディングに映し出された東京の風景。
びっしりとしきつめられたビルやマンション…
これを作った人がいて、
ここで生活や仕事をしている人がいて、
みんな、悩みを抱えながらも一生懸命生きている。
自分の見える世界だけ、
視野が狭くなっていきがちだけど、
みんなここでがんばって生きているんだ。って思えて、勇気づけられ、心が暖かくなった。
家に帰ってきても、じんわり心に残る作品でした。
苦しい
誰しも心の奥底に、永遠に隠しておきたい記憶があると思います。!!
この映画は、そんな心根を鮮明にえぐってくれます。
北川景子さんの横顔が、若き日の吉永小百合さんに徐々に見えてきました。(芳根京子ちゃん可愛い)
キャストの方々の
演技が素晴らしかったです。
木村佳乃さんの演技が特に良かったと思います。
窪塚さんの役柄がとても好きでした。
包容力ってこういう事なのかしらと思いました。
サスペンスという感じはせず、
きっとこういう事なんだろうなぁっと予想が
できてしまうストーリーで残念でしたが
思いの外、良かったと思います。
こういう系の映画は詳細は違えど
何かの根源って結局…
元を正せば、結局…
結局のところ同じなので
それだけ、やはり
家族、愛、幼少期は大事なのだなと改めて感じました。
重いテーマで考えさせられましたがよかったです
最近若手俳優さんたちのことをほめてばかりのレビューになっている気がしますが、今回も芳根京子さん、素晴らしかったです。
他のベテラン俳優さんたち(北川景子さん、中村倫也さんをベテランと呼ぶのは少しはばかられますが窪塚洋介さん、木村佳乃さんなど)に負けない迫真の演技でした。
『居眠り磐音』『今日も嫌がらせ弁当』などなど色々な役柄をうまく演じられていますが、今回の少し重いテーマの役どころ、しかも面会室がほとんどのシーンでの感情表現、涙を流すシーンがとても印象的です。
ストーリーとしては色々な伏線が(まぁ読めないこともない、っていえばそれまでですが…)うまくつながって原作未読ではありますが、島本理生さんの描かれたストーリーを堤幸彦監督が見事に味付けした感じです。『トリック』『SPEC』等とは違った趣の社会派作品です。
様々な種類の虐待が原因で被疑者の環奈も、心理師の由紀もかかえきれないトラウマを心の奥底に持ったまま生きていること。現代社会の抱える重い課題について考えさせられました。TVドラマでの芦田愛菜ちゃんが演じた『Mother』でも幾度となく涙したことを思い出しました。
北川景子さん、中村倫也さんの大学生時代はさすがに無理がある気がしましたが、映像的にはそれっぽく映っていて「さすが役者さんだなぁ」って感心しました。ほかのレビューでも書きましたがペ・ヨンジュンさんとチェ・ジウさんの高校生役にはいまだに勝てるものはありませんが。
中村倫也さんは横浜流星さんと深キョンを争うドラマで初めて知りましたが、最初は少しすかした役者さんかと思ってましたが台詞よりも表情で演じられるいい役者さんですね。北川景子さんはこの前観た『約ネバ』での役柄(鬼退治の柱役?違うってば!)とは全く違っていつもながらの安定感でした。(それにしてもお子さんを授かりながら複数の映画の出演、本当にお疲れ様でした!)
窪塚洋介さんも『ピンポン』依頼でしたが自然で素敵な演技に魅了されました。
ラストはハッピーエンドとはいいがたいですがとても考えさせられました。
※蛇足ですが板尾創路さん『愛のむきだし』でも殺されてましたが身内に殺される役が板についてますね~
主人公が羨ましく、憎らしい。心が辛くなる作品。
北川景子、中村倫也、窪塚洋介等と好きな俳優が多く出ていて、サスペンスも好きなので、コロナ禍の息抜きに久しぶりに映画館に足を運びました。
結果、見たことを後悔しました。
北川景子演じる公認心理師?が自身の本の取材のため、芳根京子演じる父親殺しの被疑者と接見を重ねる中で、自身のトラウマとも向き合っていきます。
主人公が心理学を仕事にしているにも関わらず、作中で言われてるように「自身のトラウマを被疑者に投影して彼女を助けることで自分も救われようと」し、元カレである中村倫也には初めてのセックスが上手くいかなかった気まずさでつい「俺は2桁経験があるのに…」と口走ってしまったことに対する腹いせのように、母親に捨てられた彼に対し、愛情が足りないからセックス依存症になったんだ、と心の深い傷を攻撃し、その彼にとって唯一心を許せる存在であった義理の兄と結婚し、夫である彼にはそのことを一切話さず、仕事に熱中して夫に家事も任せてデートの約束も理由も言わずドタキャンする。主人公のトラウマも、父に何かされた訳ではなく、ただ海外の女の子を買っていた父親が気持ち悪かった、というもの。大人になった主人公ならそんな父親を許さざるを得なかった母親の苦しみも分かるはず。
被疑者は主人公に「ちゃんと罪悪感をもてるようにしてください、」というが、主人公が周りに対し、罪悪感も感謝も持てないままで何も解決しない。
裁判も、急に弁護士が新たな証拠を見つけてきただけで、主人公は証人になりそうな人を責めるだけ。
それでも「綺麗で雰囲気がある」主人公を中村倫也、窪塚洋介兄弟が支え、受け入れることで前向きになっていく。
もっと公認心理士として活躍する主人公か、弁護士として証拠を集める過程が見たかった。
自分勝手で周りに対する感謝のない主人公にモヤモヤし、心を扱う仕事にも関わらず思いやりの無さにガッカリした話でした。
窪塚洋介さんは今でも甘さのある話し方と独特の雰囲気で、包容力のある夫役が素敵でした。
要 水切りワイパー
主題は性的虐待なんだけど、、、
所々それ要る?展開があったように思う。
性的虐待が主なら大学時代の長いシーンとか暇すぎた。
原作を読んでないので何が主題なのかはわからないのですが、、、
子供の健全な精神発達の環境という大事なテーマだったんだが何故か面白くないと思った。
私が思うにフィリピンの子供達の方がかわいそうだと思ったんだろうな
その問題については映画内では一切触れていない
国内では気をつけましょう、でいいのかな
殺したいくらい恨んでたなら少し同情したかも知れない。
事件がトイレ掃除がいけなかったのか、水漏れが起こってたのかそれが争点にならなかったのは何故なのか。
警察は現場の何を見ていたのかと思った。
水切りワイパーなどで証拠隠滅しない限り足跡など全くないのはおかしいはずだ。
意外性はないけど、悪くはない。
原作未読。予想外の展開を期待していましたが、何となくの予定どおりの展開。サスペンスというよりドラマ性寄りの作品。ストーリー展開についてや、被告の動機面や過去、北川景子さん演じる主人公の過去等、既定路線通りの展開でしたので、こういう作品かってことで女優二人の演技合戦を楽しむことにシフトチェンジすると楽しめます。事件の真相が事実であれば、判決には問題ありますが、明らかになった証拠であれば有罪判決出さざるを得ないですよね。是非女優二人の演技合戦をお楽しみ下さい。
救済
ファーストラヴ=初恋ではないのだな。
初めて自覚する愛情とか、至高の愛とか。
おそらくならば親が子供に向ける愛情の事を指すのであろう。
繊細な話だったし、衝撃の結末だった。
虐待と分類しにくいストレスを被告人は幼少期より抱えていて、それは社会人になる現在に至るまで影響している。そんな彼女の父親が殺されていいる。彼女の手には血塗れの包丁が握られており、状況的にに見て彼女が刺したのであろうと思われる。
その事件の内側を紐解く形で、物語は進んでいく。
幼児回春
性的虐待
セクハラ
無関心な親
欠落した親からの愛情
社会的地位の優位性
親の優位性
法律の不備
罪名がないだけの罪
驚く程のテーマの多さをよくぞまとめ上げたもんだと思う。
面倒くさい人間関係の割には、結構把握できている事に今更ながらに驚く。監督と脚本家に感謝である。
ただまぁ、本筋とは別の筋もあって、それがひっきり無しに浮上してくるのが面倒くさいといえば面倒くさい。必要なような必要ないような感じももどかしいのである。
最終的に彼女は有罪判決を受け刑務所に入る。
なのだが…どう考えても最たる被害者は彼女である。
人生丸ごと親の犠牲になってる。
その親の罪は現行の法律では裁けないようだ。
…立証しきれないのか、罪として認知されてないのか、もどかしい限りである。「毒親」なんて単語を目にする昨今だが、どおにもやるせない。
北川さんは余程この作品に思い入れが強かったのか、ご立派だった。ただ、やはり彼女は正直過ぎる印象だ。台本を凄く凄く読み込んできたのであろう。そのシーンや台詞の意図を的確に理解してらっしゃる。むしろ理解しすぎて台本の裏側まで暴露するかのようだった。
彼女の表情を見ただけで脚本の展開とカラクリまで予想がついてしまう…偏に自身の役割に忠実過ぎて、客の思考にまでは及ばないのだろう。
心理療法士の役作りの賜物か、ゆっくりと淀みなく話す口調やトーンが、演技の枠組を明示するかのようで、残念ながらその勤勉さが仇にもなった。
100点満点の模範解答が到達点ではないのだ。
ソレと対になるかのような中村氏と窪塚氏はさすがであった。作品に溶け込むとはああいう状態の事を言うのだろう。中村氏の法廷での振る舞いは見事だった。
これはおそらく男性故の疑問なのだろうが、芳根さんが抱えてるトラウマと北川さんが抱えてるトラウマが段違いに思えて…実害を受けている芳根さんと、嫌悪感に苛まれる北川さんと。その比重は全然違うのではないだろうかと。まぁ親の性癖がロリコンであるのは確かに「気持ち悪い」のであるが。
そして高岡さんのようなアケスケな母親から、北川さんのように純粋培養でもされたかのような娘には育たないのではなかろうかと、そこはかとない違和感を抱く。
最近みた「哀愁しんでれら」もそうだけど、親から子への愛情の欠如が根本にある作品が増えてきたような気がする。
子供からしてみると醒めない悪夢でもあり…これらを救済もしくは救出する決定打は今のところない。
劇中の彼女達のようにそういう境遇にいる子供達は無数にいるのであろう。その中でも芳根さんのように、自分の意思や意見さえ言えない子達もいるかもしれない。
フィクションの中ではあるけれど、そんな弱き者達へ差し出された手でもあり、救済でもあるように思う。
身体的に投獄はされたが、心の牢獄からは解放されたかのようなラストをハッピーエンドと捉えていいものかどおか疑問では…ある。
20代のほぼ全てを刑務所の中で過ごす。
刑に伏す理由があるとはいえ…むごい判決だと感じた。とはいえ…期限があるだけ、彼女にはベターなのだろうとも。
30代になって殺人罪ではないだろうが、前科を背負った女性に幸せは訪れるのだろうか?
彼女を蔑ろにしてきた親はその現実をどおいう風に受け止めるのだろうか?
見るべく人々に届いて欲しい作品である。
北川景子はすっぴんのほうが好きかも
北川景子(真壁由紀役)がよかった。女子大生の頃の容姿はとてもきれいだと思った。普段のイケてる系のメイクと違い、自然な透き通るような美しさで、限りなくすっぴんに近いのでは? 印象がまるで違って、ほんと女子大生っぽかったです。 それだけでもこの映画観る価値あります。 演技も過去最高と思いました。
中村倫也(庵野迦葉(かしょう)役)の落ち着いた翳ある演技よかった。個人的には詐欺師的な彼が好きですが、弁護士役ですよ。かっこよかった。ホルモン焼きの居酒屋で骨付きカルビ切るハサミできれいな長い髪を切る場面が唯一スケコマシ的な彼らしい場面でしたけど、ちょっと強引で気持ち悪かった。カツラなんでしょうけど、長いきれいな髪の北川景子と一回エッチしてから、ショートカットにして二度楽しむ余裕があっても良かったのでは?なんて思ってしまいました。ごめんなさい。
海辺のラブホでのシーン。キスうまかったですね~。なんで痛かったのか。その場で説明するようなセリフはが「今まで何人もやったのにこんなの初めてだ」みたいな心無い台詞以外はないので、後半で理由がわかる仕掛けでした。脚本と構成はとても優れていました。
北川景子と中村倫也だけの場面が結構長かった。真壁由紀の過去を丁寧に描くことで話に厚みがマシマシでした。
さて、芳根京子(聖山環菜役)ですが、この役はまさに今が旬でした。彼女は上手すぎるんだけど、なかなか嵌る役が少ない印象でしたが、ポーカーフェイスかと思えばパニック障害、涙が両目からとめどなくあふれるので、サスペンスの容疑者役はドンピシャでした。
若い俳優陣の成長著しいなぁと感心しました。若いっていいですね。これだけ、引っ張りだこであれば、おのずと上手になるんでしょうけど。それにしても。
隠れた立役者は木村佳乃。あまりに冷酷そうな母親なので、環菜を操って、環菜が母親をかばっているのかな? え~、それはあまりに単純なラストだろうなどといろいろ迷うほど。
板尾創路の出演映画にあまりいい印象はないのですが、今回は存在感があり、このキャストのなかではひときわ異彩を放っており、効果的でした(でも、ほめてはいません)。
富山の陶芸家の絵とシーンは異様でした。気持ち悪さはR15指定。
壊れた家庭で蹂躙され続けた環菜。入社試験の面接でのPTSDフラシュバック。痛々しさが半端なかった。重い映画でした。
自分も入試の二次試験の面接は怖かったのを思い出しました。面接官がみんな閻魔大王や魔女に見えました。自信がないので、質問も意地悪く思え、自分がほんとうに無力に思えて、情けなかった。
そんな教授たちのいる大学には行きたくなかったのですが・・・・・
そんなとき、誰かに慰めてほしくなるもの。母親には甘えられない。「気持ち悪い」なんて、自分の子供に言っちゃだめです。しかも思春期の。
仕方なく、嫌いな父親のもとに行くのに、いつものカッターでは説得力がないと思って、包丁になったのでしょうかねぇ。
窪塚洋介(我聞役)もよかったです。冒頭のポトフおいしそうでした。「親子の笑顔の写真」を見て泣くひとの気持ちを汲み取ることができる懐の深さ、包容力に二人とも救われたわけですね。
それと、挿入歌、主題歌の歌い手さんがとてもよかった。
題名のファーストラヴはだれの?
聖山環菜と裕二(コンビニ店員)のだったら、なおさら悲しいです。
男の人の目線がコワイ。
父親を殺した女子大生の事件の取材をする心理士由紀が、事件を調べるにつれ自分自身とも向き合う話。
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加害者の環菜は小さい頃に父親のデッサン教室の手伝いで、男ばっかりの中でデッサンのモデルをやらされていたり、大人の男性におそらくいたずらされていた。
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由紀は、自分の父親が出張先で少女をの売春をしていたり、父親の女の子を見る普通とは違う目線に何となく小さい頃から気づいていた。
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似たような2人だけど、違う部分は由紀は「そうじゃない」男性の方が多いということをちゃんと分かっていること。環菜は、出会う男性全てが「そう」だったから男性に対して最初から諦めを持っていること。
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女性が髪の毛を切る時ってなにかを乗り越えて次に進もうとしてる時だと思うけど、それを迦葉に切ってもらうってことは乗り越える手助けを男性にしてもらったということ。由紀は男性にどん底に落とされもしたし、助けても貰ってる。
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これは「浮気は男の本能」論に繋がる気がする。その言い訳って男性女性両方の言い訳になってる気がする。世の中には、ちゃんとした男の人だったいるんだから。
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最後にツッコミどころをお届け。髪を切るシーン、居酒屋で急にハサミ貸してもらって裏口で切るんだけど、明らかにヤバいやつらじゃん。なのに店員さんあぁなんかやってるなみたいな感じで了解してて、おいおいおい、おかしいだろってなった。
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