「And so this is (TOKYO WAR)」サイレント・トーキョー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
And so this is (TOKYO WAR)
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
原作は未読です。
平和ボケした国民。すぐそばにある戦争。…
まるで「機動警察パトレイバー2 the movie」みたい。
渋谷駅前の描写が秀逸でした。足利市に建設されたスクランブル交差点のセットを効果的に使用した大規模な撮影で、日本映画の枠を越えた迫力だなと思いました。
爆発の瞬間もすごい。スローモーションを用い、飛び散った建物の破片で人々が引き裂かれていく様子が生々しく描写されていて、めちゃくちゃリアルでした。
クライム・サスペンスとしては平均点の出来栄え。様々な視点が絡み合い、意外な真相が提示されましたが、少々説明不足の感あり。想像力で補える範囲だったのが救いでした。
犯行動機に関しても、犯人の主張と問題提起をもうちょっと深堀りしていれば、より盛り上がったのではないかな、と…
絶望の中に希望を見い出した展開もありきたりだったし、犯人の心情的にそれで解決するとは思えない。この国を徹底的に見限ってもらっても良かったのにと思いました。
[余談]
爆破予告によって厳戒態勢がしかれているのにも関わらず、「自分たちは大丈夫」と云う根拠無き自信によって、駅前に集合しバカ騒ぎをする群衆。主に若者たち。
爆発に巻き込まれ負傷している姿に「自業自得だよ」と言ってやりたくなりましたが、実際にこんな事件が起きたら本作と同じ光景が繰り広げられるのではないかなと思いました。
現実問題、新型コロナウイルスの新規感染者数の大半を占めているのは20代から30代の若い世代と云う統計もあるし、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発令されている中でも街に繰り出しているのを見ると、先述した根拠の無い自信による行動なのかもなと考えさせられました。
今の状況を揶揄する描写に見え、思わぬ偶然に震えました。
※修正(2023/04/20)