劇場公開日 2020年12月4日

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「このラーメンじゃないです、西島さん!」サイレント・トーキョー ken f.さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0このラーメンじゃないです、西島さん!

2020年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

このご時世であっても、
「さすが役者さんだ!」と思わせ楽しませて頂いた舞台挨拶のライブ中継。
「これは美味しいラーメンが食べれるかも」と思いながらの観賞でしたが、
結果は「具材は豪華ながら半ナマ、スープは薄味なタンメン」でした。

最初に、
西島秀俊・佐藤浩市・石田ゆり子・中村倫也・勝地涼と知れば、
原作云々は関係なく観ないわけにはいかない映画である事実。

「細かい矛盾は気にしない」がエンターテイメントな映画であり、
観賞時のMyルールなのですが、
興行なので仕方がないとはいえプロモーション優先の俳優陣の存在。
各登場人物が「半ナマ」、
しっかりと炒めておらず味も・・・そう、中途半端に描くぐらいなら、
チョイ役程度で圧倒的な存在感と贅沢感を押し出しても良かったのでは?と。
特に西島さんと勝地さん。

そしてメインのスープですが、
細かいところを気にしないで鑑賞しているはずなのですが、
さすがに序盤も序盤で全容が、そして「この人怪しさ満点だなぁ」と。
さすがにこの手のサスペンスドラマ慣れしている人たちは、
ミスリードされることは無いのでは!と思います。

羽多野監督が99分に拘って編集したそのスピード感と、
「成人してからの各世代」を異なる俳優で描いた「重要な数々のシーン」は、
圧倒的なスピード感で走り切るはずが、
「え?誰だこれ?」
「あ、石田ゆり子か。 あ、佐藤浩市か」と、
ブレーキを数回踏んで思考したりと、混乱を招いた気もします。

結果、
西八王子の100円ラーメンがどんな味だったのか?気になるところですが、
サイレント・トーキョーという名のラーメンは、
「豪華な具材が半ナマ、スープは薄味」
というタンメンでした。

原作がある作品でありながら、
99分に拘ったことに潔さと格好良さを感じますが、
ならば、激しく強いスポットライトを1人に当てて欲しかった思います。

政治色が強く漂う終盤は好みが別れるところですが、
私は日本映画でダイレクトに表現して欲しく無い派です。しかし、

しかし、
舞台挨拶からの本編だったので、
舞台挨拶が足りない部分を埋めてくれた感が強かったので大満足。
俳優の皆様、本当にありがとうございました。

ken f.