「政治に関心を持たないこと、平和ボケがいかに危険かがわかる作品」サイレント・トーキョー みゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
政治に関心を持たないこと、平和ボケがいかに危険かがわかる作品
この作品はホラーではありませんが、現実味が強くて本当に起こりそうなことに恐怖を感じました。
政治に関心を持たない、危機感を持たず好奇心で現地に行く大勢の人、戦争の悲劇を忘れかけている現代人、悪ふざけで人の恐怖心を煽る行為、マスコミの印象操作など…本当に起きてもおかしくないシーンが多かったです。
爆発シーンの演出やストーリーもとても良く、まさに私が求めていた映画!って感じでした。
特に爆発シーンなんかは、本当に戦争のような感じで、原爆資料館で見た写真を思い出してしまうようなものでした。おそらくあれ以上リアルに再現してしまうと、R指定がかかってしまうからあの程度で留めたのでしょうが、もし実際にこれと同じ規模の爆発が起きたらもっと悲惨でグロテスクな光景が広がっているのだろうな、でも過去に起きた戦争ではそれよりもっと、それこそ目も当てられないようなものなんだろうなと想像すると背筋が凍るようでした。
ただ、前半は話の内容やキャラがどう関わっているのかが全く分からず、爆発シーン以外は混乱しながら見ていました。
また、犯人に指示でされていたテレビ局のバイト君が釈放されるのも早すぎでは?とも思いました。いくら指示されていただけだからと言って、重要参考人をそんなに早く帰すとは思えないし、事件も終わっていないのに自由にしてしまったらまた犯人に何かされる可能性もあるのに…と、そこらへんは現実味を感じませんでしたね。
個人的にはもうちょっと尺を長くして細かく書いてもいいんじゃないかとも思いますが、あのスピード感だから飽きることなく観れたのかなとも思います。
この映画をきっかけに、戦争とは何かを改めて考え、政治にもっと関心を持とうと思いました。