「Smoked my best horn BA 1 = ブルックリンNo.1なの?」マザーレス・ブルックリン NaakiⅡさんの映画レビュー(感想・評価)
Smoked my best horn BA 1 = ブルックリンNo.1なの?
I was at that Catholic home for boys on DeKalb.
They threw me in there when I was six, after my mother died.
You know, he never called me my name,
He called me Brooklyn.
全米批評家協会賞を受賞している原作に対して何故、時代背景を大胆に変えたのか? 主人公のライオネルが患っているトゥレット症候群に対する向精神薬など微塵にも存在しないことやディバイスの代わりに人の記憶力を最大限に生かす個性的ともとれるキャラが際立ち、まだ人種差別の色濃く残っているニューヨークの一都市ブルックリンを舞台にすることで、薄汚れた人間関係をストレートに表現をしている。しかも殺伐とした大都市にノアール・フィルムとして欠かせない'hepcat達'とサウンドスケープとしてのジャズミュージックが薄暗いスモークのかかった背景に映えるものとなっている。
I got a condition, okay?
It make me say funny things, but I'm not trying to be funny.
始め何が何だか分からない人物設定で特に主人公のライオネルがチック症を繰り返すので、煩わしくこの精神を病んでいるのに何故か前面に出てくるので意味が分からないでいた。しかも感情が高ぶれば” If !” の連呼。これも作者の意図とする見た目だけで判断をしないほうが良いということか?
He was talkin' about you, you know?
Yeah, don't bullshit me, okay? I'm pissed at him.
No, don't be. Okay, well, I am.
-Pissing bitch!
ローラ。物語が進むにつれ、あることがきっかけでライオネルとの距離が近づいていく。中盤のジャズバーで二人がダンスするシーンは複雑な思いから……危険な臭いが
I never slept with anyone.
I mean, I've been with a few girls, but just not...
not the kind who wanna stay and sleep with me.
激しいチック症を人の目の前で発しているのに表情を変えない劇中の一般人。チック症なのにターコイス・ブルーのキャデラックを乗り回す主人公。そして黒人を差別する言葉は、あまり聞こえてこないで別の言葉で置き換えられていたが、その言葉のほうが耳慣れない。しかし……
「Edward Norton met and consulted many members of the Tourette's
Association of America to prepare for the role. The film has received
approval from the organization as well.」ノートン監督の地道さも見えてくる。
to Jacob Gleason at the Post
-The Post?
-The Post is rag.
Yeah, but the Times is in your brother's pocket, too.
これは、OKなのか? ニューヨーク・ポストさん。
娯楽に関する情報サイト:IGN Entertainmentによると"権力、腐敗、およびジェントリフィケーションの暗黒面"を描いた作品と位置付けられているが、こうも述べている「映画はあまりにも頻繁に脇道にそれ、終いには袋小路につかまっている。144分はあまりにも長すぎるうっとうしい時間となっている。」
何とも言えないシナリオの進行具合とネオノアール映画の質感。それに加えローラとライオネルとの潔さという言葉が当てはまるロマンス。そして何よりも表立っては出てこない人の心までは傷つけない優しさのある会話と人の接し方。その表現方法が、何故が不具合なペースで時間が過ぎるのを受け止めていた。