ハリエットのレビュー・感想・評価
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悲しい奴隷政策
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主人公の黒人女性は奴隷で農園勤務だったが、売られることになった。
それがイヤで脱走、夫もついて来ると言ったが、迷惑かけたくなくて断った。
夫は「自由黒人」であり奴隷ではなかったため。
当時は奴隷の脱走に対して奴隷主は厳しかったようで、大勢で追ってきた。
そして橋の上で挟み撃ちされたが、川へ飛び込んだ。
つかまればアキレス腱を切られるらしいので必死だった。
そこから死ぬ思いをして、地元の神父の紹介者を介してフィラデルフィアへ。
そこで奴隷解放運動の組織に保護され、黒人の金持ちの家の使用人になる。
そして1年が経ち、夫や兄弟たちのことが気になり、何と自ら農園へ戻る。
しかし夫は主人公が川に飛び込んで死んだと聞かされており、再婚してた。
失意に陥ったが、今度は兄弟たちが売られると知り、救出して戻る。
こうして奴隷(という乗客)を救って駅に届ける者を「車掌」というみたい。
主人公は有名な車掌となり、奴隷主達から賞金をかけられ狙われる身となった。
そんな中でも暗躍し、最終的には両親も含めて70人もの奴隷を救出したみたい。
さらに南北戦争でも兵を率いて参戦し、社会貢献して90いくつまで生きたとか。
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このハリエットという人は全く知らなかったが、偉大な人だと思う。
そして人を人とも思わない奴隷政策なんてつくづく最低だなと思った。
ただ主人公の最初の逃亡シーン、見知らぬ黒人が助けてくれたりもするのだが、
白人も割と力を貸してくれる。白人全員が黒人を差別してたわけではないらしい。
今もアメリカでは黒人差別が根強いみたいだが、日本人の私には分からない。
何故肌の色が違うだけで人間扱いしない気持ちになれるのだろうか?
おれらが家でゴキブリ見たら即殺すようなものかも知れない。
命は尊いと知りながらも、ゴキブリは殺してもいいと思い込んでる。
幼い頃からそう教わったから。黒人差別もそれと似たようなものなのかも知れない。
主人公俳優
重い内容である為、躊躇したが、冒頭からずっと引き込まれて観終わった。せっかく安全な場所にたどり着き自由になったのに、また危険な農場に戻る、何度も。何度目かでやっと両親も救えた。短くても160km以上の道のりを走り続け同胞を助け出す。何が彼女をそこまで行動させたのか。苦しい生活と人を人と見ない白人に対しての義憤と仲間への強い気持ち。または、
あなたが皆を救いなさい、という神のお告げがあったのだろうか。
彼女を容認はしても、英雄視はしない。否、したくない。
奴隷のモーゼとかジャンヌ・ダルクとか、彼女を称しているが、南部の白人支配者階級は、ゴリゴリのプロテスタント教徒(クエーカー教徒が助けた)だ。しかも、黒人を最初から奴隷として解釈しているので、黒人に対する人権なと最初からない。従って、登場する黒人の教会は設立当初から、良い奴隷を育成する為の学校の様な所で、この教会(プロテスタントではない)が逃亡する者に手を貸すなんて事は、最初からフィクションと見るべきだ。(ノンフィクションが多い)だから、彼女が暗躍しても、この映画の様に、教会がその加担者と疑われてはいない。更に、彼女は『北軍のスパイとして活躍』と映画の中で説明があるのだから、ガチガチの組織を有り得ない状況下に作ったと言うのが真実だとのだと思う。
つまり、白人の協力者が沢山いて、計画立てられた脱出ルートを作って、秘密裏(地下トンネルと言う位だから)に行動したのである。この映画では白人は一人も殺されないが、造反者を粛清する事もあったはずだ。
彼女の業績はリンカーンと同じ(訂正 リンカーンとは違った)で、自由と民主主義の国アメリカの為に作られた大義であると思うべきである。。
過激で無くとも、有色なアメリカ人のリベラル派は彼女を容認はしても、英雄視はしていない。勿論、当初の彼女の行動と勇気は認めたいが。そう言った目で見ると良いと思う。
キリスト教的な偽善なセリフ
『私と馬車で行くか一人で自由の地へ行くか?』
『主と共に歩きます。』
世界史の盲点なのだが、リンカーンは共和党で南部の人達は民主党指示で、プロテスタントと言う事を念頭におくと、歴史の着眼点が変えられて、結構面白い。
追記
主演の二人はどちらも英国人。アレ!?
やっぱり、奴隷と支配者としての贖罪が制作者にはあるのだろうか?
追追記
アレックス・ヘイリー原作の『roots』と言うテレビ番組が昔放映されたたり、小説が出版された事がある。結構赤裸々に描いたので、当時の解釈では急進的な話であったと思う。我が親父殿が大好きな話だった。でも、一部の黒人の団体からクレームが入ったのも事実である。さて、事の真相はどうであったのだろう?
5月24日 再鑑賞
いくつか訂正して、再評価したいと思う。
プロテスタントではなく、クエーカー教徒である事。
「ハリエット」この映画に対する私のレビューは本来は全否定しなければならないと思うが、負の遺産としてこのレビューは残す。
命を顧みずに…
奴隷解放に奔走する勇気ある女性。知らなかったし、珍しいとはされていだが、女性ながら南北戦争で武装兵を率いたのはアメリカらしい。実話ベースで凄い話なのだが、逃走するのが幾度とあり、緊張感に欠けたのか、間延びしている感じがして、長く感じてしまった。
よかった、
いろんな人が出てきて登場人物に混乱もしたけど(笑)、ストーリーや当時の時代背景もわかってよかった。
神のお告げ的なことは、実際はどうなのかとも思ったけど、うん、当時のヒロインの話に「よかった」と思えた。
面白かったし、見てよかったけど…
あらすじはよく分かったし、過酷な処遇の肌触りのようなものは感じられたんだけど、ちょっと平板な印象でした。
ギデオンがハリエットに持つ執着が、資産としての奴隷へのそれだけではなさそうなんだけど、そこを掘り下げないので、まぁ本筋じゃないからそうならざるをえなかったのだろうけど、掘り下げたら物語の面白さには貢献しただろうにって思っちゃいました。
真面目な歴史・伝記映画にしてはファンシーな部分はあるし、かといって物語として膨らませた感じもそんなにないし。そんな印象でした。
ハリエット役のシンシアエリヴォさんは、この映画がはじめましてでした。建物の影から夫を呼ぶ歌や、逃げる前のお別れの歌など、えらくハリのある良い歌声!と思いました。それもそのはず、ブロードウェイで活躍するお方とのこと。ハリエットの無敵な感じはカッコ良かったです。
あと、フィラデルフィアの下宿屋主人のジャネールモネイがよかったです。
とてもよかった
ハリエットがちょいちょいシックスセンスでピンチを乗り越える。史実に基づく映画なのだけど、そこは本当なのだろうか。160キロもほぼ裸足で移動するのは途方もない。特に犬に追われたりして気が気でない。奴隷がかなりの財産として扱われているのに、その割に待遇が悪い。逃げ出したくなるような状況なのがよくないのではないだろうか。
最近、アメリカの暴動の動画で黒人が白人やアジア人を容赦なく殴ったり全力でフットスタンプしたりして、面白半分でリンチしているものすらあり、黒人差別に対して懐疑的になっていた。黒人も他の肌の人たちを嫌っているし、特にアジア人を下に見ている感じがある。そしてその暴力は相手が死んでもお構いなしみたいな感じすらあり、ドン引きだ。
しかし、この映画を見ると折り目正しい黒人が多く、唯一奴隷狩りをしていた黒人が富裕層の黒人女性を蹴り殺していて、暴力動画を思わせる。
もちろん差別には反対だけれど、黒人に助力しようとしてアメリカに行った日本人が15分で黒人に殴られた事件もあった。殺されたらかなわないので、どんな黒人か分からない以上あまり関わらない方がいい。それがリアルな現実だと思う。
奴隷制度の残酷さ
黒人を家畜と同様に扱う白人が本当に恐ろしい。白人男性だけでなく女性まで同じように酷い思想・態度で、見ている方も絶望的になる。
奴隷は財産と言いながら暴言を吐き、暴力を奮う白人って結局弱い者イジメしてストレスを解消してるだけにも見えた。ギデオンは妻もいないようだし、毎日黒人を監視すること以外何もやることがないほどヒマなのかというくらいストーカーみたいにミンティに執着していてキモかった。1人の奴隷をあんなに執拗に追いかけ回すって歪んだ"愛情"としか思えない。小学生の男の子並みの精神年齢か?やっぱりちゃんと仕事してないと人として成長しないよね。彼の母親もかなりヤバそうで親子で共倒れしそうな予感しかしない。
黒人に逃げられたら自分達も困るのに、逃げ出したくなるような環境、待遇で働かせ、気に入らないとすぐ暴力・・もうちょい上手くやればいいのに、奴隷制賛成の白人ってアホ揃いなの?アホだから皆仕事も無くヒマで奴隷達をイジメて憂さ晴らししてたのか?と思ってしまった。 確かにこんな悪魔のような白人の下で働くなんて地獄だから(しかも生涯地獄が続く)命を懸けて逃げようと思うのも、家族や他の子供達を助けようと思うのも理解できる。
神のお告げ?のシーンが不自然等々の意見もあるようですが、ハリエットは本当に目に見えない何らかのスピリチュアルな力を持っていたと思わせる説得力がある。最初の単身逃亡に成功しただけでも奇跡的なことなのに、その後、あれだけ大勢の奴隷達を救い出し、あのギデオンと対峙しても無事だったのだから。まさに神憑っている。
ハリエットも家族も、他の黒人達も解放されて本当に良かった。どんな危険にも絶対に諦めない彼女の信念の強さに感服した。白人にも黒人に協力的な人がいてくれたことが救いだった。
映画を観る喜び
久々に映画館で映画を観ました。ほぼ貸し切りに近く寂しい感じですがコロナ、マナーの悪い客などから解放されて気持ちよく鑑賞できました。
作品は期待して観たのですが、割とピンチも無く自由を手にしてしまうところや、オカルトチックな部分が割と根幹にありちょっと冷めてしまうところがありました。しかし、この頃は神の導きが何よりもこの人々の拠り所で、むしろそれだけしかなかったかもしれないことを想うと仕方がないのかもしれません。もしかしたら本当にエスパーだったのかも。ハリエットについての知識もないのでこれから調べてみようかと思います。
役者はみな個性的で存在感がありこれからも追っかけてみたくなりました。
なんか快適でこれからも一つ空けで観せてくれたら嬉しいなあ。
一種のヒーローもの?
オスカーで見たシンシア・エリヴォは、大柄で貫禄があって年配に見えたが、実は1987年生まれの身長150センチ?この映画ではあどけなさも感じられる。最初は普通の黒人奴隷の少女(既婚)の1人だったミンティが、生まれてくる子どもも同じ農場の奴隷だと言われ、更に自分が売りに出されていることを知り、立ち上がり、どんどん成長していく。
虐げられている奴隷を延々と見るのは辛いが、映画はトントンと話が進むし、ところどころでミンティに手を貸す人が現れ、見やすい。
これは19世紀半ばの話。その100年後もまだ公民権運動が続いており、更にその半世紀後もまだ差別が解消しておらず命を奪われる黒人がいるとは、ハリエットも呆れているだろう。
よくわからなかった
・全体的によくわからなかった。黒人奴隷を解放した英雄のお話という事はわかったけれど、各々の感情がよくわからなかった。
・冒頭で自由になれるかもしれないとドキドキしていた黒人奴隷のミンティが地主の男に馬鹿馬鹿しいと一蹴された後、これは緊張感のある話だなぁと思ったらすぐに亡くなって驚いた。その後、その白人の息子がミンティに執着しているという風に母親に言われたけど、執着しているのかしていないのかがよくわからなかった。していたとしてどうしてしていたのかってのとどんくらいしていたのかってのが全然わからなかった。
・ミンティ含め、自由になったら改名するっていうのがなるほどなぁと思った。
・奴隷狩りの黒人が白人に依頼されて得た報酬で白人の売春婦を抱きまくる!って挑発的に言っててそれが社会などに対しての復讐っていう感覚なのかぁと思った。ジャッキーブラウンの時にもサミュエルLLジャクソンが白人の女を囲ってる事をステータスな感じで言っていたのを思い出した。そのせいか、何となくそのセリフに哀愁を感じた。
・奴隷が南から北に逃げるのが最初のミンティの時、物凄い大変そうだったのにミンティがハリウットとして夫を救いに向かう際は何だかあっさりと家に近づいてすんなり助けた感じがして大変なんだろうけど、とても簡単そうに見えてよくわからなかった。
・父親が観ていないぞと目隠しまでして家族を逃がしていたのがわからなかった。あれで見てませんでしたって言って許されるわけないようなと思った。
・ハリウットに神のお告げが聞こえる能力があるっぽかったけど実際にあったのかがとても気になった。ジャンヌダルクとかけていたのかなぁと思ったけど実際の人物なのに空想上の人のような印象が強くなった。
・自由黒人というのを初めて知った。そういった人たちはどうやって自由になったのかっていうのが気になった。最初から自由だとしてどうやってなのかなとか。
・ハリウットが北に逃げて一年後に夫を助けたいと申し出た時に君には無理だといわれて決めつけないで!と言ったシーンが良かった。
・奴隷の両親から生まれたミンティっていうのが悲惨な境遇で苦しかった。そのミンティが自由の尊さを実際に語っていると思ったら返す言葉がないなと思った。
・奴隷の価値がかなり高いことに驚いた。5人を売却したら農場を売らずに済むほどの価値があったのかと。何となく下の下に扱われているような気がしていた。
・奴隷の受けた仕打ちがあんまり描かれていなかったのが残念だった。タランティーノのジャンゴを観ていたので、様々な不条理な仕打ちがあったはずなのに。奴隷主の男も何となくその社会においてはしょうがない立場って印象を感じた。白人にも黒人にも気を遣って撮られた映画っていう印象を受けた。
実はハリエットの新20ドル紙幣は発行されていない
2020年のアカデミー主演女優賞と主題歌賞ノミネート作品。2020年3月公開予定だったが、コロナ禍により6月5日公開となった。
映画館の営業自粛によって公開延期となった作品は、優に100本を超えている。年間公開スケジュールは渋滞しており、メジャー作品以外は、"ビデオスルー"も否めない。何本が無事公開されるだろうか。
本作は19世紀のアメリカ南北戦争の直前の黒人奴隷解放運動を背景としている。主人公として描かれるハリエット・タブマン(Harriet Tubman / 1821-1931)は、アフリカ系アメリカ人女性として初めて新20ドル紙幣の肖像画に採用された奴隷解放運動家・女性解放運動家である。
20ドル紙幣はもっとも使用頻度の高い紙幣であり、たいへん名誉なことである。オバマ政権下で、女性参政権100年目の2020年発行予定とされたその新20ドル紙幣だったが、それを「純粋にポリティカル・コレクトネスだ」と発言したドナルド・トランプ大統領政権下で、"偽造を防ぐためのデザイン作成の遅延"という理由で2028年以降に延期されている。
ちょうど作品公開直前の2020年6月25日に起きた、白人警官による黒人被疑者ジョージ・フロイドさん殺害事件でも、トランプ大統領の発言が物議を醸している。独立国家としてわずか250年の国にも関わらず、人種差別問題は200年を経てもくすぶりつづける米国の病である。
ハリエット・タブマンを演じたのはミュージカル女優シンシア・エリボ。主題歌も彼女が歌っている。ミュージカル映画ではないが、劇中で登場人物たちによる黒人霊歌が挿入され、歌詞がストーリーを補完している。シンシアの演技力と歌唱力をまざまざと見せつける。見事だ。
映画は、黒人奴隷だった少女ハリエットの大脱走からはじまり、やがて"黒人のモーセ"(Black Moses)と呼ばれるほど、多くの黒人奴隷をひそかに救出した"地下鉄道の指導者(=車掌)"となっていく半生を描いている。
同じ黒人でも、生まれながらの自由黒人と、奴隷の娘という身分の違いなど、歴史的事実を淡々と伝える。女性監督ケイシー・レモンズが、スリリングな逃走劇の要素と、奴隷と所有主の価値観の衝突を演出。ハリエットはジャンヌ・ダルク的なヒロインとしての存在感を持つが、余計な誇張なく、等身大の彼女を再現しようと努めており、程よいメリハリが効いたドラマになっている。
(2020/6/5/TOHOシネマズ上野 Screen1/シネスコ/字幕:古田由紀子)
奴隷泥棒と呼ばれ、賞金首になると言う名誉
1人です。また1人ですよ。シンゴジラに続き、またプライベートシアター。こんな事だと分かってたらね。ビールと唐揚げとパスタサラダ買って来てたのに!って思いました。
物語りは南北戦争前の合衆国でございます。奴隷制度で州に依る温度差が如実になって来た頃の話。テーマは奴隷からの解放。人種差別以前の問題。
「自由か死か」と言うハリエットのメッセージは今日的とも言い難く、故に「伝記物」として見てしまいました。脚本も雑な印象だし、撮影はテレビドラマみたいなやっつけ感あるし、映画としての完成度はアレでした。
160kmを逃げ切りフィラデルフィアで奴隷の立場から脱したミンティは、ハリエットと自らを命名。南部へ戻り、予知能力を発揮し家族をフィラデルフィアに連れ帰ります。そこから、彼女は奴隷となっている人々を解放するため、幾度となく南部に忍び込み奴隷を連れ帰る。いつの間にか「モーゼス」と渾名され賞金首となったハリエット。
逃亡奴隷取締法が成立しカナダまで逃げるしか無くなった鉄道組織。1000kmの距離を移動して奴隷達を救出するのは不可能だと言う組織の人々にハリエットは訴える。距離など関係ない。安全に暮らしている人達には判らない。南部で、家族と引き離されて生活している奴隷にとっては自由か死か、なのだと。
予知能力を生かして両親を救出し、奴隷主に復讐したハリエットは、南北戦争時、女性指揮官として北軍を率い、更に多くの黒人奴隷の解放に成功しましたとさ!
でお仕舞い。
伝記物ですね。テーマに対しては、かなり薄味で、泣ける物語りじゃ無かったです。俺的には。
タイムリーな作品
まさに今アメリカ国内ではフロイドさんの暴行死事件がアメリカ国内、いや世界問題にある中での黒人差別をテーマの作品。改めて差別への憎しみ、根絶心を高めてくれる作品には違いない。
ただこのタイプの黒人差別、黒人奴隷を扱った作品はいくらかあるのだがそういうた既に作品となってるものと比べてあまりかわり映えがないように感じた。
その為退屈に感じてしまった。
アメリカのドル札のデザインとなったハリエット ・タブマンをタイムリーに描かれるのはもちろん引き付けられるわけだが、それ以外これといって新鮮味だったり個性的、独創的な作品ではないにようにも感じた。
その辺りがあまり個人的にはフィットしなかった。
"I go to prepare a place for you."
Heavenly Father.
Rivers of living water flow through me.
Lord, help me cross. Lead me through.
奴隷解放家であり、女性解放家であるハリエット・タブマン...彼女は実際に奴隷主から頭部に向けて過度の暴力を受けた後遺症からこの映画でも度々取り上げられている神からの啓示とされるトランス状態になるナルコレプシーという障害を持っていたとされ....劇中でも”Moses”また ”Black Moses” と呼ばれていたのは、映画「十戒」に出てきたカナンへ行く途中に出くわす難所の海を渡る名シーンからイスラエルの民族指導者であるモーセからなぞらえて彼女が多くの奴隷を導いて解放することから、そのように実際に呼ばれていたとされている。
Fear....is your enemy.
Trust in God.
The North Star will guide you.
Follow that North Star.
イギリス人がよくするように奴隷とか先住民の記録とかを一切取らず、もちろん生年月日や名前なんて記録は奴隷に対しては残すわけがないので、多くの黒人の方は、老後の為の資金にとても苦労をすることとなり、主人公のハリエット・タブマンもその一人とされている。
I reasoned that there was one or two things I had a right to.
Liberty or death.
If I couldn't have one. I'd have the other.
先日、俳優業を引退された方が出演された映画「 Butch Cassidy and the Sundance Kid(1970)」....個人的にはこの映画を追跡ドラマの金字塔と思っている...どの映画でも追跡者から逃れる苦し紛れの末には川に飛び込むシーンを使う定番中の定番の映画に本作も仲間入りをしている。
amazon.comに寄せられたレビューは83%を超える視聴者の方々が☆5をつけている中に極少数ではあるけれど☆1も寄せられている。ハリエットを信奉をしているのではないかという投稿も散見しているのは事実.....ハリエットのトランス状態をサイキック映画と揶揄していたり、この映画が何故オスカーの主演女優賞候補になったのか? 歴史上の人物が何時も直面する事実に基づかない映画、彼女の小説の愛読者等々からの貧弱な中身へのクレーム、反黒人主義映画で奴隷制度を肯定しているなどが目に付くが....
2020年には多くのアメリカ人の賛成を得て$20紙幣のデザインに採用されたハリエット・タブマン。それはアメリカ人が彼女のことをよく知っていることが裏付けになっているので、何も知らない蒙昧な者にとっては、史実がどうの彼女の描き方がどうのと一切関係がないと無責任な発言もできるが、この映画は派手なイベントらしきものもなくドラマとして物足りなさも見受けられ、また映像をデジタルカメラで撮ったチープさもうかがえるが、それなりにすんなりと映画を鑑賞できたのも事実としていえる。
Detroit News では「”ハリエット”は、美術館のガラスを通して彼女を見つめているように、しばしばそのテーマに畏敬の念を抱いています。タブマンの生涯から語るべき、より良く、大胆な物語があります。 ”ハリエット”は取っ掛かりとしてはいいけど決して熱狂は出来ません。」
ネイティブ・アメリカンは$5紙幣のモデルになっている方もおられるが、有色人種が$100紙幣のモデルになるのを見る事は決してないと思える...1967年まで法律として成立していたジム・クロウ法という法律の存在を知っていれば...今も変わらないそんなアメリカ?
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