「~「自由か、死ぬか。どちらか1つは手に入る。」~」ハリエット 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
~「自由か、死ぬか。どちらか1つは手に入る。」~
【賛否両論チェック】
賛:奴隷だった1人の女性が、奴隷解放運動の最前線で戦うまでになる様を通して、自身が当事者だったからこそ持てたその意志の強さに、観ていて頭が下がるよう。
否:宗教色が強いので、その辺りの好き嫌いは分かれそう。
凄惨な時代の、奴隷解放運動を扱った本作。前半ではヒロインのミンティが、自らの意志と執念で、困難を極めたペンシルベニア州への脱出を成し遂げていく姿に、観ている側も同じ目線でハラハラさせられるようです。
そして後半では、“ハリエット・タブマン”という新しい名前を手に入れたミンティが、決して現状に甘んじることなく、奴隷救出に挑み続けていく姿が、とても雄々しく映ります。自身も奴隷として苦しんだ当事者だからこそ、どれだけ周りから反対されても、最後まで先陣を切って戦い続けることが出来たのだと、その志の高さに頭が下がる想いがします。協力者達を前にした演説のシーンなんかは、すごく胸に染みました。
ただ、ミンティが要所要所で神からの啓示というか予知夢というか、そういったものを受ける演出があったりと、宗教色は少し強めですので、その辺りの好き嫌いはどうしても分かれそうなところではあります。
とはいうものの、人間の意志の強さを改めて実感させられる、そんな作品ですので、是非ご覧になってみて下さい。
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