「"I go to prepare a place for you."」ハリエット PtiNakiさんの映画レビュー(感想・評価)
"I go to prepare a place for you."
Heavenly Father.
Rivers of living water flow through me.
Lord, help me cross. Lead me through.
奴隷解放家であり、女性解放家であるハリエット・タブマン...彼女は実際に奴隷主から頭部に向けて過度の暴力を受けた後遺症からこの映画でも度々取り上げられている神からの啓示とされるトランス状態になるナルコレプシーという障害を持っていたとされ....劇中でも”Moses”また ”Black Moses” と呼ばれていたのは、映画「十戒」に出てきたカナンへ行く途中に出くわす難所の海を渡る名シーンからイスラエルの民族指導者であるモーセからなぞらえて彼女が多くの奴隷を導いて解放することから、そのように実際に呼ばれていたとされている。
Fear....is your enemy.
Trust in God.
The North Star will guide you.
Follow that North Star.
イギリス人がよくするように奴隷とか先住民の記録とかを一切取らず、もちろん生年月日や名前なんて記録は奴隷に対しては残すわけがないので、多くの黒人の方は、老後の為の資金にとても苦労をすることとなり、主人公のハリエット・タブマンもその一人とされている。
I reasoned that there was one or two things I had a right to.
Liberty or death.
If I couldn't have one. I'd have the other.
先日、俳優業を引退された方が出演された映画「 Butch Cassidy and the Sundance Kid(1970)」....個人的にはこの映画を追跡ドラマの金字塔と思っている...どの映画でも追跡者から逃れる苦し紛れの末には川に飛び込むシーンを使う定番中の定番の映画に本作も仲間入りをしている。
amazon.comに寄せられたレビューは83%を超える視聴者の方々が☆5をつけている中に極少数ではあるけれど☆1も寄せられている。ハリエットを信奉をしているのではないかという投稿も散見しているのは事実.....ハリエットのトランス状態をサイキック映画と揶揄していたり、この映画が何故オスカーの主演女優賞候補になったのか? 歴史上の人物が何時も直面する事実に基づかない映画、彼女の小説の愛読者等々からの貧弱な中身へのクレーム、反黒人主義映画で奴隷制度を肯定しているなどが目に付くが....
2020年には多くのアメリカ人の賛成を得て$20紙幣のデザインに採用されたハリエット・タブマン。それはアメリカ人が彼女のことをよく知っていることが裏付けになっているので、何も知らない蒙昧な者にとっては、史実がどうの彼女の描き方がどうのと一切関係がないと無責任な発言もできるが、この映画は派手なイベントらしきものもなくドラマとして物足りなさも見受けられ、また映像をデジタルカメラで撮ったチープさもうかがえるが、それなりにすんなりと映画を鑑賞できたのも事実としていえる。
Detroit News では「”ハリエット”は、美術館のガラスを通して彼女を見つめているように、しばしばそのテーマに畏敬の念を抱いています。タブマンの生涯から語るべき、より良く、大胆な物語があります。 ”ハリエット”は取っ掛かりとしてはいいけど決して熱狂は出来ません。」
ネイティブ・アメリカンは$5紙幣のモデルになっている方もおられるが、有色人種が$100紙幣のモデルになるのを見る事は決してないと思える...1967年まで法律として成立していたジム・クロウ法という法律の存在を知っていれば...今も変わらないそんなアメリカ?