「総集編だけどアニメ版鑑賞はほぼ必須」少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト ロンド・ロンド・ロンド といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
総集編だけどアニメ版鑑賞はほぼ必須
本作は全12話でテレビ放映された『少女☆歌劇レヴュースタァライト』の総集編劇場版となります。
「総集編だからアニメ未鑑賞でも大丈夫かも」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は断固として本作を観るのははアニメ版を事前に鑑賞してからをオススメします。何故なら、アニメを鑑賞していないと内容を理解できません。ユーザーレビューを見れば分かりますが、アニメ鑑賞済みの方と未鑑賞の方とで、評価がスッパリと分かれています。
理由は単純です。「尺が全く足りてない」という一言に尽きます。なんならアニメ1クール(全12話)ですら結構駆け足にストーリーが進んでた印象がありましたので、そんな作品を新規追加シーンも入れつつ2時間の映画の尺に収めるというのは毛頭無理な話です。
それ故に、物語の軸となる愛城華恋と神楽ひかりの二人以外のキャラクターは、シーンがかなりカットされてしまっている印象です。作品の面白さの一つであるキャラクターの個性と魅力が、この『ロンド・ロンド・ロンド』を観るだけでは伝わってこないのが難点でしょうか。
個人的に、オーディション最終日の真矢クロの「名乗り」がカットされていたのは非常に不満です。めちゃアガる台詞だったのに。
・・・・・・・・・
2018年にテレビ放送された『少女☆歌劇レヴュースタァライト』の内容を再編集し、新規のシーンを加えた劇場版。舞台俳優を育成する日本有数の演劇学校である聖翔音楽学園に入学した少女たちの物語。99期生として入学した愛城華恋(小山百代)が所属するクラスに転校生がやってくる。それは華恋の幼少期の親友で共に憧れの歌劇「スタァライト」に出演することを約束した神楽ひかり(三森すずこ)だった。
・・・・・・・・・
例えば友達とミュージカル映画を観ていて、キャラクターたちが歌い出した時に「何でいきなり歌い始めたの?おかしくない?」って言われたら「そういうもんなんだよ」って返事するしかないじゃないですか。本作も同じなんですよ。突然キャラクターたちの衣装が変わって武器を持って戦い始めた時に「何でいきなり戦い始めたの?おかしくない?」って言われたら「そういうもんなんだよ」って返事をする他ないんですよね。
一応、舞台版の方では「舞台少女のキラめきに呼応してセットや武器や衣装が変わる特別なステージ」っていう説明があるんですけど、アニメ版にありませんので、当然アニメ再編集である本作にもその説明はありませんね。突然武器を持って戦いを始めることを割り切って観ることができた人と違和感を抱いてしまった人とで、評価がかなり違うような気がします。
私はアニメを事前に鑑賞済で内容は分かっていたので、違和感なく大いに楽しむことができました。アニメには無かった新規追加シーンは本作の翌年に公開された『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』への期待を高める演出になっていて良かったです。
まだアニメ版をご覧になっていない方は、アニメ版を先に鑑賞するのをオススメします。その後なら、内容も理解できて楽しめると思います。