ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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衝撃のあまり泣く余裕もなかった
先行上映で観た時は小説を読んでいなかったので、屋上のりんのシーン、再会できた凪沙と一果のシーン、海のシーンでは声が出そうになった(もしかしたら発していたかも)
嘘であって欲しいと、最後はハッピーエンドでと固唾を飲んで見守ったが、「見てて」からの美しいバレエと回想で涙腺が崩壊。呆然としたまま帰宅、ほとんど眠れませんでした。
もう1度は観れないと思ったが、1週間後に小説を読み出し、徐々に登場人物の人生に想いを馳せれるようになった。
2回目以降はあちこちで自然に涙が出るようになり、微笑ましい場面で温かい気持ちにもなれた。
ああしていれば、こうしていればと、凪沙達に思ったことを、これからの人生に悔いがないように自分自身がやっていきたい。
主人公の二人を見て、強くならなくてはと思いました。
9月30日のごごナマで、司会の船越氏が「アカデミー賞だ」と絶賛していたので、あまり映画には行かないのに、飛び込んで見ました。
最初は、狭い部屋やタバコスパスパの凪沙やぶすっとした一果、ゴミいっぱいの街並みに嫌気がさしました。生活も苦しいし、育児放棄されたとして手のつけられない一果とトランスジェンダーなら、変な目て見られ、挑発されていじめられるだろうことはわかります。この映画のどこが良いの?
ただ、二人は卑下したりメソメソしていない。潔い。椅子を投げつけます。
通りかかった教室から覗いたバレエに惹きつけられていく一果は、かたくなな少女の表情のままで、うつくしいバレリーナに成長していきます。最低のシチュエ-ションから清い純粋な光が立ち上がるように・・・ バレエの映像も素晴らしいし、音楽もすごくいい。
途中、green bookで見られたような、変な世界の描写は不要かもしれません。タバコも多い。
ただ、いろいろあまり良くない場面の展開が、説明が多くなくて、スッーと短く次に移行しているので(結果の説明が理屈っぽくない)、見ていてそれ以上暗くなりません。終わりも、うれしい気持ちにさせてくれました。
前半のすごい状況の二人の主人公ほどの、どうにもなりそうもない人は、そんなに多くはないでしょう。くだらないことにくよくよしないで、みんな頑張らなくてはと思わせて、元気をもらいました。それと荒れているときは、心はとっても寂しがっているのだ・・暴力を示してくる子には、叱るのではなくやさしさが必要なのだと感じました。 もうすこし、過激な部分がなければ、小さな子や中高校生にも見せられるし、それは彼らにとっても、役に立つでしょうに。あそこまで、極端でなくても良いかもと思います。次を期待します。
主人公二人は、演技をしているという感じは全くありません。それがすごい。
映画館で、一人か二人で見てください。 みんな一人で来ていました。
期待が大きすぎたようです
もっと重厚な物語を期待していましたが、メロドラマっぽい仕上がりで少し残念でした。
草なぎさんの演技はとても素晴らしく、繊細な表情に胸が苦しくなる瞬間がいくつもありました。
一番印象に残ったのは、男装した朝に一果に向けられた表情です。
みかけは男性なのに、わたしにとっては凪沙という女性を一番強く感じたシーンでした。
服部樹咲さんは、とても存在感のある女優さんですね。
演技力はまだ未知ではありますが、バレエシーンの美しさが際立っていて、もっと見ていたいと思える魅力がありました。また別の作品などでもバレエを踊る姿みてみたいです。
気になったのは、凪沙がトランスジェンダーというより、女装した男にみえるシーンがあったこと。
一番違和感を感じたのは親族の前で胸があらわになるシーン。服がはだけるのも都合よすぎだし、立ち去るまでずっとそのままでいるのが不自然で、女性の反応とはどうしても思えなかった。
また中途半端に母親がでてきますが、物語に重厚感をだすには、母親との関係性をもう少し丁寧に書くべきだったと思います。母親役の方、泣き崩れているだけで、まるで他人にしか見えませんでした。短いシーンでも、ちゃんと人間関係が感じられれば、物語に奥行きがでたのではないでしょうか。
あと草なぎさんの演技で気になったのが一点。
髪の毛触りすぎてコントみたいになってました。
表情が完璧なだけに余計気になって仕方ありませんでした。
引き込まれた
久しぶりに映画館に行きましたが、最初から映画の世界に引き込まれました。演技ではなく草彅さんに憑依したとしか思えない凪沙が確かに存在し、一果への愛情ある微笑みは、とても奇麗でした。大切な人の為の決断が悪い結果を生み、自分の為に苦しむ姿を見て互いを思うと、切なく苦しくなりボロボロに泣きました。でも、一果の心の中には生き続ける凪沙の姿が見え、この映画を観た人の心には二人は存在し、忘れない限り一緒に生き続けるのでしょう。映画ではなくドキュメンタリーのようで、出演者のみなさんが素晴らしく、内田監督の作品の原作本も読んでからもう一度観たいと思います。この作品を通して、自分には想像出来ないくらいの悩みを持った方が存在し、それは人によって異なり、自分にとっては何でもない発言も人にとっては死にたくなるほどの悩みがあったりする。色んな気付きがある深い映画で、この作品に出会えたことに感謝です。
ミッドナイトスワン(再掲、訂正、考察など追記あり)
劇場から出た時、色んな衝撃が大きくて、地に足が着いてないような浮遊感にクラクラして暫くぼーっとしてしまった位余韻が凄かった。
メイクは当然しているのですが、骨格などは草彅剛そのままで、この日は舞台挨拶があったのでご本人を見てからの本編でした、あっこれ本人見てからじゃ失敗したかな、集中できるかなと過ぎったんですけど、いざ上映がスタートし、凪沙が出てきたらもうそこには草彅剛の影すらなく、凪沙がそこに居たのです(手の動きや優雅にタバコをふかせる姿がもう凪沙なのです)
この作品には日本社会の問題や縮図の描き方もリアリティがあり、この映画を見てから現代に起きてる色んな事件や出来事に照らし合わせて考え見る事が出来たり、俯瞰で見られる様になったかなと。
バレエの先生からお母さんって言われてどれだけ嬉しかったのだろう、嬉し恥ずかしそうにハニカム凪沙がたまらなく、ショーパブで喧騒が起こり一果が静かに踊りだした所に凪沙が振り返って見惚れる所、凪沙が階段に座り一果を眺めてたり、二人でバレエの練習してる所、海での凪沙に踊ってと頼まれ踊る所、場面場面に出てくる一果のバレエが美しく、儚くて、愛しくて、何に泣いているのか、そんな場面じゃないのにポロポロとしてる事が多かった。
衝撃的なシーンもあるし、見る人によってはショックを受けるシーンもあるかもしれません、海でのシーンや凪沙の変わり果てた姿は悲しい結末を連想してしまうけど、本当のお母さんから一果を取り戻そうとしたが、出来なかった...でもそこで私には諦めや失意を感じなかった、寧ろ私は私で一果を支えるわって強い意志すら感じた。なぜ東京でレッスン受けてた先生が広島でも一果のレッスン受けてたのだろうと疑問が出てきて、あ、これって凪沙が陰ながら支援していて、それは自分のケアを削ってまでやっていたのでは無いかと...けっして正しい決断では無いけれど、これも無償の愛というものなのか...。
もし友人などで元気な姿から憔悴しきった姿を見たら自分はあんなに受け入れて、優しく面倒見てあげられるかな?とも考えて...その点では一果は最後まで凪沙に寄り添いお互いを支え合っていた、だから悲しいだけじゃない、光や温かさを感じたのです。
一果がバレエのため海外へ渡った時、トレンチコートを着ている後ろ姿が映し出され、これはもしかして凪沙の形見を着ているのかなって、後ろ姿も一果なのに一瞬凪沙の後ろ姿の様に思えて。何編も有るシーンの中で一番溢れてきたかも。エンドロール後の二人の姿は白鳥の湖になぞらえるなら生まれ変わった後の二人の姿なのかなとも考えて...考察したらキリが無いんです!プツンと切られてたりして、決定的なシーンって書かれてなかったんですよね、だからこそこんなに色んな説が出てくるのかも。なのでこの映画は見た方に委ねられている、BadでもHappyでも如何ようにも好きな結末を描いていいのかなって原作はまだ未読などで、原作とも照らし合わせてもう一度見てみたい。
ただ、登場人物の中でりんが...。一見お金持ちで、バレエへの資金もお洋服なんかも困らない程持ってるのに心が寂しくて、母親からの期待やプレッシャー、一果に抜かれるかもしれない焦りや嫉妬、個撮は絶対ダメって言ってたのに誘導して陥れようとしたのかな、でも出来なかった裏切れ無かったのだろうか、怪我からのバレエが続けられなくなってしまった時のバレエしか価値が無いと言われてしまった事、一果の肩を借りて号泣する所はグサグサ刺さったし、ここまで追い込むかってくらい残酷だった、本番直前の一果へ電話した事や、結婚パーティで屋上が映し出された所から嫌な予感はしていて、段に乗った時あっ!と思ったけど、無くて、一果の発表会が始まったと同時にりんも踊り出して、凄く魅力的な表現で、楽しそうに軽やかにそのまま飛んでいってしまった...表情と行為が一致しない様な、あまりにとの対比に衝撃が強く、りんが一番心が痛くてしんどかった。
映画でこんなに影響を受けたのは初めてかも知れないです。
見て、知れて、この映画に出会えて良かった。
言うなれば現代産オペラ白鳥の湖
まず凄かったのが映画鑑賞後エンドロールが終わり照明が付くまでほとんど誰も席を立たず、そんなことあるのが珍しい。
しかし自分自身も動けなかった。これとよく似た現象が起きるのはチャイコフスキーの悲愴を聞いた後。悲しくて悲しくて何度も泣いた後動けなくなる芸術作品。
この映画も白鳥の湖を特別に取り上げ、チャイコフスキーをよく捉えている。チャイコフスキー自体ゲイであり、白鳥の湖は魔女の魔法で白鳥にされてしまった女性の物語で、心は女性であるにも関わらず女性でないまま恋に落ち恋を奪われる悲劇で、ゲイの悲劇に相似している。この映画も呪われた運命で男性の姿に生まれてしまった女性達の4羽の白鳥の舞踏から始まる。
決して得ることができない希望、得る寸前で得られなかった希望を求めることは人間の最大の悲劇と思われるが、この映画ではその悲劇のドラマと、その悲劇の中から芽生えた奇跡のドラマが描かれていて、鑑賞後感情の渦に巻き込まれる。
強いドラマにするために、説明的な場面や台詞がブツブツ省略されているように思う。
演者の方々が自然体の演技でリアリティがあるし、
一果をはじめ、りんもりん母もバレエで身体を作ってきた人たちなので、歩く脚の様すら本当のリアル。
その対比で逆にストーリーのリアリティも求めたくなるかもしれないが、
ほんのちょっと挟めばいいセリフや場面を入れないのは故意の演出と思う。
唐突に出来事が起きる展開は、オペラの悲劇を見ている感覚に似ている。
一果がコンクールで踊り出せなかった場面など、くどい説明がなくて良かった。
生みの母に縋りたくなる子供の甘さに育ての母が負けるという、昔からの古典的なそして普遍的な悲劇を説明なしに映像で届けてもらった。
母になれるという希望が目の前を通りすぎ、それに追い縋り性転換手術を受けた凪沙の「母親になれるのよ」という台詞はとても恐ろしかったし、水川あさみの歯を向いて子の所有を主張する女のエゴも恐ろしく、どちらも女性性を正面から描いていて素晴らしかった。
りんの描写も素晴らしかった。ケガの前はバレエすることに苦痛すら覚えて非行に走っていたのに、バレエを失って希望が訪れるところか、バレエを失ったことが取り返しが付かないことに気づいたというように受け取れた。
強い悲劇が重なることに疑問を抱いてはいけないように思う。
オペラなら悲劇が重なるもの。
科学が未発達の時代に人々はオペラを見て人生はこんなものだと皆で涙して、自分の人生の悲劇を慰めた。
ミッドナイトナイトスワンに描かれている悲劇もまた人類が消化できていない現実。
ただ政治や科学はこれを社会に消化できる力があるはず。
共感性が乏しくなってる現代にはこれくらい強いドラマ性で共感を呼び起こさなければ消化に働かないのかもしれない。
性転換手術後の凪沙の末路は、本当に悲しい。
育ての母でも一人の人を自立させる助けができることはかけがえない事実で
生みの母になれない悲しみも超越する尊い人間の事業なのであり
このことは性を超えた人類愛でも行えるはずだけれど
ただ凪沙は、女性として生を全うしたい欲求に突き動かされた人で、
そのことがこの映画の主題であり最大の悲劇だった。
そして白鳥は飛び立った
凪沙の性転換手術後の末は残念でしたが、不遇の家庭環境で飛び立てずにいた一果が凪沙と出会ったことで変わり、バレエの素質が開花し美しい白鳥となって飛び立ててほんとうに良かったです。
凪沙も母親になれたことで短い間でも幸せを感じることができたのではないでしょうか。
凪沙を演じた草なぎ剛さんも良かったですが、一果を演じた服部樹咲がほんとうに素晴らしかった。新人とは思えない繊細な演技に引き込まれました。
トランスジェンダーに対しての理解がより深まり、誰もが自分らしく生きやすい世の中になることを願います。
素晴らしい作品
草彅さんの演技の素晴らしさ
新人子役の一果役の自然さ
新宿のママたちのちょっとクスッとできる面白さ。
一果と、ナギサさんの絡みがホッコリし
一果ママも更生し
一果が中学卒業式のシーンまでは
ホッコリと葛藤の物語。葛藤多めですが。
その先が(泣)
どーしてそんな展開になるのー(泣)
と泣けてきた。
全てうまく行ってると思ってたのに(泣)
でも、最後の最後で
悲しさとやるせなさの気持ちが回収されました。
皆さまの素晴らしい演技に心打たれました。
愛され方が分からない少女。
朝食をちゃぶ台から払い落とした一果は、愛され方を知らない少女。静かに抱きしめた凪沙は「愛されたい自分」にすらなれない女。自傷行為は不安から逃れる為の唯一の手段。誰も愛し方を教えなかったから、愛され方が解からない一果を、無言で抱きしめる凪沙に芽生えてしまった母性。でも、所詮彼女は、朝になれば元の姿に戻ってしまう定めの「夜更けの白鳥」だよ。って言う、この辺りが染みた。と言うか、東広島の広島弁は、もっと汚ねーから。一果も健二も、まだまだだねw
個人的な話ですが、めでたく刺さる。ここのところ何を見ても刺さらない日々。前々日は浅田家で何箇所か刺さるも速攻回復。致命傷ゼロ。なんで?この泣かす設定で役者さん最高で、刺さりが浅いなんて信じられへん。もう、病気なんじゃないかと不安に包まれ二晩を過ごしました。が。良かったぁ、刺さった。感受性、まだ死んでないw
凪沙が階段に座る一果に、オデットのカチューシャを被せるシーンでグサりでポロリ。夜の公園で踊る一果の姿にグサ。砂浜で幻影に向かって可愛いと言う凪沙が、一果に踊りをせがむシーンでグサリ。
ニューヨークにバレー留学とか、ちょっと盛り過ぎ感はあるけれど。
ミッドナイトスワン=暗部/Fakeのバレリーナ、と、檜舞台の白鳥=陽のあたる場所/Trueのバレリーナ、の対比。雑居ビルのオカマパブの楽屋で始まり、NYの劇場の控室で終わると言う吹っ飛び進化のお話なんて、想像してませんでしたから、意外性があって良かった。
いずれにしても、刺さる心が残っててほっとしたぁw
良かった。とぉっっても。
(追記してネタバレに変更)
ホルモン注射→子供は嫌いと言っていた凪沙に母性が芽生える→その母性が一果に向く→男に愛されない/愛せる男性もいない凪沙は母になるために女になろうと思い始める→タイで性転換手術→一果を迎えに行く
「強くなりなさい。私達みたいなものは一人で生きて行かなきゃいけないから」みたいなセリフがありました。凪沙は、自分に言い聞かせてるだけだったんでしょうね。
全くの「一人」では強く生きられない。けれど多分、一果は、今後一人でも強く生きて行けるでしょう。と言うか、一果は自分一人だなんて思ってない。凪沙のコートを着て、凪沙の赤いハイヒールを履いて、颯爽と劇場に歩み入る姿は「私は、もう一人じゃない」って言ってる気がして。なんか。凪沙を真似てるんじゃなくって。一緒にいるのだと。
ふふふぅん!ってなりました。このラスト、刺さりまくったかも知れませんw
でも、しつこく言うけど、なんでNY?ジュリアード?ハードル高すぎひん?撮影陣がNYに行きたかっただけとか?w
草なぎ剛は好きではないが、ここの評価が高かったので。
草なぎ剛はあまり好きではないのですが、この映画サイトでの評価が高いので、奥さんと10/1に観てきました。コロナ禍で定員の1/2以内の入場でしたが、前方の3列以外はほぼ埋まっていました。
トランスジェンダーで悩むニューハーフと、シングルマザーでアル中の母親の育児放棄で、親族のこの元男性と同居することになった女子中学生(服部樹咲)の物語です。
彼女が「生活苦で諦めていたバレー教室に再び通い出す」という展開が自然な設定で共感できました。「その女の子が世界に羽ばたくバレリーナ―として成長していく物語でもある」という予備知識無しに観たので素直に感動できました。
その女子中学生には「バレエ教室仲間」とのガールズラブもあって、その彼女との最後が衝撃的でしたが、それはネタバレになるので書けません。予想以上に見応えが有りました。
新人ながら主役級だった服部樹咲は、同じように「デビューした映画の中でバレエを披露した少女の頃の蒼井優」を彷彿させてくれました。
美しいシーンで散りばめられた悲惨な物語
なかなか感想を語るのが難しい映画だった。重いテーマであることは覚悟してたけど、予想以上にショッキング。これがリアル…とは思えない部分も、ちょっとやりすぎなんじゃないかと思う部分もあるけど、いろんな問題提示があったのは確か。
LGBTを描いた作品はいくつかみたことがあるけど、こんなに身体的にも金銭的にもキツいということを強烈に描いたものをみたのは初めてだった。草彅剛主演じゃなければこんなに全国大きな映画館で公開できなかったんじゃないだろうか。
ストーリー展開にはモヤモヤしたものもあるけど…何もそこまで悲惨にしなくても。。みたいな。
でも草彅剛と一果ちゃん役の子の圧倒的存在感に魅せられた。音楽も綺麗で。最後の海のシーンよかったなあ。悲惨な物語で、それだけだと見てて辛いけど、バレエという要素が加わったことで華やかで美しいエンタメになっている気がした。
大切な人の為に、白鳥は舞い踊る
邦画でも近年、LGBTやネグレクトを扱った作品が徐々に作られるようになってきた印象が。
『彼らが本気で編むときは、』『万引き家族』『his』…いずれも力作/良作ばかり。
また一つ、素晴らしい作品が舞い踊った。
トランスジェンダーの凪沙。
貧しい生活を食い繋ぎ、いつの日か性転換手術を受ける為、新宿の片隅のショーパブのステージに立つ日々。
そんなある日広島の実家の母親から、育児放棄されている親戚の娘を預かるよう頼まれる。
凪沙と預かる事になった少女・一果の共同生活が始まるのだが…。
頼まれたのは何も凪沙が面倒見がいいからではない。養育費と交換条件で嫌々。それに、子供が大嫌い。面倒かけたら殺す/追い出すといきなり釘を刺す。これじゃあ暴力を受けてないだけで、実母の元に居るのと変わりない。
親の愛情を知らぬ一果。常にブスッとした無表情、無口。何を考えているのか分からない。転校早々問題を起こす。
片や早くももううんざり。
片や全く心開かず。
最悪の共同生活…。
が、
この手の作品、この手の設定。
二人の距離が少しずつ縮まっていく様が、分かっていても魅せられる。
そのきっかけとは…、
下校中、バレエ教室を覗く一果。
一日体験。どうやら経験があるのかもしくは才能があるのか、講師に気に入られる。
が、通えるお金など無い。教室も偶然学校も同じの親しくなった女子に誘われ、いかがわしいバイトを。そこでまた面倒を起こす。
凪沙が呼ばれ、初めて一果がバレエを習っている事を知る。
講師はバレエを続けさせ育てたいが、当然凪沙は反対。一果は自暴自棄になり、自傷行為を。
さすがに心配した凪沙は、一果を店へ。
凪沙らが客と揉め事。
その時、一果が突然ステージに上がり、バレエを踊る。
自分も下手くそなバレエを踊っている凪沙だが、こんなに美しい白鳥を初めて見た。
魅了され、心を奪われた凪沙の表情…。
自身の白鳥ヘアアクセサリーを一果に譲る凪沙。
「あげる」の一言は、「続けなさい」の言葉に他ならない。
一果を優しく抱き締める凪沙。
一果にバレエを教えて貰う凪沙。二人で一緒に踊る。
凪沙手作りの豚肉の蜂蜜と生姜焼き。違うでしょ、ハニージンジャーソテー。
バレエが繋ぐ。
この世界に、その片隅に、あったんだ。
こんな温もりが。優しさが。
交流が。愛情が。知らぬ内に芽生えて。
それまで見せなかった笑顔が自然と。
どん底のような場所で差別の対象、偏見の目。
全く愛されてもいなかった。
そんな二人に突然訪れた、穏やかで幸せな日々。
…いや、ひと時。
くどくどは言わない。草彅剛が素晴らしい。
元々演技力に定評はあったが、新境地、入魂、キャリアベスト。
トランスジェンダーとしての佇まい、悲哀。
その中に滲ませた母性愛の顔。
年末、多くの主演男優賞を受賞して欲しい。個人的には、今年の邦画の主演男優賞は決定だ。
劇中でバレエの才能を見出だされたと等しく、服部樹咲という才能が彗星の如く現れた。
演技の経験はナシ。オーディションで選ばれた新人。確かに演技はちと拙い部分もあるが、それがリアルでナチュラル。と言うか、堂々とした存在感。垢抜けない少女が美しくもなっていく。その成長も体現。こちらは新人賞で注目されるだろう。
圧巻だったのは、劇中で披露する素晴らし過ぎるバレエ。やはり、バレエ経験者。幾つもの舞台に立ち、幾つものコンクールで賞も取っている若きバレエ実力者だとか。
その演技もバレエも注目…いや、必見!
他キャストでは、バレエ教室講師の真飛聖が全く違和感ナシのハマり役。いい役回りでもあった。
ついでに、田口トモロヲのママも。
一果と親しくなるりんも印象的。友情を深めたり、妬んだり、特別な感情を抱いたり。最期の踊りは美しくも衝撃的であった。
樹咲の実母に水川あさみ。最初水川だと分からなかった。毒親だが、娘のバレエを見て…。人は急には変われないが、女手一つで子供を育てる苦労。卒業式のシーンでは母の顔だった。
監督の内田英治の作品を見るのはこれが初めて。
話題になった『全裸監督』の演出を務めたり、映画監督作ではマニアックな作品が多いようで。
自身の体験に基づいたオリジナル脚本。
繊細な演出で時に優しく、時に胸痛く切なく、作品世界に見る者を引き込み、ストーリー語りも見事。役者たちから名演も引き出し、初鑑賞だが内田監督の代表作なのではなかろうか。
映像や音楽も美しい。
今年公開された邦画の中で最もというくらい絶賛の声が寄せられている本作。今年を代表する邦画の一つなのはまず間違いナシ。
その一方で、批判的な声も。
LGBTやネグレクトを扱った際のステレオタイプ描写。
貧困、最下層、夢も光も無い…。
これ事態が虐げる差別/偏見そのものではないかという指摘。
否定も肯定も出来ない。何も知らぬ私が何を言ってもそれは偽善か他人事。
しかし、現実に差別/偏見の対象となり、喘ぎもがき苦しむ性的マイノリティー者が居る事は事実。
何故、私たちだけ…?
ありのままの私で生きる。…なんて、理想的な大言壮語かもしれない。
クライマックスの凪沙の決断など結果として愚かな間違いかもしれないし、末路はあまりにも哀しい…。
そんな中で、美しい白鳥を見た。
私の可愛い白鳥が飛び立った。
私に優しさと温もりを与えてくれた白鳥さん。
心の底から私を愛してくれた白鳥さん…。
誰かを愛す。
誰かを想う。
大切な人の為に、身を削る。
大切な人の為に、踊る。
二人のみにくいアヒルの子が、美しい白鳥へ。
評判につられ、隣町の映画館まで観に行って良かった。
今年の邦画のMY BESTはご贔屓大林宣彦監督の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』に…と決めていたのだが、
今年の邦画のMY BESTだ!
ノスタルジックな映画
立ち上がりゆっくりなんだよね。アバンタイトルで丁寧に草彅剛と服部樹咲の事情を説明してから入るの。いまの作品でこの丁寧さは珍しいね。じっくり観てくださいってことだと思う。
そこからは、足りないもの同士が一緒に生活して、互いになにかを得てく話なの。でも服部樹咲の才能が全てを解決しますという話にもみえた。才能なかったら変化できないね。
前半は草彅剛のトランスジェンダー設定も余り活きないのね。普通に都会でうだつの上がらない遠い親戚設定でも成立する話。
バレエの発表会で「やっぱり最後はお母さんか」ってなってからトランスジェンダー設定が活きていくるの。
でもなんで「やっぱり最後はお母さん」って思ったんだろうね。まあ、そういうものなのか。
そして草彅剛は性転換手術をし、服部樹咲を迎えに行くんだけど、付いてきてくれず、服部樹咲は中学の卒業式を迎えました。
ここ、水川あさみ(服部樹咲のお母さん)が頑張ってるよね。ちゃんと中学卒業させてるし、東京からダンスの先生呼んでレッスンも受けさせてる。それでダンス留学も決めるまでになってる。だから服部樹咲は草彅剛に付いていかなくて正解だったんだよ。
それで中学卒業した服部樹咲が草彅剛に会いにいくと、たぶん性転換手術がうまくいってなくて、良く解らないが草彅剛は死んでしまうと。
トランスジェンダーの苦しみが、この作品では、良く解らないのね。途中、男性相手の風俗に堕ちた同僚が「なんで私たちばっかりこんなに苦しむのよ!」って叫ぶけど、それは選んだ男が悪いからと思っちゃったな。貢がせる男にいれあげて風俗に堕ちるのは普通の女の人でもあるよね。
そして服部樹咲の同級生と、草彅剛が死ぬんだけど、これ死ななくても物語的に良くないかな。人が死んだら心は必ず動くけど、だからこそ意味なく死ななくて良いと思ったな。
《仁義なき戦い》って、がんばって生きてる人が死んじゃうんだけど、この映画は《仁義なき戦い》のころの作品につくりが似てるノスタルジックな映画だなと思ったよ。
ネタバレします 違和感がいっぱいでした 小学5年生の子どもと観ても大丈夫か?
監督の、バレエを習っている子に是非観てほしい、という言葉に安心して小5の娘の分もチケットをとりましたがig仲間が、本当に大丈夫?と心配されていたので、慌てて私だけ前鑑賞。
以下ネタバレです。
草彅さんの好演と新人の服部さんの原石のような、計算のない素のままの演技、所々温かい気持ちになったりじーんとくる場面もあるのですが、最初から違和感ばかりで結果、消化不良気味です。
年頃の少女を、いくら親戚とは言え中年の男性の家に託しますか?児相に通報された絡みもセリフもありましたが、それならば尚更、そんなことはしないでしょう。児相の職員にも追及されるはずです。
そもそも現状を親にひた隠しにしている凪沙が、養育費欲しさとは言え面倒極まりないことになる姪との同居を受け入れた事にも、違和感。
一果のバレエへの想いも、違和感。前に習っていたから?ならばその説明が足りない。あんなに人見知りの、心に傷を負った子が見ず知らずの通りがかりの教室に、トントン拍子にレッスンに通う事になる過程に違和感。そしてあのバレエ教室の昭和感。りんのような将来有望視され桁違いのお嬢様なら、あんな昭和レトロな雰囲気のスタジオには通いません。
そして一果はバレエ上達のスピードが少女漫画並みです。
りんの、違法バイトに手を出したり、自死をするまでに至った心の闇の過程というかエピソードが、もう一つ足りなかったように思います。
一果の母親、
ネグレクト?育児放棄、とまでは言えないんじゃないかな?最初のシーンで、娘を呼び、ごめんね、って酔いながらも呟いていましたよね。まあ、それは置いといて、母親が急に迎えにきて、急に寄り添うあたり。その辺のとこも、違和感。本当の母親だから、娘を大事に思う気持ちはわかりますが、なんだかそのあたり雑な描写な気がしました。
凪沙は、コンクール会場で本物の母親に敵わなかったから、身体を女性にするしかない、母親になるための決意として手術をしに行ったのでしょう。
が、あの手術の場面も違和感です。あんな全身麻酔級の手術を局所麻酔下でするわけない…とガクブルでした。そして術後の通院が不十分であんな結果になってしまったのでしょうが、術後の経過が悪いって、化膿して酷くなれば壊死していくのであって、あんな新鮮な出血……演出でしかないなと。そして目が見えなくなるのは、不自然。糖尿病の持病があれば、まだ考えられなくないですが、全盲はないですよ。
一果が入水して、ザブザブと突き進んで行き、
そのあと急にNYの街に変化したところも、
ちょっと違和感でした。
波に押し返されて、死んじゃいけないんだ、生きなきゃ、踊らなきゃいけないんだ……
というような一瞬があれば、納得できましたが。
そういう、全体的に散らばった違和感が回収できないまま話がふくらんでいくので、説明不足の感が否めず、最後まで、涙が溢れて止まらない、とかはなかったです。
子供と一緒に観に行っても大丈夫かどうかは、
各々のご家庭の判断になるかと思います。
私が心配していたのは、行為そのもののだったり、性的な発言だったり、際立つ暴力シーンだったり、そういうところでしたが、そういうのはありませんでした。凪沙の身売りのシーンも、未遂に終わりましたし。
ただ、一果が母親から殴られたり、一果が椅子を同級生に投げ飛ばしたり、凪沙の仲間が凪沙を庇うためにデッキブラシで客を頭部打撲するシーンはあります。
我が家の判断は、、、5年生なら大丈夫かなと思いましたが、ある程度の知識は吹き込んでおくべきと思います。
一果のバレエシーンは美しかったです。
監督は、バレエがお好きのようなので、
ただただ、そこと物語をくっつけたかったのかなと。
日本版チョコレートドーナツではなかった
観る前に15分の予告と評価が良かったので期待しすぎた。
チョコレートドーナツは新宿で観た。泣く映画とは知らず、不意を突かれ、嗚咽が止まらなくなり、引くぐらい涙がとまらないので、周りに迷惑をかけないためハンカチで強く口を押さえながら酷いくらい泣いた。
草彅剛のニューハーフの儚さは良かった。暗い雰囲気のまま進むストーリーのなかで、バレエ教室での優しい女の子、爺さんが2人をお嬢さん呼ばわりしたり、愛を感じるバレエの先生役がお母さんと自然に呼んでてホッコリして良かった。
なんでいちかを引き取ったんだ??と初っ端から疑問で観てた。最初は養育費目当てだったのは観終わってから知った。
あの親でなんでバレエができる環境だったのか謎。センスがあったとしても謎。
水川あさみの弾けっぷりは良かった。ブルー好きが謎だった。今時あんなバブルな見た目の母親いるんかと疑問だった。モンスターのシャーリーズセロンのようなリクエストがあったらしいけど、時間がないにしてももっと努力はできたでしょ。
脱いでこそ女優魂を感じる自分には残念。脱がない女優はもっと頑張れ。
真飛聖は宝塚だもん、ハマり役だし、レッスンシーンなんて上手よねぇ…と思って見てたけど、ほわほわする雰囲気が嫌味なくて、出演してるシーンずっと心地良かった。他の作品観てるけど今回は印象に残った。
面接帰りの月謝のシーンでニコニコ嬉しそうな凪沙が可愛くて観に行ったようなもん。
何気に演技の上手なサトエリのセレブママっぷりは良かった。「腑抜けども〜」は好きで何度も観てるので。
いちかが広島と東京を行ったり来たりする所や、あっさりネグレクトの母親に戻される所、母親がすんなり凪沙のもとへ行かせる所、術後のケアを怠ったくらいで悪化しすぎな所が観てて謎だった。
膣を作って癒着しないため毎日棒を突っ込んで、ケアがずさんな知り合いのオカマを知っている。メンタルは意味不明だったけど身体はピンピンしている。彼女が駅のホームで「みてみてー」と術後の写真を、嬉しそうに見せてきたときはギョッとした。
身体は弱い設定で金に困ってもあんな事になる?やたらよろよろ歩いてたのは身体が弱いのか、おかまだからなのかどっち?年がいってるからホルモン治療がきついの?
養育費目当てだった凪沙が、いちかのために自分の身体を売ろうと思うまでに至る気持ちも理解不能だった。
ニューハーフたちのキャピキャピしたやりとりを見るのが好きなので、そーゆーシーンは良かった。自分は國村隼人のオカマが好きだけど、田口トモロヲのママも良かった。ニューハーフたちの生きづらさ、葛藤、苦悩をもっともっと残酷でリアルに忠実にやって欲しかった。とってつけたような薄っぺらさを感じた。凪沙の親のしんどさは良く伝わった。
いちかとセレブの子が同時に演技をするシーンは良かった。あー、これ何かあるなと観てたら飛び降りるとは思わなかったのでドキッとした。あーゆーシーンが好きだけど物足りん。レズ描写必要だったか謎。セレブ親だけじゃ死ぬ理由が足りなかったから?
うーん、つまらん…と思いながらも、ラストにいちかが「みてて」と呟いて踊り出し、凪沙との思い出のシーンが蘇ると涙がでてきた。我慢してる訳ではなかったけど、涙がつたうまでにはならんかった。
突っ込みどころはいちいちあって、手抜き?ってくらい残念な所もかなりあったけど、まだ良い方なのかなぁ…。よくわかんない…。
いちか役の子は将来が楽しみ。
想像より衝撃作
何より草なぎさんの演技は素晴らしかった。
最近見た「まくこ」のだらしないお父ちゃん役も良かったけれど。
今回のなぎささんの目は慈愛に満ちて聖母マリアを思わせる程。
元々優しい目をした方ではあるけれど。
ただ、なぎささんの一果に対する思いは、
成り得なかった美しい女性の姿に対する憧れな感じがして、つまり投影?
全てを慈しむ愛というよりは、一果に果たせなかった自分の希望を課している気がして。
同じ舞台で白鳥を舞っても、一果みたいにはなれない。
本当切ないです。
それと一果ちゃん役の踊ってる様は、とても感情豊かで、本人は台詞は殆ど無いけれど、
ダンスからは多くの言葉が聞こえてきました。
特に海岸で踊るシーン。
ノンバーバルコミュニケーション素晴らしかった。
りんちゃん役の子の役所も人生も凄まじくて、脇役で良かったのか、、とは思いました。
夜、仕事から帰ってきて、なんでわたしだけ、と涙を流す凪沙さん。 会...
夜、仕事から帰ってきて、なんでわたしだけ、と涙を流す凪沙さん。
会社勤めをしようと面接に向かい、LGBTのこと勉強してるんだよ、って言っちゃう面接官に何も言えなくなってしまう凪沙さん。
家族に否定されて、病気じゃないから、と言う凪沙さん。
傷ついて、でも凛と佇む凪沙さん。
とても悲しい気持ちになりました。
もしかしたらわたしも知らず知らず、そういう思いをさせていることがあるのかもしれない。
髪を染めたりメイクするのも、はたまた洋服を着ることだって、なりたい自分に近づくことなんだけど、生まれてきた性を本来の性に近づけていることを、同じように考えることは難しいのかな。
いちかちゃんと出会ってせっかく生き甲斐を見つけたのに、(手術もそのためだったのに)こうもうまくいかなくなっちゃうものなのかな。
後半、どんどん転がり落ちていくストーリーは、ほら凪沙さん、こんなに可哀想でしょ、って言いたいだけに見えてしまいました。
草彅さんが上手だっただけに、もうちょっと希望や気持ちが見える演出だったらよかったのにな、と思いました。
悲しいけど未来は明るい
見終わった時にズシンとくるものがありました。
それは色々な感情が混ざり合って表現が難しい。
偏見、葛藤、恋、友情、たくさんのテーマが散りばめられており、衝撃的と感じるシーンもありました。
あの時、こうなっていたら、ナギサに悲しい結末はなかったのかも。
でもあの終わり方はナギサにとっては幸せだったのかも。
せめてもの、救いなのかな。
とても悲しいけど、イチカの未来は明るい。ことがせめての救い。
ほとんどが女性1人のお客さんでした。
エンドロールが流れても誰一人席を立たず、素晴らしい映画であることかわわかります。
もちろん草なぎ剛さんの演技も素晴らしいです。
代表作に加わる作品です。
最初は読み取れなかった
最初に見た時、わたしは一果ちゃん目線で見てしまい、監督のメッセージに気づきませんでした。
凪沙さんは、お母さんになりたかったんだね。
だけど、おそらく今の日本の現状では、無理解と理不尽なことの連続で、1日1日を生きていくだけでも精一杯で、苦しくて。
その中で、才能は持っているけど、同じように傷ついている一果ちゃんを、母親のように愛するようになっても、叶わない現実がある。
だから、自分にできる、出来る限りのことをして、結果として、一果ちゃんの親子を修復して、一果ちゃんの道筋を作ってあげた。
それが、凪沙さんのできる精一杯だった。
こういうことだったのかなと思いました。
わたしと同じように間違えてしまう人がいないように、レビューで残しておきます。
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