ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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何度でも観たくなる作品
久々に素敵な作品に出会えた。
久々エンドロールまで座っていたいと思った。
追記
2回目も変わらず良かった。前回もだけど今回もエンドロール終わるまで立ち上がる人はいなかった。
小説もあるみたいだけど、バレエダンスのシーンは映画の大画面で観るべきだと思う。
母の強さを感じさせる草彅剛の熱演
序盤で凪沙が母親と電話するシーンがある。その口調から“彼女"がトランスジェンダーであることを母親にさえ隠している様子が伺える。この物語の主人公にとって男性、女性といった当たり前のような“区分”が当たり前ではないことに胸を締め付けられる。
セクシャルマイノリティの主人公が子どもを育てようとする物語は『チョコレートドーナツ』とも重なるが、凪沙が孤独な少女を変えていくのではなく、一果という少女との出会いが凪沙の“母性”をゆっくりと引き出していく点に本作の魅力はある。故に自身の中に抱える社会的な“男性”や親の前では“男”でいなければならないという違和感を徐々に取り除き、結果的に凪沙は“母”になろうとする。誰に頼るわけでもなく、あくまでも女手一つで一果を育てようと奮闘する母親としての強さを草彅剛は迫真の演技で示してくれる。とりわけ、夜の公園で凪沙が一果からバレエの振りを教わるシーンは二人の距離の縮まりを示す名場面だ。
孤独と孤独の出会い、母性の覚醒、縮まる距離、そして迎えるラスト。物語の起承転結も整っており、作品のメッセージ性も十分に伝わってくる。しかし、それゆえに周囲の人間模様の描き方の粗さが目立ってしまう。トランスジェンダーへの理解のなさ、露骨な差別的言動、ショークラブや風俗店の客の品のなさなど、過度にステレオタイプなのだ。時代背景が70年代、80年代であればまだ違和感は少なかったのかもしれないが、これが現代劇となると些か現実味が薄れてしまう。
主役の二人、そして真飛聖演じるバレエの先生との関係性など、主軸となる人間の描き方が良い故に、安易な“悪役”作りが作品の質を欠いてしまったように思えてしまった。しかし、ようやく日本でも「トランスジェンダー」という言葉が浸透してきた今、草彅剛というビッグネームを主演に迎えたメジャー作品として本作が公開されたという意味は大きい。
観たあと、放心状態
剛くんが演じてるナギサさん、はじめ、新人のバレエダンサーのイチカちゃん、素晴らしかったです。
いわゆる、お涙頂戴の映画じゃなくて!
油断してたら、わーーって涙がポロポロ流れてくる感じ(笑)
剛くんは、演じてる。とゆーより、ナギサさんとして存在してるし
バレエダンサーのイチカちゃんも、自然すぎて、逆に素人っぽさがリアルで、すごかった。
海へ行くシーンで、イチカちゃんが入水する描写があるけど、その後、留学するシーンもあるし
展望があるラストシーンだと思います!!
それじゃないと、ナギサさんが救われない。。
(あ、でも最後は幸せだったのかな)
ひとつだけ、惜しい事。
キャストが素晴らしい中、サトエリ演じる母親役が薄っぺらで、下手くそすぎて、引いた。
他に出来る女優さんいたでしょう。
ま、そんなのどーでも良い位、☆パーフェクトあげたい映画でした!!!
女性の気品と意志の強さと「トレンチコートと赤」
草彅さんって凄い!って言わせてくれた素晴らしい作品で、友人を誘って2回目の追いスワン(何度も観るのをこのように言うらしい)してきました。
生まれ持った性別、孤独な環境の中で苦しむトランスジェンダー凪沙と母からのネグレクトの一果。
都会の華やかな摩天楼の風景と曇った凪沙と一果の住む背景のコントラストが、とてもせつなく映る。
色彩とファッションの視点からは、赤がとても効果的である。凪沙の服装のトレンチコートは、『ティファニーで朝食を』の気品ある女性、オードリー・ヘップバーン意識しているのだろう。歩き方も仕草も少しはにかむ女性、草彅さんの演技に驚きだった。そして、凪沙のお気に入りの赤のブーツ…「赤」は決断、決心、強い意志と映画で使われる。「私、お母さんにもなれるのよ」と一果を迎えに行った日は、全身が赤のトレンチコート。もう、涙止まらなかった。
凪沙のファッションから心の叫び、メッセージを強く感じた。
せつなくて、美しい、渋谷慶一郎さんのピアノ曲も素晴らしく、たくさんの方に観て欲しいと思う作品でした。
フィクションだが現実味もある。
観終わって数日経ちますがまだ余韻に浸っています。予告編を観たときは草彅剛が女装しているなと内心クスッとしてしまいました。
ですがフィクションでも現実にあった話のような感覚に陥るほど役者さん達の演技が自然でとてもリアルでした。
登場人物がステレオタイプという意見も耳にしますが沢山いますよね。理解ある振りをして無意識に傷つける人、傷つけられた本人の前で出来てないフォローをする人等。
心に残る作品です。
心に残る映画
言葉が、感情が、重くのしかかる
少し関心があるテーマだったから観てみようと、最初は軽い気持ちでした。
人間誰しも自由に生きる権利はあると、いっちょ前にある程度理解しているつもりでしたが、
作中の感情を目の当たりにして、そんな簡単なレベルの話ではなかったとすぐに気づかされました。
時折吐き捨てるように放たれる言葉はどれも重く、当事者にしか分かりえない苦悩に胸がぎゅっと締め付けられっぱなしでした。
凪沙と凪沙の仕事仲間、また一果と一果の母親や友人も、それぞれに生きづらい事情を抱えており、時に感情がぶつかり合ったり、時に今までなかった感情が生まれたり。
幸せや愛の形は人によって全然違っていて、凪沙もまた一果と接していく中で、
心境は変わっていっても、トランスジェンダーとしての苦悩が付きまとう描写が、
なんともやるせない気持ちになりました。
草なぎ剛さんの悲痛ながらも微妙で複雑な感情の表現がさすがだと思いました。
服部樹咲はエンドロールで新人と知って驚きました。堂々とした感情の起伏を表現されていたと思います。
この映画は作品としての評価だけで終わってはいけないと思います。
いつか青空のもと羽ばたける日が来ることに繋がって欲しいと思いました。
主人公がずっと心に生き続ける
演者、映像、音楽、ストーリー、どれをとっても本当に素晴らしかった。
草彅さんの演技力には見る前から何も不安はなかった。
見た後はそれを越え、なきざさんがまるで実在するように感じてくる。
映画の中だけに存在していると思えない程。
忘れられないし忘れたくない。本当に魅力的だった。
お涙頂戴な映画でもない。
だから心に響いて自然と涙が出た。泣きすぎて嗚咽しそうになる時もあった。
男性にはちょっとエグいというかキツいと感じるシーンもあります。。
でもね、それはまさに痛み。
痛みを隠さないのが良かった。
だってきれいごとだけで作ったって仕方ない。
そんなのこの映画の主人公のなぎささんが一番嫌いそうだもの。
母親の顔
ロングラン上映が続いている理由に納得 草彅剛の代表作と言っていい仕...
世の中の不公平さ、生きにくさ
(原作知りません)
私は現在不公平さや生きにくさを感じながら生活しているので「あんたらはえらいんか」「なんで自分がこんな目に」(一言一句は合ってないかと)と言ってたシーンに共感しました。
ただ、その一方で、凪沙や一華たちへ心ない言動をかける側にも自分はいるんだなとも思った。自分の何気ない言動や価値観も世の中の不公平さや生きにくさを作っているんだよね…。
…と自分を見つめ直すくらいリアルなお話だと思いました。あと、一華の友達のりんがいい子で不憫なのが心に残った。
凪沙役の草彅剛については、バラエティやYouTubeで見る草彅剛を一切感じなくて、今までの役とも本当に別人で、引き込まれました。
一華役の服部樹咲は、心を押し殺す“無”の演技がリアルですごかった。最後の「見てて」に泣きそうになりました。エンドロールで新人と書いてあったので、今後出る映画やドラマも見たいなぁ。
草彅さんて、すごいね。
LGBTには、こんなにも悩み苦しみながら
生きている方もいらっしゃるのかと
観ていて辛かった。
これはきっと、単なる物語じゃない。
草彅さんのしぐさや表情がとても艶めかしく
この人の表現力は恐ろしいと思った。
あと、憎たらしい役どころを演じる人は
それだけ演技が上手なのだからしょうがないと
自分に言い聞かせるようにしていて、
今回で言うならば、サトエリさんが
観終わって数時間経っている今でも
ムカついてどうしようもない。
役とはいえ、あんな母親は最低だ。
金持ちの家に生まれなくて良かった、と
またやせ我慢の持論が再燃するほどに
心の豊かさの乏しい親に育てられなくて良かった、
なんて思い放ってしまいたくなる。
私なら我が子をそんな風には思わない。
子供いねぇけど。
あのバレエを踊るあの子の、
なんと美しいことよ。
深い余韻に浸っている
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