ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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切ないピュアな二人
この映画は二人の女性の切ないピュアな物語だと思います。
それに草彅剛さんの演技の素晴らしいさにびっくりしました。
私の感想ではあの時一果ちゃんと暮らしたあの日々で二人を変えた、一果ちゃんにバレーと言う素晴らしい道に出会えさせ、凪沙には本物の女性であり母にさせてくれた。あの日々一果と凪沙は確かに親子だった、この映画は最高の映画がです。
自分の知識の乏しさを恥じた。とても勉強になった。
性転換手術後、命を落とすこともある。
あるいは自ら人生の幕を閉じる人も少なくない。
とか、
国内では性転換手術の症例が少ないため、
手術するならタイまで行き高額な値段で
手術してもらう。
とか。
人間の体って、複雑で、繊細で、
変えようとするのって簡単にはいかないんですね。
いかに自分が
ホルモンってやつの恩恵をタダで受けているのか、
よく分かりました……。
あと、
服部樹咲さんのバレエ、本当に素敵だった。
(りんさんが、衝撃だった)
遅過ぎた擬似親子の愛情を描いた邦画。 本年度ベスト級。
劇場で鑑賞出来ず、ずっと気になっていた作品。
アカデミー作品賞受賞作だったけどあまり心に響かず。
自分の苦手なネット配信で視聴だったのも作品に没入出来なかった理由のひとつかも。
やっぱり映画は映画館で楽しむものと再認識出来ました笑。
バレエが本作の軸になっているとは思わず。
草彅剛さん演じるオネエの凪紗が舞台でバレエを踊っているシーンが導入って感じ。
ある事情で広島の中学生の一果を預かる事になる展開。
孤独感がある2人。
お互いを受け入れない感じがら、一果がバレエを学びたい思いからアルバイトを初め、思わぬ事態になって行く感じ。
一果の同級生で唯一の友達、りん。
なに不自由の無い暮らしの中、一果のバレエの成長する姿に、絶対に何かあると予想するものの、予想を越える展開に。
その後、何も言及されないのが不思議?カットされてしまったのか、かなり気になります。
本作は草彅剛さんがメインと思いきや、一果が主役だったと言う感じ。
最初は誰にも心を開かなかった一果。
りんや凪紗に少しづつ心を開いて行く感じが印象的。
同時に凪紗の気持ちにも変化が現れ、ある決意で海外に渡る展開に彼女の決意を感じた。
本作では草彅剛さんが絶賛されている印象だけど、自分的には一果を演じた服部樹咲さんが良かった。
笑顔も無く言葉数も少ない出だしから、徐々に笑顔や言葉数が出てくる感じが素晴らしかった。
バレエのシーンも美しい。
後半は予想もしなかった感じだったけど、一果が一人立ち出来た感じで安心した感じ。
ネット配信での視聴はやっぱり自分には合わないかも( ´∀`)
心に残る傑作!
途中から草薙君とバレリーナの少女の幸せを祈りながら見ていました。トランスジェンダー、子供の貧困、毒親などについて考えさせられました。いろいろな苦しみを抱えながらも逃げずに懸命に生きていく二人に深く共感しました。個人的には米国アカデミー作品賞に選ばれても不思議ではないと思いました。ひとりでも多くの人に見てもらいたい。LGBTや子供の貧困にまともに向き合わない日本の政治家、官僚、企業は全員見てほしい。
心と体の性が異なって生まれてきた人達を不幸にしてはいけない
草なぎ剛氏の圧倒的な演技力で魅せるこの映画、素晴らしい作品に仕上がっていると思う。
草なぎ氏と同じころに生を受けた私が小さな子供だった昭和50年代、自宅近くに終戦直後くらいに建てられたと思しき造りが不思議とおしゃれな感じの古アパートがあり、そこにいわゆる「おかまさん」が住んでいた。ひげ面の中年の方だったが、女性でも着ないような極端にガーリーな恰好をして黒い日傘をさして真夏の日差しを受けながら歩いていたのを記憶している。
子供の私が見つめていると、「そんな目で見るな」と言わんばかりの目線を返してきたのは印象的だった。彼女がどのような人生を送ったのかはわからないが、少しでも幸せを感じる人生だったら私としては胸をなでおろす気がする(年齢から言って令和5年にご存命とは考えにくい)
周囲の人たちの見る目は、映画にあるように「汚らしい怪物」「見るな・かかわるな」というもので、子供心に「同じ人間としてそのような態度をとって良いものだろうか」と疑問がわいたものだ。
残念ながら、そのような「人として間違った認識」は、令和の今も40年の時を隔てたにもかかわらず何も変わっていないようで極めて残念である。
人として生を受けて、文明の発達した現代に生きているのだから、生まれながらの事情を幸せな人生を送るためのハンディキャップにしてはいけない。
本作は、上記のようなテーマを内包しつつ他にも様々なテーマを描き、話としての完成度も高いが、俳優陣の優れた演技力、また映像の美しさ、リアルさなど、見るべきところが沢山あって素晴らしい。
私も若い時事情があってメンタルをかなり深く患った。障害者手帳を持ってみると、世の中偏見に満ち溢れているということをひしひしと感じさせられる。
何人も幸せになる権利はあるはずなのだ。
それを阻害してるのは、さまざまな立場に置かれた人たちへの理解が足りない人たちの偏見に満ちた態度であると確信している。
所謂LGBTQの人達はこの映画を見て、何を感じるのか。
私は一度、彼ら彼女らの本心を直接聞いてみたい。
そこには人として大切なものがたくさん含まれているはずだ。
そういいたくなるほど本作は鋭い問題提起が出来ている。
凄いが詰まって
キャラクターの感情の起伏や設定が複雑で。その難題を草彅剛×服部樹咲が見事に。初めは凸凹な人間模様がだんだんとなめらかに。母性に優しく包まれていって。1コマ1コマ雰囲気で魅せられて。言葉でまとめるというよりもその淡い感情がとても愛おしくなるエンジェルハートな想いに。
気づいたら涙、
親友だった子、リンも一果に会ったことでもともとの本能が出てきたのかな、同性が好きという場面もあった、
結局ニューハーフやおかまと言われる人たちは社会からは色メガネ、珍獣を見るような目でしか見られず、ああいったバケモノ小屋とまで言ったらひどいが、そーゆーところでしか働き場所がないのか、と思う日本の現状。
LGBTにはまだ希望がないのかと思わせてしまう作品ではあるけれども、
その中でも必死に自分らしく生きていくことを選んでいた。
演技には定評な草彅剛だけども、彼だからこそ、この役はかえって自然体で見れて惹きこまれるものがあって良かった。
一果役の子はこの作品で初めて知ったけど、親からの虐待で見せる無機質な表情から、バレエで生き生きとしてくる顔まで、表現がうまいなと踊りを通じて魅せられていった
届かない愛がつらい
冒頭のスワン達の息の合った所が何だか好き。
あと小物ですが、読んでる漫画が「らんま1/2」なのが何ともシュールですね。
そんな何処かコミカルな感じでしたが、決して届かぬ現実を突きつけられた辺りから段々息苦しいように。
また、その瞬間の表情が素晴らしかった。
あと物語は真逆なのですが、何処か「トルダンサー」を感じました。
コンクールでの会場に訪れた皆とか、かなり意識してますよね?
そしてこのコンクールと結婚式のシンクロと、そこに映される光と影。
ここはうまかった。
ただ、トランスジェンダーが不幸で、そのまま苦しみの中から出られない現実っていうのは寂しかったですね。
作品はそういった演出面で気になる部分がありましたが、そこを草彅の存在感で引っ張っていった気がします。
それとデビューという服部樹咲ですか。とても魅力的で彼女のこれからが楽しみです。
トランスジェンダーそのものだけで無く、描かれた届かない愛がつらかったです。
他人は変えられない
見せてる自分と見せたい自分が違うことの生き辛さみたいのはきっと誰でもあると思うけど、それが性別だったらどんなにかしんどいだろうと思った。
人を変えることは出来ないので自分を変えるしかなくて必死で変えていくのに、どこまで行っても結局人の価値観は変えられないから堂々巡りになって更にしんどさが増すという苦しさよ。
コンクールの母娘連れがリアルであれはイチカは辛かったろうと思う。発表会やらコンクールは子どものサポートで母さんが本人より忙しい日だ。
イチカの髪を本当に嬉しそうに誇らしそうに愛おしそうに梳るナギサさん見てたら知らずに涙で大画面が歪んだ。
登場人物みんな愛に飢えてて、なのに誰かを深ーく愛しててそれが報われても報われなくても愛し続けてるのがしんどかった。
けどイチカが最後ナギサそっくりな格好でカッコよくカツカツ歩いてるの観て私を含め周りも啜り泣きが止まらなかったよ。
この年一番泣いた映画でした。
なんか久々に観たくなってきた。
本当に男女平等だSDGsだとか言うなら、”男らしく”も差別として禁止しないとだめだと思う。
この映画の主人公には全く共感できないし、頭の中や体がどうなっているのか想像できない。
でも普通に生きるだけでも大変なのに、オカマだったら生きるということのレベルが上がって更に大変なことになってくると思う。
その人にとっては絶対的なものだからこんなこと言ってもしょうがないけど、相対的に言えばもっとレベルの高い生きるのが困難な人がいると思うので、比較すればどうなんだろう?という気がしなくもない。
あと障害ではないのかもしれないけど、訳の分からない精神障害や病気を抱えて苦しんでいる人もいるから、原因が分かっているだけでも少し幸せかな?という感じもする。
でも分かり過ぎるのも逆に大変かもしれない。
LGBTとよく一括りにして言うけど、オカマが一番大変だと思う。
オナベの人が男の恰好をしていても別におかしくないし、男の喋り方をしても別におかしくない。
だけどおっさんが女の恰好をしたり、女の喋り方をしたらすごくおかしいし、気持ち悪い変態みたいに見られる。
でもこういうことは他のことにも当てはまるかもしれない。
最近男女平等が厳しくなって、女らしくしろと言うと怒られるけど、男らしくしろと言っても怒られない。
女らしくしろがだめなんだったら、男らしくしろもダメだと思うんだけど別にそれはない。
そんなことやっているうちに女らしくは死滅して、男らしくばかりが生き残って、大変なことになっているような気がする。
女の人は何をやってもよくて、男は男らしくだと、役割分担が壊れて男にばかり負担がかかるようになる。
これだと逆差別というか本末転倒だと思う。
この映画でも差別という言葉は一切出てこなくて、変な性癖の変態のおっさんだから酷い目に合うのも全て自己責任でしょうがないみたいなことになってる。
でもこれって生まれ持ったものなんだから自己責任ではなくて差別じゃないのかな?
例えばだけど違う人種の人に「気持ち悪いバケモノ」と言っているのと同じことのような気がする。
本当に男女平等だSDGsだとか言うなら、”男らしく”も差別として禁止しないとだめだと思う。
マイノリティには生きずらい現実
2020年。監督・脚本は内田英治。
第44回アカデミー賞の最優秀作品賞。草なぎ剛は最優秀主演男優賞を受賞。
トランスジェンダーの凪沙。
バレリーナに憧れる少女・一果(いちか)。
2人の境遇が交差する時・・・
生きる希望と、生き甲斐と、愛と悲しみと、人生の全てが詰まった至高の愛の物語。
観終わって嗚咽が止まらない・・・2人の人生を共に生きた・・・そんな時間でした。
新宿のニューハーフクラブのステージで踊る、トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)
年齢も年増になって、裏寂しさが表情にも浮かぶ。
ある日、遠い親戚の少女・一果(服部樹咲)を養育費目当てで預かることになります。
一果は育児放棄により母親(水川あさみ)から酷い虐待を受けて、心を閉ざす傷ついた少女でした。
いやいや預かった凪沙でしたが、トランスジェンダーとして狭い世界で孤独に生きてきた凪沙と、愛も礼儀も知らない一果の間に擬似親子のような感情が生まれていきます。
反抗的で突っ張ってて、しつけのなってない一果を、次第にイジらしい護ってあげなければ・・・そう思う凪沙でした。
この映画のもう一つの見どころは、一果のクラシックバレーのダンスシーン。
一果は近所にあるバレースタジオを覗いたとき、踊りたい衝動に突き動かされます。
一果は、片平先生(真飛聖)の教室の生徒となり次第に才能を開花させて行きます。
この映画、一果のバレーシーンが、素晴らしいんです。
一つ一つのポジション取りが完璧で、一果の踊る姿を見るだけで、芸術の持つチカラって凄いなぁ、と心から感動します。
一果のバレーコンテスト出場を応援する凪沙でしたが、経済的にも精神的にも
次第に追い詰められて行くのでした。
本物の「母親になりたい!!本物の女性として認められたい!!」
凪沙はある重い決断をします。
ここからは、もう辛いし悲しいしで胸が引き裂かれる想いでした。
そして怒涛の衝撃のラストへと雪崩れ込んで行きます。
一果役の服部樹咲は15歳になったばかり。
幼い頃からクラシックバレーを習い、数々の賞に輝くバレリーナの卵です。
尖って突っ張った表情と、果実のようなみずみずしさ。
一果を演じるために生まれてきたような少女です。
凪沙役の草なぎ剛は、もう最高のトランスジェンダーの誇り高き女性でした。
草なぎも彼以外に凪沙を演じる役者はいないと思いました。
2人とも、この映画で過ごした瞬間は
「一生に一度の巡り合い」・・「一期一会」
私にとっても、忘れられない宝物になりました。
過去鑑賞
草彅剛がトランスジェンダーを演じ話題になった作品。 主人公だけでは...
草彅剛がトランスジェンダーを演じ話題になった作品。
主人公だけではなく、キャストそれぞれの苦悩や葛藤が描かれていて終始切ない。けれど音楽、映像が綺麗で、内容はとても重いけど観た後は良い余韻が残ります。最近の邦画の中ではこの作品が一番じゃないかって思えた映画でした。
闇
私は創り手ではなく一視聴者なので、死ぬ必要があって死なせたというよりは、人はそういう運命を辿ることもあるでしょうと思って違和感なく受け止められた。
全体的なストーリーはLGBTがどうというよりは、単純に孤独な2人が互いの絆で明るい希望を持ち始め、それでもやっぱり一度暗いところにいた人っていろんな闇から綺麗さっぱり離れることが難しいっていう社会風刺的なメッセージを感じた作品で、ハッピーエンドでちゃんちゃんと終わるよりよかったなと思う。
途中のシーンにもあったけど、LGBTという言葉が共通語になり、言葉だけが身近でまだその実は全然身近になんてなっていないし、そういった方々の生きづらさの解決はまだまだこれから。でも人の生きづらさって社会レベルでなくても抱えている人はたくさんいて、毒親に育てられる子供もまたその1人。一つ一つの言葉や表現が心に闇を落としていくのを感じられた。
劇中の踊りは美しければ美しいほど、儚く悲しいもの連想してしまう。一度目はお母さんを思い浮かべていたけれど、二度目は凪さんだった、というところはある意味ハッピーエンドだったのかな。
あと一果ちゃんかわいかったな。
うーん……
ぜんぜん悪い設定では無いはずなのに、
どこか日本映画の悪い域にしか収まってない気がする
社会に馴染めない二人なのかもしれない
けれども彼女らの行動に疑問が湧く
その性格の人がこの行動する?となる
自分の感情をわんわん出す以外に
方法は無いんかよ、と思ってしまうし
誰のための映画なのかを今一度考えたほうがいい
感動の為のラストシーンだとか
言われていますが、
そもそも感動するか?
感動……?
どこに?彼女の運命に?
彼女が選択した彼女の最期に?
いやー、わからん…。
ドランの映画とか、観た方がいい
2人の少女の屋上シーン
ずっと観ようと思っていてようやく鑑賞。私が1番良かったのは、2人の少女の屋上での会話シーン。
よく喋るようなった。
なってない。
なったよ。
それに明るくなった。
なってない。
なったよ。
このラリーがあと数回繰り返される。
2人の雰囲気。表情。間合い。本当に良い!作品自体の話をすれば、ちょっと期待値上がり過ぎたのもあるかもだか、ストーリーがね、後半どうしてもダメでした。そのカットいる?という過剰感も何度か。そんな展開にしなくてももっと深くて清くて暖かいものに仕上げて欲しかったかなー。もちろん草彅剛はがんばってた!
作品
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