劇場公開日 2020年9月25日

ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価

全683件中、681~683件目を表示

4.5二羽の白鳥

2020年8月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

元々演技には定評のある草彅が、トランスジェンダーの凪沙をどのように表現するのか、といった関心は冒頭から打ち砕かれる。
その存在感は圧倒的で、もはや演技という枠を飛び越えて、都会の片隅でささやかに生きる凪沙、その人そのものでしかなかったからだ。

そして、その草彅に一歩も引けを取らずに観客の視線を奪うのが、この作品の核でもあるバレエシーンの見事さと終始無表情で暗さを宿した強い瞳が印象的な一果役の服部樹咲(はっとりみさき)だ。

これがデビュー作となる荒削りで未知数の魅力を放つ服部と、その服部を全身で受け止め、どこまでも凪沙として苦悩し、懸命に生きる草彅という得難い組み合わせが、やや乱暴なストーリー展開にも納得感を持たせ、今作を稀代の傑作に押し上げている。

脇を固めるキャストたちも素晴らしい。
特に一果の親友・りんを演じた上野鈴華の、服部とはまた異なる瑞々しい魅力は強く印象に残った。

バレエシーンの完成度の高さ、光と影の使い方、色彩による感情表現など、内田英治監督の繊細な美的センスと、物語に寄り添い、深い余韻を残す渋谷慶一郎の音楽にも注目。
次はぜひ、映画館の大きなスクリーンで堪能したい。

【オンライン試写会で鑑賞】

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ke

5.0命懸けで母になろうとする主人公に感動

2020年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

トランスジェンダーの主人公・凪沙を草彅剛が体当たりの熱演。
トランスジェンダーとしての生き辛さ、葛藤、苦悩がリアルに描かれていて胸が締め付けられる。
育児放棄された親戚の少女・一果を預かる事になり次第に母性が芽生える凪沙。
バレエの才能がある一果の為に奔走し、命懸けて母になろうとする凪沙に感動。
一果を演じる脅威の新人・服部樹咲の存在感と演技力に脱帽。
彼女のバレエシーンは一見の価値がある。
様々な母親が登場するがそれぞれ形は違えど子供を愛している。
子供の愛し方について考えさせられる。
一人でも多くの人に観て感じて貰いたい傑作。

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タカリコ

5.0新宿のショーパブで働くトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)のもとに、...

2020年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

新宿のショーパブで働くトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)のもとに、育児放棄の母から逃れるように一人上京してきた一果(新人の服部樹咲)が預けられ、同居することに。一果は次第にバレエにのめりこんでいく。凪沙は、金のためだけに一果を預かったため、最初は無関心だったが、ある出来事をきっかけに、二人の関係は徐々に変化していく。

人は生まれる家も性別も選べない。
自分ではどうしようもない宿命から逃れようともがく二人。
なんとか思うままに生きたいと願い、自らの意思で人生を選んでいく。
それでもなお、宿命に足を引っ張られ、うまく生きていけない。

生きていればしんどいこともある。誰にでも、なんで自分だけこんな貧乏くじを引かされるんや、この世に自分の居場所なんてない、と思ったことは、多かれ少なかれあるのではないか。

それでも、どう生きるか。どう宿命に抗うか。

母になろうともがいた凪沙の表情やしぐさを
寸分たりとも見逃さないでほしい。

一果を演じた新人の服部樹咲の演技にも注目。

#ミッドナイトスワン#ミッドナイトスワンを広げよう

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まい