「愛だけでこの汚く醜い世界を肯定できる」ミッドナイトスワン ブーツヘルティアントさんの映画レビュー(感想・評価)
愛だけでこの汚く醜い世界を肯定できる
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現代社会では、LGBTQへの理解を深めようという動きが活発だが、実際には、同性愛者や性自認と異なる身体を持つ人々に対して、依然として強い偏見や嫌悪感を抱く人が少なくない。自分も周りにそのような人たちがいた場合、彼らの個性をまるごと認められる器があるかどうかわからない。
ただ自分らしく生きたいと願う一人の人間であるにもかかわらず、自身の信条を曲げなければ社会に差別される渚の姿は、あまりにも痛ましい。しかし、そんな渚の姿を目にした一果が、この汚く醜い世界に絶望するのではなく、渚から深い愛情を受けたおかげで、この世を肯定することができたのが、この映画の希望だと感じた。
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