「女性になったから貴女の母親になれる。」ミッドナイトスワン はくさい(さぽしゃ)さんの映画レビュー(感想・評価)
女性になったから貴女の母親になれる。
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トランスジェンダーの凪沙が遠縁の女の子:一果を預かることになり芽生える母性。漸く手術を決心した凪沙が、実家に帰っていた一果を迎えに行き「女性(の身体)になったから貴女の母親になれる」というシーンには泣いた。
凪沙にとっての幸せは「女性=母親」一つしかないんだな。
一つだけの幸せが叶わなかったら、自暴自棄になるしかない。
凪沙や友人達の生き辛さに、こちらまで息苦しくなった。
ただ色々と疑問に思う場面もあった。
術後ケアを怠って(1年経ってから)あんな酷い状態になるか。
過剰な不幸話になってないか。
トランスジェンダーの方がこの映画を観て絶望しないか。
など、色々と考えた。ラスト、瀕死の状態の凪沙の前で、海をバックに踊る一果のシーンで、なんで海と青い空をCGにしたんだろう。息詰まるリアルの中で、そこだけ感動的に「作りました感」が出ていて違和感があった。
ただ草彅剛さんの熱演や、
服部樹咲さんの初々しい演技とダンスに魅了されました。
テーマやメッセージが会社や学校や色んな場所に運ばれ、濃厚な議論に発展することも映画の意義の一つだと思う。本作はあまり語られることのなかった、性別適合手術のリスクに対する問題提起をしてる点で重要な映画だと思う。
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