「貧困×ネグレクト×LGBTのトリプルパンチ」ミッドナイトスワン ばしばしさんの映画レビュー(感想・評価)
貧困×ネグレクト×LGBTのトリプルパンチ
クリックして本文を読む
9本目。主人公はネグレクトを受ける女の子のいちか、いちかの親戚で自分を女性と認識しているが身体が男性であるなぎさの2人。いちかは救いようのない生活を送ってきて精神的にもすさんでいたが、なぎさとバレエとの出会いをきっかけに彼女の生活に一筋の光が差し込む。だがしかし、バレエを続けるための障壁が多すぎて2人は苦難の連続を強いられる。特になぎさの就職面接、性的サービスを行う職に付いた時の性的被害、いちかの実家でのやり取りのシーンは見るに耐え難い。犯罪に手を染めそうなくらい危険な少女がバレエとなぎさとの出会いを通じて成長し、最終的には海外で活躍することができたのでハッピーエンド好きの私としては安心した。見るのがキツいシーンは多かったが、未だ解決できずにいる社会問題に改めて一石を投じる作品だった。
追記
バレエをテーマにした作品なのでクラシック音楽が使用されていてとても良い。しかし、途中にバレエ友達とするキスシーンや深夜2人でバレエを踊った後に絡んでくるおじさんのシーンなど、原作小説では自然に描かれるのかもしれないが違和感のあるシーンは少し目立った。やはり脚本家と原作者の折り合いを付けるのは難しいのだろうか。
コメントする