「感情に駆られて賭けに出ること」ミッドナイトスワン Kさんの映画レビュー(感想・評価)
感情に駆られて賭けに出ること
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草なぎ剛の違和感のなさは文句なしの前評判通りだったが、主人公の少女の言葉少なさもよかった。自分を理解して饒舌に話せる子供はそんなにいるものではない。
私が目に焼き付いて離れないくらい衝撃だったのは、一果が卒業後に凪沙の変わり果てた姿に対峙するシーンで、ここで思ったのは、悩みや葛藤は尽きることがなくても、健康で実直な選択ができている限りはささやかでも幸せを感じる瞬間はあるはずだが、無茶をして体を壊してはいけない、ということ。でも、感情に駆られて賭けに出ることは悪いことではないし、リスクを取らなければ変わらないこともある。現実の大多数の人は賭けに敗れ、成功を託す人すらない。だからこそ成功を託す人がいるという物語は希望があり、希望がある映画はいい、と、こんな時代だからこそ思った。
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