「場面不足が惜しい」ミッドナイトスワン TRINITYさんの映画レビュー(感想・評価)
場面不足が惜しい
コロナのせいですっかり映画館に行く習慣がなくなってしまった今日この頃
評価が高いと小耳に挟んだので観に行きました
特に新人バレエダンサーの子が良かったですね
観る前に予備知識を入れたくないので水川あさみの母親役は前半は全く気が付かない程の別人でびっくり
濃いメイクのせい?
トランスジェンダー物で記憶にあるのは生田斗真の「彼らが本気で編むときは」ですね
登場人物の設定は今作とほぼ同じだった気がします
トランスジェンダーの主人公
育児放棄された子供
触れ合いながら、お互いの傷を癒やして行く様にかなり泣かされた記憶があります
経済大国日本には貧困家庭が驚く程多く、子供の7人に1人が貧困に苦しんでいるとの事
育児放棄、貧困、トランスジェンダー
社会的弱者を扱ってる映画は100%泣かされるのですが、今作はどうにも入り込めずあまり泣けなかったです
トランスジェンダーの店に遊びに行くので、現実との違和感もありましたし
色々なネタを詰め込み過ぎたせいで時間が足りず回収されない伏線や場面不足のせいで、特に後半にぶつ切り感があって入り込めなかったのが残念でしたね
後半のオーディション場面からエンディングまでのドラマが転がっていく大事な部分にもっと時間をさいて丁寧に表現して欲しかった
オーディションに突如現れた母親の抱擁からの荒んだいちかがいきなりコンビニ前でたむろってるのはいただけない
バレエやめちゃったの!?的な伏線なんでしょうが、唐突すぎるし
迎えに来た凪咲のおかげで母親が改心したのかも良くわからず、コンビニでたむろってたいちかが唐突に卒業式では友人との写真も撮らずバレエの練習してるし
そのバレエの月謝は誰が払ってるのかも不明で母親が少し改心してる風なので母親がバレエの月謝出してるの?
と思わせといて東京の凪咲は寝たきりで「さぼっちゃった」としか言わないし、、
映画の説明を読むと、自分の手術のケアのお金をバレエの月謝た当ててたと書いてある
いくらなんでも「さぼっちゃった」だけでは端折りすぎじゃありません?
等々色々な場面不足ゆえの怒濤の感動エンディングに入り込めず悲しかったです
海辺のダンスシーンが入れたかったのはわかりますが、殺さずとも良かったのでは
そして、せめて殺すならいちかを号泣させませんか?
新人だから泣きの演技が出来なくてカットしたのか、死んだのか、死んてないのか、想像の余地を残したかったのか
ゆえにラストのオーディションパートで昇華されるはずの凪咲との思い出シーンの消化不足も残念
落ちていくトランスジェンダー仲間との場面等々を減らして後半に費やして欲しかったな
良い映画なのに惜しい作品です