「後半の展開は残念」ミッドナイトスワン ゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
後半の展開は残念
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草彅くんの凪沙役の演技、素晴らしかったと思います。前半何度も涙が溢れました。イチカちゃんも素晴らしかったし、バレエのシーンがこの暗い映画の中にせめてもの華を添えてくれました。
しかし、とにかく、重い、暗い、救われない…見終わった後、そんな気分になりました。あと、LGBTを不必要に惨めに演出している印象でした。昭和なの?と思うほど、今の時代に合致していない印象も強かったです。
後半、タイに手術に行くところから、話の流れが急に大雑把で強引すぎる印象でした。
発表会で本当の母と抱き合うイチカを目にして傷ついたとしても、凪沙が半ばヤケになり手術をし、田舎にイチカを奪いに行くなどという行動は、それまでの人物像からピンと来ませんでした。そして、その後のオペの後遺症なのか、生々しいシーン。ちょっと強烈すぎました。必要ない演出だと思いました。そこまで凪沙を惨めに演出する意味があったのだろうか?
後半の、無理矢理感、人物の心の描写もすっとばらされてて、その為に浅さ、違和感が目立ちました。
イチカの心の成長、自分から旅立っても、イチカの存在で凪沙の生きる意味みたいなものを感じさせる、もっともっとそのあたりを丁寧に描いたものを期待してしまいました。この映画でなにを伝えたかったのかが、後半の展開で全くわからなくなり、演技が素晴らしいだけにもったいなく残念でした。
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