「小説と映画を見て完成する作品である。」ミッドナイトスワン 白鳥さんの映画レビュー(感想・評価)
小説と映画を見て完成する作品である。
(※小説のネタバレも少し含んでおります)
九月末にこの映画を見て心がとても苦しい、しんどい…と引きずりながら帰宅しました。
草彅剛さん、服部樹咲さん、上野鈴華さんこの三人の演技が素晴らしくて絶対賞レースで話題になる前に映画館で見れて良かった!と素人ながら大変興奮しました。
が、やはり後半の(なんかその前に色々あったんじゃないの…?)と思わざる得ない話の流れに大絶賛してる人達は後半も納得してるの?草彅さんが出てればそれで良いの?と疑問に思えて仕方ありませんでした。
映画としては、の評価だと星3位なんです。
それこそレビューに溢れてる低評価の方達の意見は大体固まってきてますよね。
独身男性に従姉妹だろうが中学生行かせない。
手術後あんなになるのはタイの医療技術にあまりにも失礼等など…炎上もしましたね。
これ、全部小説を読まないと解決しません。
ひたすらこの悶々とした気持ちを引きずるのは嫌だなあと思い、小説を購入し読みました。
映画を見た後だったのでしっかりとそこに凪紗が居て一果が居て、りんが居ました。
足りない部分と凪紗の胸が熱くなる想いと小さな恋心が知れて、映画のりんの行動は最初から最後まで一果を想ってやっていた事なんだと知れて涙が止まりませんでした。
せめてもう少し大事なシーンの前後で関わる瑞貴との絡みを入れてくれていたら…と正解を見てしまった後ですが、その場面が入って居れば物の見方が変わりますし、映画としての評価も変わったんじゃないかと思うと悔しかったです
映画一本分に詰め込む内容が多過ぎたんでしょうね。どれもこれも、大切なミッドナイトスワンを作る上でのかけがえのない場面でした。
役者さんか、公式さんのTwitterで泣く泣くカットした喫茶店のシーンはDVDに入るはず…と
断腸の思いでカットされたんだな、と思いますが結果伝わっていないんですよ…
死を望み、それでも生きてる中宗教勧誘が持ってきた聖書を読み込んだ上でのエンドロール最後の二人とか理解して、記憶にある二人思い出して鳥肌立ちましたよ…映像だともう草彅さんの姿がショック過ぎて聖書や十字架は頭の中からすっ飛んでしまうでしょうね。
でも、この映画を見て小説も読んで店にやってきた地方議員はこの前の足立区の区議と重なり凪紗の恋愛経験の内一人は女性から男性になった方だと知り、数年前ニュースで知った同じ様にトランジェンダー同士の恋人達を思い出し日本でのLGBTの生き辛さがこれから緩和されると良いなと改めて思いました。
もし、抵抗が無い方は小説も是非…
色々と誤解を産…んでしまっている映画ですが
「オススメ!」とか「皆見て!」と安易に声を大きくして言える作品ではありませんが、凪紗と一果の寄り添い幸せを噛み締めた時間を見せてくれてありがとう…と思える自分にとっては一生モノの素敵な映画に出会えたと思います。