劇場公開日 2020年9月25日

「他人が何者であるのか」ミッドナイトスワン まめこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5他人が何者であるのか

2020年10月10日
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鑑賞方法:映画館

これは、とても良作です!ぜひ人に勧めたい作品でした。
私、草彅剛さん苦手だったんですけど、冒頭のナイトクラブの接客シーンの芝居観て、瞬間で、あ、この映画は草彅剛を観るだけで絶対成立するな、と直感しました。

これは私のおそらくそうだったのだろうという、憶測でしかないのですが、あの脚本の台詞は、一切の無駄がなかったんではなかろうかと思っています。
それは俳優の方々が演技をする上で。最近読んだ本で、俳優の方はセリフが足りないとアドリブを多くする方もいると書いてあったのですが、この作品は、質の高い脚本を現場でいかに料理していくかという、そこに集中していたのではないでしょうか。

生姜焼きのシーン良かったです。この作品の食事のシーンには意味があった。2人のつながりを表現するとかそれ以上のものがありました。私、料理のシーンはこだわっているんです、的な阿呆な監督が撮ったものではない、複雑な感情が見える食事のシーンでした。

まだまだトランスジェンダーというものを理解し切れていない、受け入れ切れていない世間です。私も含めて、表面は分かっていても、内面を理解していない。
その立場にある者?そのように生を受けた者というものを果たして受け入れられるのか?
それを考えさせる、ここまで考えさせられるとは!そんな作品です。

これはかなり良き映画体験だと、私は自負しています。

まめこ