「実花先生の存在。」ミッドナイトスワン Bammovieさんの映画レビュー(感想・評価)
実花先生の存在。
実花先生(真飛聖)が、この作品で一番伝えたいことだったのではないかと思う。
実花先生は最初から、凪沙に対して何の違和感もなく、凪沙を凪沙として受け入れていた。
つまり違和感ありまくりのフラットさ。それがこうあってほしい、という願望なのか、と。
それと、
白鳥の湖、を見てからこのミッドナイトスワンを見るとより深まると思う。
恥ずかしながら白鳥の湖をきちんと知らず、ただ曲として有名だなくらいと思っていた。
それがバレエ監修の方のyoutube等を見て、白鳥の湖を知っているといいのかなとおもって、
ミッドナイトスワンから白鳥の湖、そしてバレエへと。
バレエも知っているようで知らないジャンルだった。
トランスジェンダーの一人の人生を描いた作品ではあるけれども、
知らない分野を知ろうとするきっかけになる作品でもある。
バレエは美しい。でもその背景やなかにあるものが本当に美しいものばかりなのか・・・
人間にも同じことがいえるのではないか。
ただただ、この国において行きにくいのは事実。
奇妙な目で見られる。目線の痛さ。自分では普通なのに、それが当たり前なのに、
周りからみれば、おかしな格好をした男・・・。
なぜ男と女なのか・・・
人間いつから男と女、になったんだろうね。
なんで身体的特徴で男になるんだろう。
男と女ってなんだろう。
観終わって今考えているのは、そこ。答えはまだない。
そして草彅剛。
彼はどうして実在するかのように演じられるのだろう。いや、演じていないのかもしれない。
新宿に行けば、凪沙がいそうな気がしてならない。
youtubeや普段見せている顏からは想像がつかない。普段の彼を見るたびに、凪沙を演じた人と同じなのか、と思う。
彼はアイドルであろう。
だが、「俳優」であることにも間違いない。