「主人公の二人を見て、強くならなくてはと思いました。」ミッドナイトスワン みちこさんさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の二人を見て、強くならなくてはと思いました。
9月30日のごごナマで、司会の船越氏が「アカデミー賞だ」と絶賛していたので、あまり映画には行かないのに、飛び込んで見ました。
最初は、狭い部屋やタバコスパスパの凪沙やぶすっとした一果、ゴミいっぱいの街並みに嫌気がさしました。生活も苦しいし、育児放棄されたとして手のつけられない一果とトランスジェンダーなら、変な目て見られ、挑発されていじめられるだろうことはわかります。この映画のどこが良いの?
ただ、二人は卑下したりメソメソしていない。潔い。椅子を投げつけます。
通りかかった教室から覗いたバレエに惹きつけられていく一果は、かたくなな少女の表情のままで、うつくしいバレリーナに成長していきます。最低のシチュエ-ションから清い純粋な光が立ち上がるように・・・ バレエの映像も素晴らしいし、音楽もすごくいい。
途中、green bookで見られたような、変な世界の描写は不要かもしれません。タバコも多い。
ただ、いろいろあまり良くない場面の展開が、説明が多くなくて、スッーと短く次に移行しているので(結果の説明が理屈っぽくない)、見ていてそれ以上暗くなりません。終わりも、うれしい気持ちにさせてくれました。
前半のすごい状況の二人の主人公ほどの、どうにもなりそうもない人は、そんなに多くはないでしょう。くだらないことにくよくよしないで、みんな頑張らなくてはと思わせて、元気をもらいました。それと荒れているときは、心はとっても寂しがっているのだ・・暴力を示してくる子には、叱るのではなくやさしさが必要なのだと感じました。 もうすこし、過激な部分がなければ、小さな子や中高校生にも見せられるし、それは彼らにとっても、役に立つでしょうに。あそこまで、極端でなくても良いかもと思います。次を期待します。
主人公二人は、演技をしているという感じは全くありません。それがすごい。
映画館で、一人か二人で見てください。 みんな一人で来ていました。