「ネタバレします 違和感がいっぱいでした 小学5年生の子どもと観ても大丈夫か?」ミッドナイトスワン こなゆきまるさんの映画レビュー(感想・評価)
ネタバレします 違和感がいっぱいでした 小学5年生の子どもと観ても大丈夫か?
監督の、バレエを習っている子に是非観てほしい、という言葉に安心して小5の娘の分もチケットをとりましたがig仲間が、本当に大丈夫?と心配されていたので、慌てて私だけ前鑑賞。
以下ネタバレです。
草彅さんの好演と新人の服部さんの原石のような、計算のない素のままの演技、所々温かい気持ちになったりじーんとくる場面もあるのですが、最初から違和感ばかりで結果、消化不良気味です。
年頃の少女を、いくら親戚とは言え中年の男性の家に託しますか?児相に通報された絡みもセリフもありましたが、それならば尚更、そんなことはしないでしょう。児相の職員にも追及されるはずです。
そもそも現状を親にひた隠しにしている凪沙が、養育費欲しさとは言え面倒極まりないことになる姪との同居を受け入れた事にも、違和感。
一果のバレエへの想いも、違和感。前に習っていたから?ならばその説明が足りない。あんなに人見知りの、心に傷を負った子が見ず知らずの通りがかりの教室に、トントン拍子にレッスンに通う事になる過程に違和感。そしてあのバレエ教室の昭和感。りんのような将来有望視され桁違いのお嬢様なら、あんな昭和レトロな雰囲気のスタジオには通いません。
そして一果はバレエ上達のスピードが少女漫画並みです。
りんの、違法バイトに手を出したり、自死をするまでに至った心の闇の過程というかエピソードが、もう一つ足りなかったように思います。
一果の母親、
ネグレクト?育児放棄、とまでは言えないんじゃないかな?最初のシーンで、娘を呼び、ごめんね、って酔いながらも呟いていましたよね。まあ、それは置いといて、母親が急に迎えにきて、急に寄り添うあたり。その辺のとこも、違和感。本当の母親だから、娘を大事に思う気持ちはわかりますが、なんだかそのあたり雑な描写な気がしました。
凪沙は、コンクール会場で本物の母親に敵わなかったから、身体を女性にするしかない、母親になるための決意として手術をしに行ったのでしょう。
が、あの手術の場面も違和感です。あんな全身麻酔級の手術を局所麻酔下でするわけない…とガクブルでした。そして術後の通院が不十分であんな結果になってしまったのでしょうが、術後の経過が悪いって、化膿して酷くなれば壊死していくのであって、あんな新鮮な出血……演出でしかないなと。そして目が見えなくなるのは、不自然。糖尿病の持病があれば、まだ考えられなくないですが、全盲はないですよ。
一果が入水して、ザブザブと突き進んで行き、
そのあと急にNYの街に変化したところも、
ちょっと違和感でした。
波に押し返されて、死んじゃいけないんだ、生きなきゃ、踊らなきゃいけないんだ……
というような一瞬があれば、納得できましたが。
そういう、全体的に散らばった違和感が回収できないまま話がふくらんでいくので、説明不足の感が否めず、最後まで、涙が溢れて止まらない、とかはなかったです。
子供と一緒に観に行っても大丈夫かどうかは、
各々のご家庭の判断になるかと思います。
私が心配していたのは、行為そのもののだったり、性的な発言だったり、際立つ暴力シーンだったり、そういうところでしたが、そういうのはありませんでした。凪沙の身売りのシーンも、未遂に終わりましたし。
ただ、一果が母親から殴られたり、一果が椅子を同級生に投げ飛ばしたり、凪沙の仲間が凪沙を庇うためにデッキブラシで客を頭部打撲するシーンはあります。
我が家の判断は、、、5年生なら大丈夫かなと思いましたが、ある程度の知識は吹き込んでおくべきと思います。
一果のバレエシーンは美しかったです。
監督は、バレエがお好きのようなので、
ただただ、そこと物語をくっつけたかったのかなと。