「日本版チョコレートドーナツではなかった」ミッドナイトスワン yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
日本版チョコレートドーナツではなかった
観る前に15分の予告と評価が良かったので期待しすぎた。
チョコレートドーナツは新宿で観た。泣く映画とは知らず、不意を突かれ、嗚咽が止まらなくなり、引くぐらい涙がとまらないので、周りに迷惑をかけないためハンカチで強く口を押さえながら酷いくらい泣いた。
草彅剛のニューハーフの儚さは良かった。暗い雰囲気のまま進むストーリーのなかで、バレエ教室での優しい女の子、爺さんが2人をお嬢さん呼ばわりしたり、愛を感じるバレエの先生役がお母さんと自然に呼んでてホッコリして良かった。
なんでいちかを引き取ったんだ??と初っ端から疑問で観てた。最初は養育費目当てだったのは観終わってから知った。
あの親でなんでバレエができる環境だったのか謎。センスがあったとしても謎。
水川あさみの弾けっぷりは良かった。ブルー好きが謎だった。今時あんなバブルな見た目の母親いるんかと疑問だった。モンスターのシャーリーズセロンのようなリクエストがあったらしいけど、時間がないにしてももっと努力はできたでしょ。
脱いでこそ女優魂を感じる自分には残念。脱がない女優はもっと頑張れ。
真飛聖は宝塚だもん、ハマり役だし、レッスンシーンなんて上手よねぇ…と思って見てたけど、ほわほわする雰囲気が嫌味なくて、出演してるシーンずっと心地良かった。他の作品観てるけど今回は印象に残った。
面接帰りの月謝のシーンでニコニコ嬉しそうな凪沙が可愛くて観に行ったようなもん。
何気に演技の上手なサトエリのセレブママっぷりは良かった。「腑抜けども〜」は好きで何度も観てるので。
いちかが広島と東京を行ったり来たりする所や、あっさりネグレクトの母親に戻される所、母親がすんなり凪沙のもとへ行かせる所、術後のケアを怠ったくらいで悪化しすぎな所が観てて謎だった。
膣を作って癒着しないため毎日棒を突っ込んで、ケアがずさんな知り合いのオカマを知っている。メンタルは意味不明だったけど身体はピンピンしている。彼女が駅のホームで「みてみてー」と術後の写真を、嬉しそうに見せてきたときはギョッとした。
身体は弱い設定で金に困ってもあんな事になる?やたらよろよろ歩いてたのは身体が弱いのか、おかまだからなのかどっち?年がいってるからホルモン治療がきついの?
養育費目当てだった凪沙が、いちかのために自分の身体を売ろうと思うまでに至る気持ちも理解不能だった。
ニューハーフたちのキャピキャピしたやりとりを見るのが好きなので、そーゆーシーンは良かった。自分は國村隼人のオカマが好きだけど、田口トモロヲのママも良かった。ニューハーフたちの生きづらさ、葛藤、苦悩をもっともっと残酷でリアルに忠実にやって欲しかった。とってつけたような薄っぺらさを感じた。凪沙の親のしんどさは良く伝わった。
いちかとセレブの子が同時に演技をするシーンは良かった。あー、これ何かあるなと観てたら飛び降りるとは思わなかったのでドキッとした。あーゆーシーンが好きだけど物足りん。レズ描写必要だったか謎。セレブ親だけじゃ死ぬ理由が足りなかったから?
うーん、つまらん…と思いながらも、ラストにいちかが「みてて」と呟いて踊り出し、凪沙との思い出のシーンが蘇ると涙がでてきた。我慢してる訳ではなかったけど、涙がつたうまでにはならんかった。
突っ込みどころはいちいちあって、手抜き?ってくらい残念な所もかなりあったけど、まだ良い方なのかなぁ…。よくわかんない…。
いちか役の子は将来が楽しみ。
評価が凄く高いので観に行きましたが、仰る通り???うーーん?というシーンが何度もありましたね。もっととりかたあったと思います。いい映画ではあるが、チョコレートドーナツには及ばない。