「評価が高すぎると思っていた」ミッドナイトスワン .さんの映画レビュー(感想・評価)
評価が高すぎると思っていた
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見かけるレビューが偏っていたので、その時評価4.2とあったのだがあまり真に受けないようにして観に行きました。ストーリーに演出、素晴らしかった。
りんが一果への電話を切り、最後のダンスを始めた瞬間、軽快に楽しく可愛らしく踊る姿に観ているこちらの心がざわついて、気持ちにメリハリをつけさせられた。彼女が死を選ぶのは悲しいけれどあまりに自然だったので、美しく描いてくれてありがとうとも思った。
一果がバレエを始めて技術も心も変化していく様に無理がなく、それがよかった。
凪沙の、ホルモン注射によるホルモンバランスの崩れ、多量の汗に吐き気に苦しそうなのも、わざわざ言葉で野暮な説明がないのも良かった。時代によってはあれを観ただけでは分からなかったかもしれないけれど、絶妙な説明の少なさ。おそらく作り手の方々もとても迷われたのではと思う。
そして登場する実の親達が皆子供の心を見ていなくて悲しかった。
凪沙の母はショックが大き過ぎた為かもしれないけれど、ああ言われると思っていたから凪沙もずっと話して来なかったのだろうと思う。
悲劇に終わっていたかもしれないそれぞれの人生に、救いがあった。
普段レビューはあまり書かないけれど、思い出されて仕方がなかったので書かせてもらいました。素晴らしい映画を観られて良かったです。
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