「いろんな母と娘の形」ミッドナイトスワン mamecororinさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな母と娘の形
この映画は、トランスジェンダーの苦悩をリアルに描いていると同時に、バレエを通して成長していく少女の物語です。
その一方で、登場するそれぞれの母と娘のいろんな親子の物語でもある。
自分が叶えられなかった夢を娘に託す母と、期待に押しつぶされそうな娘。
思い通りにいかなくて娘に辛くあたる母と、行き場のない気持ちを押し殺している娘。
子供の本当の気持ちをどうしても理解出来ない母と、本当の気持ちをずっと隠してきた子供。
みんな気持ちがすれ違っている…
そして、自分を犠牲にしても娘の夢を叶えてあげたい母と、不器用ながら純粋に身を委ねる娘。
唯一心が通じ合っている母娘、それが凪沙と一果。
草彅剛演じる凪沙と、服部樹咲演じる一果のシーンはアドリブが多かったらしい。
そのためか会話が自然で、ごく普通の親子だった。
二人とも佇まいが凪沙と一果そのもので、目を見るだけで何を思っているのか伝わる。
凪沙が母の顔になっていく様子と、一果が心を開いていく様子の表現が素晴らしい。
二人の演技を超えた演技は必見です。
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