劇場公開日 2020年1月24日

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無垢なる証人のレビュー・感想・評価

全46件中、1~20件目を表示

5.0回避不可避な偏見ミスリード。司法とビジネス両正義の共存共栄。

2025年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

驚く

いやあ、善き映画っす。最近、お風呂に入ろうとすると気持ちが酷く沈む。
今日もまたか。うんざりしてくる。
(´Д`)ハァ…
その原因は「垢」だ。

毎日お風呂に入ってるのに、ゴシゴシ体を洗っても、
翌日になると風呂の水がどんよりと濁り、予想以上に汚れている。
毎日お風呂の水を取り換えれば済む話。ただ、昔はこうじゃなかった。
何しろ、うちのお風呂は現在、私1人しか入らない。
1日の利用者は1人1回だけ。4人家族だったら1日だけで4回。
だったら私は4日で4回入れるじゃないか。
でも、風呂水は汚れている。
足を伸ばせるくらいの風呂なのに、水は垢だらけだ。
老いを感じる。新陳代謝の悪さを痛感する。
私は汚れてしまった。垢まみれの人間なのだ!
((+_+))

法廷モノ作品であり、自閉症の人が法廷に立つ事から、
繊細な社会派ヒューマンドラマの映画とも言えるこの作品。

ある殺人事件の国選弁護側として、殺人→自死による無罪にしようとする主人公弁護士なのだが、
この裁判が物語本筋の中心で、その裁判に絡む形で、証人として登場する自閉症のJKが、もう一人の主人公になる。

この作品は法廷ミステリーとしても面白いのだが、
面白さの濃い原液部分は、そこよりも、「社会派」部分と「人間模様」部分になる。

まず、社会派部分の面白さは、
自閉症やしょう害者などに対する、先入観や差別意識の炙り出し。
この弁護士も、そして観客も、真実の為に公平公正な目で物や人を見ようとする。

自閉症JKを差別する事なく、彼女に寄り添おうと、意識的に見たり接したりしてるつもりなのだが、
自閉症という発達しょう害に対して、無意識のうちに偏見の目を持っている。

その結果、弁護士も我々観客も、とんでもない「ミスリード」をしてしまうのだ。
(゜o゜;
無自覚の偏見。無自覚の差別。
そんなはずじゃなかったのに!!!
そう叫ばずにはいられない炙り方をされてしまう。

自分の心が透かされてしまうような感覚。
心を暴かれてしまうような痛恨の一撃を食らい、
茫然自失する瞬間が作品の中盤移行に訪れるはず。
その「してやられた感」がとんでもなく面白い。

もう一つの人間模様部分というのは、主として3つあるが、
まず、主人公とやや認知症に傾きつつある父親との、父子の親子愛。
主人公が弁護の事でガックリきてる時に、父から誕生日を祝う手紙をもらうシーン。

親からの無償の愛を感じるし、
不条理を生きる息子に対しての励ましの文面に、
観客である自分も励まされた心地になる。まず、ここで泣く。
(TOT)アリガト

次に、JKに「あなたはいい人ですか」と幾度か尋ねられるのだが、
いよいよという時にこの投げかけを思い出し、
自分の「良心」をグワングワンと揺さぶってくるし、
忘れかけていた「良心」の本質を思い出させる。
そして「良心」を貫くには自己犠牲を伴った、裁断を下す必要がある。
感動物語の鉄板級最終奥義は、大体「自己犠牲」だからだ。

そしてもう1つが、ようやく前フリの回収となる「垢」の話。

弁護士事務所の上司から、もっといい仕事をするには「垢をつける」必要がある、
と主人公は指摘される。
つまり、弁護士として垢まみれになって、汚れて初めて、一人前になるのだよと、
主人公の未来を暗示したような心構えを諭される。

そして、実際に主人公は段々と垢まみれな弁護士になっていく。
ここに、私のようなオジサン世代はグッときてしまう。
(;´皿`)

若い頃は、垢まみれの大人になんてなりたくないと、みんな思ってたはずだし、
だって尾崎豊がそう歌っていたじゃないか。

でも、いつしかそんな初心を忘れてしまい、経験を積み、失敗を重ねるにつれ、
垢まみれになっている自分を鏡で見ても、何も思わなくなっていた。
むしろ、垢まみれになる事は、化粧水や乳液の代用品だと思う程になっていた。
なぜなら「金は天下の回り者」ではなく、
「金は汚い輩の懐の中に貯まっているもの」だと、
どこかで気づいてしまうからだ。

確かに私にも覚えがある。私のは、普段から「貧乏人相手に商売しても損するばかり」という考えになっていた。
裏を返せばそれは「金持ちを相手にすると、貧乏人相手よりもコスパよく金が入る」事を意味する。
同じ労力で、入ってくる金額には差がある。だったら楽な方と考えるのは、自然の理だろう。

だが、自然の理であっても、それは社会的存在としての、人間の「良心的」に正しい事かと言われると、自信が無い。

この映画は、良心に何度も何度も問いかけてくる作品なのだ。

資本主義は、お金を稼ぐ事が正義だ。
だが、司法という世界の正義は、資本主義の正義が通用しない領域でもある。
しかし実際には、司法の世界で働く者も、
会社として営利を出すために、組織として維持するためには、
資本主義の論理に一旦組み込まれる必要がある。

これはバランスの問題であり、司法人は司法の正義を追及する人々だが、
司法組織は司法の正義以外の、ビジネス(資本主義)の正義も考慮しなければならない。

司法の正義とビジネスの正義の「共存共栄」が求められる以上、
このバランスを保つためには「良心」が必要になる。
良心が崩れると、このバランスも崩れる。
バランスを崩した人間は、良心に代わって「垢が付着する」事を許容してしまう。

そういう社会派の描くテーマを、人間模様から良心を引きずり出し、
バランスを崩してませんかと問いかけ続ける映画なのだ。

最終的に主人公弁護士が、その良心を取り戻せるのかが見どころであり、
それは弁護士以外の観客にも身に覚えがあるテーマなので、
投影感も没入感もある。

だから面白いのだろう。

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ソビエト蓮舫

4.5腐りかけてた弁護士と自閉症少女の交流。 まずはキム・ヒャンギの圧巻...

2025年4月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

腐りかけてた弁護士と自閉症少女の交流。
まずはキム・ヒャンギの圧巻の演技。「雪道」でもそうだったがこの子すごい。彼女なくして本作の感動はなかった。
ありえないという箇所も散見されるが、それを越える感動ラッシュ。そう、ひとつやふたつじゃないぞ(笑)後半はもう号泣でした。

社会に揉まれて正義の心を失いかけた大人に見てほしい(私もそのひとりでした)。
本作を見て感動できる人はまだ大丈夫です。腐りきった人はもう無理だと思います(笑笑)

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はむひろみ

3.5タイトルいいね

2025年4月11日
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ニョロ

4.0自閉症と裁判

2025年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

驚く

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sironabe

3.5自閉症の少女から何とか証言を引き出そうとする弁護士、おもしろかった...

2025年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

自閉症の少女から何とか証言を引き出そうとする弁護士、おもしろかった。
全体的に良い話なので悪い評価にはならない。
ただ、被告人はなぜ殺人を犯したのだろう。
あの状況なら自分が真っ先に疑われるのは確実なのに。
ウソ発見器の話が出た時に全く動揺しなかったのは大したものだ。
また弁護士が自分の依頼者に不利になるように裁判を持っていくのもあり得ない。

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省二

5.0寄り添うって難しい・・・

2025年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

曇天返しがあるやろと思いながら観ていたらやっぱりだった。
そこまでの経過がよく出来ていた物語で、最初はスノは自閉症のジウに寄り添っていたつもりだったけれどどこか壁を作っていた。
一生懸命理解しようとしていたが自分のためだったと法廷で告白している。
最後の法廷は心に残る素晴らしさで涙無しでは観れなかった。やっと、スノがジウを理解できたんだなと。
ジウ役のキム・ヒャンギの演技は自然に見えたしすごく勉強したんだろうなと思う。
ジウの誕生日会での帰る間際にジウがスノに歩み寄ってきて抱きついたシーンでまた、ウルウルだった。
ヨム・ヘランさんの存在感も半端なかったし、スノの父親役のパク・クニョンさんもうまかった。
コッチに出ていたときから自然と年を取ったようでした。

ところで、ラストシーンでスインが帰ってきたときに「食事に行こうか?!」と声かけ二人で行ってしまったけれど、スインには娘がおったんちゃうのん?ほったらかし?スノさん、スインの娘さんにも寄りそわなあかんかったんちゃうの?
一応、満点付けましたけれど・・・

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♪エルトン シン

4.0良心に立ち返る…

2024年1月14日
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鑑賞方法:VOD
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KEI

3.5弁護士の仕事

2023年8月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

弁護士は無実の人を助けるいい人という定義を貫いた作品?
お金の為なら犯人を無罪にもする職業?
たくさんの人を殺しても、精神鑑定で無罪にする。ほとんどの国民が極刑を望む犯人に国選ではない弁護士がつき極刑を回避しようとする。
後半の裁判でのやり方は荒っぽいが本当に悪い人、罰を受けるべき人を明らかにしてくれた。
映画の中だけでなく現実もこうであってくれる世の中であって欲しいと感じた。

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りか

4.0正しさの先にある人間観や幸福観

2023年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

長い間、信念を貫いてきたものの、現実と妥協して俗物になることを決めた民主弁護士会出身の弁護士スノ。自身の出世がかかった殺人事件の弁護士に指名されると容疑者の無罪を立証するため、唯一の目撃者である自閉症の少女ジウを証人として立たせようとする。自身だけの世界に入り込み、意思疎通が難しいジウ。スノは事件当日に目撃したことを聞くためにジウのもとを訪れるが、まともにあいさつもできない。だが、あの日のことを聞き出すためにジウと心を通わせていく努力をするスノ。少しずつジウへの理解を示していくが、2人は法廷で弁護士と証人として向き合うことになり…(公式サイトより)。

韓国発の大ヒットドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」と同じ脚本家の作品。わたし個人は自閉症をはじめとする「ギフト」を持つ人たちに、「一般社会の中で天才と位置付けられる特異的な才覚がある」という描き方はあまり好きではないが、そこを差し引いても、他者理解という点でとても楽しめた。

印象的だったのが、スノ弁護士が重要な会食を終え帰宅するシーン。病気の進む父がまだ起きていたので、出世できるという報告をしたところ、父は恐らく息子の状況を理解していないものの、「お前が幸せなら充分だ」と微笑みをたたえ、浮かれていたスノの笑顔が少し固まる。

裁判では検察と弁護人がそれぞれの正しさを主張し、判事や陪審員がどちらが正しいか判断する。法務ビジネスでは儲かることが正しくて、社会性の高いが、勝つ見込みのない裁判は非合理的で、どこかで落としどころを見つけるべきだ。だがしかし本作では、正しいことそれ自体が目的となる法曹を舞台に、スノ弁護士の父がポロリをこぼしたように、あるいは、ジウが尊厳を踏みにじられながらも勇気ある決断をしたように、正しさの先にある人間観や幸福観をしっかりと描く。

スノ弁護士を、「監視者」「アシュラ」など、イケメンだけど絶妙に情けない役どころでお馴染みのチョン・ウソン、自閉症を持つジウをキム・ヒャンギがそれぞれ好演している。

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えすけん

5.0一言「やられたわあ!」。

2023年6月19日
PCから投稿

「自閉スペクトラム症の少女が、殺人事件の目撃証言を」
できるのかどうか。
というのが、話の軸。

ですが、主人公・弁護士の老親の話やら、移転先事務所の金満ぶり。
いろんな要素が出てきて、「これどれが本筋?」と思いながら。
主人公も、悪い人には見えないけどどうよ?。
少女は検察側の証人、なぜ弁護士が少女に寄り添う?。

とぼーっとしていた終盤の、裁判シーン。
「そーこーかー!!」の、伏線大回収。
あれあれ、そうだよね(もう書きたくない、勿体無い)。
脱帽。

2時間ちょっと、見かけたらぜひ。今年見たベスト10入り確実。
きっとどこかで、リメイクされそう。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「あなたはいい人ですか?」

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ゆき@おうちの中の人

3.5王道ストーリーに良キャスティング

2023年2月27日
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鑑賞方法:VOD

既視感のあるストーリー展開ですが、飽きさせる事なく最後まで見せてくれた名優達ありがとう映画でした。

見なくても良かったかなというのが正直なコメントですが笑、ちゃんと時間分は楽しめたと思います。

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donothing

4.5ヒューマンドラマ&法廷サスペンス

2022年10月24日
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鑑賞方法:VOD

ヒューマンドラマとしても、伏線の効いた法廷サスペンスとしても見応えありました。
自閉症役のキム・ヒァンギの演技、素晴らしかったです。

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光陽

3.5良作ですが一部残念

2022年10月1日
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Misty

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2022年8月9日
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マサシ

4.0面白かった。が、

2022年5月28日
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邦題が本当に悲しい。ただの「証人」になぜできなかったのか。まるで自閉症の子は「無垢」でないといけないとでも言うような、この何も想像力もないタイトルに非常に残念な気持ちになった。映画はとてもよかった。

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カンガルー

3.5チョン・ウソン眺めているだけで…良い。

2022年4月21日
PCから投稿

殺人事件の弁護をしていた主人公が証言してもらうために自閉症の少女と仲良くなるうちに意外な事実が判明する裁判もの。

あいかわらずチョン・ウソンかっこいい。悪役もしびれるほどカッコイイけど良い人役も…良いね!物語はそこまで跳ねないけど皆芸達者で、安定の韓国印。

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クラゲ男爵

4.0キム・ヒャンギの圧倒的表現力

2022年4月9日
PCから投稿

「自閉症だと世界がこう見える」というシーンが印象的。
本当にそうなのかどうか、私には確かめるすべがないけれど、あんなふうにいろんな物事がランダムに目に飛び込んできたら、パニックになる。
自閉症の人は、確かに感情を読み取りづらいのかもしれないけど、それは、感情がまったくわからないわけでも、自分に感情がないわけでもない。
認知と表現の仕方が、他の人たちとは違うだけ。
ジウは、本当に素敵な子だと思う。

チョン・ウソンは、『私の頭の中の消しゴム』以来だったかもしれない。
相変わらずかっこいい。
スノにも素敵な未来がありますように

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UNEmi

3.5心を通わせるということ。

2022年2月6日
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静かで優しいドラマ仕立て。

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miharyi

4.0あなたは良い人ですか

2022年1月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

なんのために生きているか
自分だけの力では弱い人の力になりたい
まずは、自分の身の回りの人を大切に。

心から思いました

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昔から映画好き

5.0人はそれぞれ

2021年10月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

私たちが人を観るとき自分の価値観でいろんなことを判断し評価してしまいがちです。この映画はそれがいかに危険なことなのか教えてくれる、そして感動させてくれるものでした。。

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リンム
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