ライトハウスのレビュー・感想・評価
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全部がトゥーマッチ
Twitterで話題になってはいたのだけど、そしてロバート・エガース監督前作『ウィッチ』は好きだったのだけど、まったく乗れず。
エンドロールにハーマンメルヴィルの書物からアイデアをとったとあるが、わかるわかる、民話世界の次はそっち。期待もする。そしてデフォーのメイクや芝居。一瞬オーソンウェルズ風でもある。
けれど僻地、孤島、灯台ふたりきり、の悪夢はなんだか想像力を欠くもので、序盤からついていけない。アイデアは悪くないんだけどな、こういうものは観客の想像の先をいってくれないと面白くない。スタンダードだったから何度も悪夢の迷宮に迷い込む鈴木清順の大正ロマン三部作を思い出してしまい、内田百閒や泉鏡花の超一流映画化作品を見てきたすれっからしとしては、甘いな、としか思えない。芝居も過剰で音も音楽も過剰。全部がトゥーマッチ。
カモメは溺死した水夫の魂
1890年代ニューイングランドの沖合いの小さな離島に灯台守として4週間の勤務でやって来た2人の男に起こる話。
1801年ウェールズで起きたスモールズ灯台の悲劇をベースにした話となっているらしいけど、着想を得て1から書かれたフィクションですね。
上映時間109分、前半は少々の不穏な様子もあるけれど、年配でベテランの横柄な男に、若く初勤務の男が苛立ちを募らせたり、淡々と仕事をしたりと面白味があまりない感じでちょっとダルい。
折り返して帰還前日辺りからグルグルグルグルと色んな出来事が展開し、何が現実で何が幻視か、今みているものは誰がみているものか、これは現実かとなって行き、なかなか面白かったんだけど…唐突なオチで、スッキリもしなければ不快さが残る訳でもなく、まあ、こんなものですかねという感じだった。
内容的にも、時代設定の古さやモノクロというつくり的にも、半世紀以上前の映画のリマスターと言われたらそうみえるかも。
但し、人魚は除く(゚Д゚)
かなり苦手
この映画はミーハー、分かりやすいのが好きな方には向かない。
映像がモノクロ、夜の海が設定で終始画面が暗く見づらい。
出演者も3人だけ。
最初、話を呑み込むのに時間がかかった。
なんだかナチス時代の映画みたいだった。
見方によってはお洒落映画。
日比谷シャンテの館内はほぼ満席だったが、、、
自分みたいなのは観ちゃダメだな。
内容の無いただの思わせぶりな映画
午前十時の映画祭で「2001年宇宙の旅」を鑑賞した後で観た。傑作映画の後では、あらばかりが目立つ。主演俳優の二人は良く演っていると思う。神話やメルビルやシェイクスピアを連想させるセリフを言わしているが、ただ単にアルコールの飲みすぎで、幻覚や妄想が発生しているだけだ。過去に問題に原因がありそうと思わせているが、あれだけ飲酒すればアルコール中毒にならないほうがおかしい。最後に鳥に身体をついばまれる場面が現れて、ブロメテウスを連想させるが、私にはまやかしにしか思えない。主演俳優の健闘に3点献上。もし、カラーで撮っていたら、残虐さが強調され過ぎて、白黒にしたのではないかと思う。
私は面白く拝見しました。
本作の主役は神様である。
神は悪人を地獄に引き摺り込む為に壮大な演出(欲望の排除)を施します。
海、鴎、蛸、人魚、老灯台守等は神の意志のもと動く演者で、悪人である若者を地獄に引き摺り込んでいきます。その様は息を呑むような感じで個人的には興奮を禁じ得ません。
エンドロールに流れる軽快な歌声は神がほくそ笑んで口ずさんでいるような気がして、なんとも小洒落た作品でした。
A24だからといって全て面白いわけではない。
灯室には一体何があるか?の1点だけで延々と不快、不潔、不衛生で気分が悪くなる映像を見せ引っ張っただけの映画。
結果何もなく、ただ閉鎖された状況下で2人の男の精神が病んで行く様を見せられただけ。
その様子を丁寧に描いたと言えばそうかもしれないが、途中のイベントも一切なく間延び感は否めず、短編で十分だったのではないかと思う。
午前中に観たが、気持ちが悪くなったので昼食を取る事が出来なかった。
映画の評価とは関係ないが、シャンテでの鑑賞だったが、この時分平気で満席にしソーシャルディスタンス意識ゼロだったことについては残念に思う。
雰囲気や演出はいいが単なるおっさんのケンカ
モノクロ演出や雰囲気はいいが、ストーリーはいい年したおっさんが延々とくだらないケンカに終始しているだけ。会社で見せられるような光景を映画で見せられても困るし、ダイアログもアメリカ映画特有のもので字幕を読んでて疲れた。
【絶海孤島の灯台守二人に起こった出来事。不穏感極まりない、狂気漂う世界観に引き込まれる作品。神の怒りに触れた、二人の灯台守の姿を描いた、極北のモノクローム映画でもある。】
- 古来、長き孤独感故に、灯台守は精神を病む者が多かった・・。
テロップで流れるが、19世紀初頭に南ウエールズで実際に起こった事件に触発され、制作された作品。-
◼️感想
・老人の灯台守(ウィレム・デフォー)と、若き灯台守(ロバート・パティンソン)の関係性の描き方、及び二人の狂気溢れる演技が、凄い。
老人は、若き灯台守を、激しく叱りつけたり、酒を呑んだくれてグダグダになったり・・。
ー ウィリム・デフォーの”凄さ全開シーン”が、数々描かれる・・。ー
・徐々に狂気に囚われていく、二人の灯台守のカッと見開いた、黒目と白目の凄さをモノクロームフィルムが、映し出す。
・劇中、流れ続ける、内燃機関や、猛る海の叫びのような不穏な音が、作品の世界観を盛り上げる。
・人魚との夢想の中での行い・・。殺してはいけない海鳥を殺める・・。
ー 次々に禁忌を犯す、若き灯台守の姿。ー
・その報いのように、露になる二人の真実の過去・・。
そして、二人の関係性にも、変化が生じ・・。
<老人の灯台守が魅入られていた、灯台の灯り・・・。
そして、若き灯台守は灯台の灯りの中に、何を観たのか?
独特な世界観と共に、モノクロ映画の魅力も十二分な作品である。>
シェークスピア戯曲を観ているような作品であった。
音響が画面を常に緊張感を持たせるホラーのような仕立てで、
見始めは、白鯨を彷彿させた。
ダブル主役の二人が激しくの演技、変わり身を繰り返して素晴らしく見応えがあり、
妖精🧝♀️擬きがいよいよ出現すると正にシェークスピアではないか。
しかし、
セリフには何の意味もなく、
自分を大きく偉大に見せているだけで、
何の蘊蓄も人生訓もなく上滑っていくのが情けない。
明らかに鑑賞者を怖がらせている。
これはホラーだなぁ
ちょっと期待しすぎちゃった、、、
A24の新作とのことで期待してたけど、想像以上にグロいしなかなか激しかったですね。わたしには難しく、好みではなかった。
好き嫌いが大きく分かれそうな作品かと。
ギリシャ神話を元に、当時の人の日記などを見て着想を得たとのことだけど、(エンドロールに書いてたのをうろ覚えだから間違ってるかも)確かに世間から隔離され、遠く離れた海の上で生活していると、聞こえてくるのは波の音、風、海鳥の鳴き声…そして生活を共にするのが不気味で狂気に満ちたおじいちゃん。
海のファンタジーの住人、人魚までもリアルに感じちゃいそうだもんね。誰だって頭おかしくなっちゃうかも。
モノクロなのが逆に良く、グロテスクで容赦ない感じを中和させていてそこは良かった。
【募集】灯台守の助手
孤島の灯台守の助手というのはあまり馴染みがない仕事だと思いますが日本で言うところのブラック底辺職だと思って頂ければわかりやすいかもしれません。
そこでデリカシーのかけらもない老齢の灯台守と泊まり込みの交換勤務になります。
職場も劣悪環境なので潔癖症の方には向いてません。しつこいパワハラにも耐えなくてはいけません。
異常な職場環境なので悪夢や幻覚を見ることがありますが気にせずに。
毎日酒浸りにならないとやってられない仕事ですがいつか良いことがあると思って頑張ってください。
※なお映画の画面の幅は狭くモノクロなので最初は抵抗あるかもしれないですが孤島の灯台の閉塞感からなのか不思議と慣れてきます。
孤島に男2人 距離感と猜疑心
無人島の灯台に助手としてやってきた男。島には、上司となる灯台守しかいない。登場人物が2人しかいないシチュエーションホラーの結末は、そう選択肢がないと思う。想像の域を超える何かが欲しかったが、余韻を残したまま終幕。
モノクロ35ミリフィルムで撮影しただけあって、序盤から不穏な雰囲気を醸し出している。
ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーの演技は見事で、孤島に残された2人の距離感が近づいていきながらも、猜疑心は増大していくという心理状態が手にとるようにわかる。
海鳥とかセイレーンとか、何かを暗示するような演出がありながらも、それが何を意味するのかは、観客任せにされてしまった。もう少し、謎解きありのどんでん返しがあれば満足だったんだけどな。
いつまで経っても日本に来る兆しなく輸入盤購入した去年のレビュー転載
《光》に魅せられて --- 信頼できない語り手ロバート・パティンソン × ベテラン灯台守ウィレム・デフォー = 演技派二人の狂気じみていく迫真の演技は必見!ロバート・エガースは例えばアリ・アスターのように神話や歴史などに精通しているのだと感じる。本作で彼は前作『ウィッチ』の路線を突き詰めながら、更に役者を過酷な状況に追い込む。そして(そんなジャンルがあるのか分からないが)神経衰弱に参っていく心理ホラーとしての"灯台守"モノ(密室・孤島)を見事に舌を巻く深さで更新してみせる。示唆的で鷲掴みにされるし、ダークに神々しく真から怖い。モノクロの35mmフィルムによるスタンダードサイズより更に正方形に近いような画角。このべらぼうに素晴らしい撮影が、あらゆるメタファーや昔のサイレント映画のような画作りと奥行きを与える。例えば陰影、人の影を用いた力関係などの表し方がいい。灯台の螺旋状になった階段も昔のホラーやサスペンスを想起させる。メタファーとしては本作にはナイフや瓶といった男性器を彷彿とさせるものがたくさん見られるが、そうした点もあり、主人公二人の同性愛的な部分が考えられる。そう見ると二人の主従関係、マウントの取り合いも性行為の代替のように意味合いが変わってくる。終盤の犬にするのなんて露骨に変態的。終盤圧巻。いや、ヤバ過ぎるだろ。
P.S.今までも『ナイトクローラー』や『ナイスガイズ』など1年くらいは待ってきたんだけど
【絶海の孤島という密室】
この映画を観ている最中に、予感でもあったのか、骨折箇所の金属を取り除く手術で入院中の僕の友人から、隣のベッドのおっさんが、ずっと屁💨をこくとLINEが来た😁
更に、臭い👃と文句を言っている😁
この作品を観た人だけが分かる話😁
彼は、新型コロナのせいで、その病院の個室は、新型コロナ感染症患者に割り当てられて、2日前に個室を取り上げられたばかりなのだ。
かわいそうに😁
この作品、いくつかの媒体が、スリラーだとか、サスペンスだとか、なかにはホラーだと書いてあるのがあったけれど、実は、そんな先入観なしで観る方が良いような気がする。
絶海の孤島という密室に閉じ込められた男2人がどうなっていくのか。
どう精神がやられていくのか。
パティンソンもデフォーも、これまで演じたものとは異質な役柄で、更に、それを、ひどく異質にやり切ってる感じがする。
それも見どころだ。
元ネタになったのは、19世紀初頭の出来事で、事故で亡くなった同僚の柩が壊れたため、迎えが来るまでの数ヶ月、灯台の中に引き入れた腐敗してく遺体と暮らし、精神に異常をきたした灯台守の話のようだ。
この事件の後、灯台守は3人体制とされたらしいが、3人でも、その後、事件はあったらしい。
やはり、絶海の孤島という密室にいると、普段は見えないものが見えるようになるのか。正直怖い。
まあ、この実話の方は、ホラー感が強いように思うけど、この作品は、それとは随分異なる出来上がりなので、自分だったら、どうなるかなんて想像しながら観るのも良いと思います。
あの汽笛のような音にやられながらご覧になった人達、お疲れ様でした。
A24らしい作品
ジャパンプレミアム先行上映としてホワイトシネクイントにて鑑賞。上映後にはR.エガース監督のオンラインQ&Aもあり楽しい時間であった。
W.デフォー演じるトーマスは灯台の看守。R.パティンソン演じるイーフレイムは元々木こりだったがこの度トーマスの見習いとして初めて孤島で1ヶ月間過ごす事となる。
トーマスの存在は冒頭から汚らしくそして意地悪で不快な存在として描かれている。
イーフレイムももちろん同様に不快に感じ彼らの間柄も決して良好ではない。しかしこの孤島には2人しかいない為この2人の距離感や関係を非常に不快にそして時には不気味漂う緊張感の下終始描かれた作品である。
ストーリー展開としてはギリシャ神話に詳しいとなにやら更に楽しめる作品だという事。詳しくなくてもギリシャ神話をどこかベースにしてる事は分かるが、そこまで詳しくない自分自身にとっては所々ポカンとしてしまうシーンがあったのは否めず。
もちろんこの辺り丁寧な描写もない為置いてかれてしまうととことん離されそうである。
この辺り含めA24らしい作品であった。
監督のQ&Aでは撮影の裏話としてパティンソンが役に入る前に指を喉奥に突っ込んで吐くような行動をしてから役作りをするルーティンがある話や、この作品で一番苦労したシーンはパティンソンが人魚を見つけるシーンである事を語られていた。これから見る方には是非とも注目してほしい。
また監督自身もこの作品は一度では全てを理解が…と語られていた。この言葉を信じてもう一度行こうと思う。何か新しい発見ができると嬉しい。ちなみに監督は二度目は片目のアヒルのシーンが一度目と二度目で見方捉え方が変わったと語られていた。
灯台の光
モノクロ映画ながら、灯台の光の美しさに惹かれる映画だ。
文明や社会から孤立してしまった不毛の島で、泥に塗れて灯台守をする様は、言い方は悪いが、電灯に吸い寄せられて飛び交う羽虫のようだと思った。
隔絶された世界で、動くのは崖の下の海の波形だけで、聞こえる声はないはずで、働く理由は与えられず、灯台はただ美しい。
遠目には美しかった光は、近づくと目を焼くほどの強烈な光だったことを知る。光に近づき過ぎればどうなるか。
狂っていくのが良くわかる。
デフォーとパティンソンの掛け合いにも注目。
不吉と不協和音と不快と不気味
まず冒頭から、音響がもう不吉さを煽る。やたらと鳴り響く霧笛の音やらカモメの鳴き声やら灯台の機械音やら、不協和音のオンパレード。その音に呼応するかのように、二人の灯台守もおかしな事になっていく。
ウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの、実質二人だけの対話劇だが、観る前はキレキレ演技に定評あるデフォーの独壇場になるかと思いきや…というあたりがポイント。正直パティンソンがこんな良い役者だとは思わなかった。
ストレスとイライラが交差して対立したかと思えば、酒を交わせば“やおい”の一歩手前までいくこの二人の関係も、これまた不気味。
レイティングが「R15+」な理由も観て納得。エグくて不快な描写もあるが、モノクロ映像がセーブしてくれている面も。
ギリシャ神話が話の骨格にあるので、分からない人にはホントに分からないのが辛いかもだが、その分鑑賞後に語りがいのある映画。
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