「人の心」ライトハウス eigaeigaさんの映画レビュー(感想・評価)
人の心
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「すごい話やなあ」が、率直な感想だ。
灯台の機械の音が冒頭からの不吉で不穏な雰囲気を盛り上げる。気の合わない二人、いかにも悪酔いしそうな安そうな酒、不味そうな料理。人を恐れない不吉な海鳥は、ヒッチコックの「鳥」を思い出させる。
「灯室はおれのものだ」という台詞が呪詛のようだった。最後の場面で、生きながら海鳥に腹を食われているのに、恍惚の表情を浮かべていたのも、忘れられない。この映画がカラーだったら、正視できなかっただろう。
人は、狭いところに閉じ込められると、気が狂うのだろうか。確か、東野圭吾の作品にも、変な気持ちになる灯台守の話があった。
実話から着想を得て作られた作品らしいが、海の安全を守るための仕事に就く人が、自分の心と体を犠牲にしていたとしたら、残酷すぎる。
灯台も海鳥も、明るく可愛らしいイメージで、イラストにもよく描かれるのに、すっかり印象が変わってしまった。見てよかったのか…💧⁉︎
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