花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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観る人の好みがモロに出るデートムービーには不向きな恋愛映画の秀作
好きな映画や小説の方向性がほぼ同じな2人は、若干マニアックな分、誰とでもこの感覚を共有できるわけじゃない。だからこそ、同時に終電を逃がしたり、信号が押しボタン式だったりと言うような嬉しい偶然に助けられた2人の距離感は、一気に縮まっていく。それを微妙な台詞の間や絶妙なタイミングで挿入される双方のモノローグを駆使しつつ描く恋のプロセスは、ちょっと恥ずかしい表現ながら、思い当たる"あるある"が随所に詰まっていて思わず引き込まれる。恋愛ドラマによくある熱情の吐露や劇的な展開は皆無だが、丹念に救いとられた薄い和紙を一枚一枚重ねていくような演出と脚本と、演じる俳優たちの魅力で普遍性を手に入れているのだ。恋の始まりは幸福と希望に満ち溢れ、反対にその終わりは、沈没して行く船を手繰り寄せるような虚しさに満ちている。確かに評価は分かれるだろう。これを凡庸で説明過多な恋愛映画と感じる人は退屈極まりないだろうが、筆者のように、画面に引き込まれたまま時間を忘れて物語に没頭できる人もいる。その証拠に、本作を試写室で観た時、左隣の中年男性は頻繁に腰や脚を動かして拒絶反応を見せ、右隣の若者は最後のファミレスのシーン(ここがちょっと長すぎるのが唯一の難点)で涙を拭っていた。そんな風に、これは観る人の好みがモロに態度に出る映画だから、もしかして、コロナ禍のデートムービーには不向きかも知れないので、御用心を。
若い2人の未熟な恋愛により、その時にしか存在しない究極の美を見せつけられた
土井裕泰監督による2021年製作(124分/G)日本映画
配給:東京テアトル、リトルモア、劇場公開日:2021年1月29日
脚本の坂本裕二さん色をとても強く感じた。「怪物」の一つ前の映画脚本。このヒト、やはり凄い。
高校生や大学生の頃、確かにこんな趣味の合うヒトとの恋愛を、夢見てた覚えはある。現実には、カスリもしなかったわけだが。
「花束みたいな」の趣意が良く分からなかったが、日本的美意識の研ぎ澄まされたもの、即ち、やがて壊れることを前提とする儚く、今がピークの究極の美しさをもつ恋と理解。
中高大学生の頃はめちゃ純文学にハマっていたが、主人公山音麦(菅田将暉)同様、今や全く読まなくなっている。映画に登場する今村 夏子、滝口 悠生、穂村 弘、長嶋 有、いしい しんじ、堀江 敏幸、柴崎 友香、小山田 浩子、多和田 葉子、舞城 王太郎、恥ずかしながら誰一人知らないでいた。知識アップに繋がりそうな実用的な書籍は、山ほど読んでいるのに。映画の言葉では無いが、自分の純文学的感性は退化してしまったのだろうか?それともそれを楽しむ余裕が無くなってるということか?
ただ本物の押井守を見て興奮する麦と八谷絹(有村架純)の感性には、全く同意できるところ。
あれだけ盛り上がってたのに、二人の思いが少しずつだが確実にずれていく様の脚本描写は、お見事。2人の未熟さを、暖かい眼差しながら容赦なく暴いてもいる。そもそも大人の恋とは異なり、互いを十分に理解していないことも炙りだされる。そしてこれを、醸し出す2人の雰囲気も含めて、見事に表現した菅田と有村も、素晴らしい力量の俳優と感動。ラスト映像もあって、年とったおじさんは、甘美なほろ苦さを覚えた。
監督土井裕泰、脚本坂元裕二、企画孫家邦 菊地美世志 那須田淳、プロデューサー有賀高俊 土井智生、撮影鎌苅洋一、照明秋山恵二郎、録音加藤大和、美術杉本亮、装飾茂木豊、衣装
立花文乃、ヘアメイク豊川京子、撮影効果実原康之、編集穗垣順之助、音楽大友良英、インスパイアソングAwesome City Club、VFXプロデューサー赤羽智史、スクリプター加山くみ子、イラストレーション朝野ペコ、助監督石井純、製作担当宮下直也。
出演
山音麦菅田将暉、八谷絹有村架純、羽田凜清原果耶、水埜亘細田佳央太、韓英恵、中崎敏、
小久保寿人、瀧内公美、森優作、古川琴音、篠原悠伸、八木アリサ、押井守(本人役)押井守、Awesome City ClubPORIN、Awesome City Clubatagi、Awesome City Clubモリシー
佐藤寛太、岡部たかし、加持航平オダギリジョー、八谷早智子戸田恵子、八谷芳明岩松了、
山音広太郎小林薫。
普通の恋愛を普通に観た
会社の女子社員が『花束みたいな恋をした』を観て感想をお願いします
結構評判が良かったのですが『私には刺さらなかったんですよね』との事からアマプラで
山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)のラブストーリー
同じ趣味&同じ嗜好=当然の様に惹かれます
仲良しの時は本当に幸せそのもので絹が本当に可愛かった
就職活動し始めから↓すれ違いの時間&生活↓
別れの場面が切なかったW
高校大学と何度も振られて経験のある私には辛かった(笑)
私的には良くある恋愛映画であまり刺さりませんでした
が有村架純は可愛かった♡
価値観の違いをどう埋めるか
カップルでも夫婦でも、すれ違いって絶対あって、就職や社会に出ることで価値観って変わっていきますよね。そのときに、お互いの違いをどう尊重していけるかっていう課題を投げかける映画だと思いました。
テンポはよくて、観やすかったと思います。いい映画でした。
何者の2人に惹かれて
王道恋愛映画はたまにしか観ないのですが、作品の評価が高くて気になっていたのと、何者での2人の雰囲気が微笑ましくて鑑賞しました。
趣味嗜好や考え方が似てる(同じ?)2人が偶然出会うお話。
出てくる作品一つ一つが、うんうんわかる!と一緒に頷けるくらい身近な親近感のあるもので自分も一緒に話したいと思える2人。
長い月日をかけて一緒にいるのが当たり前になってくると、些細な幸せだった事でもおざなりになったり忘れてしまったりするんですよね。
2人が共通点を見つける度に顔を綻ばせて可愛い毎日を送っていたのに、少しずつすれ違ってしまって、私まで辛くなりました。
喧嘩のシーンが自分達の様に妙にリアルで、2人の演技の上手さに感心しました。
女ですが終始、有村架純ちゃんの可愛さに癒されます。
切ないかな
麦くんは何も悪いことなくて、もちろん絹ちゃんも悪くなんかなくて、二人とも悪くないのにそれでも壊れていく
ある意味救いがない話でもある。
誰もが最初、「私もこんな運命の相手に逢いたい!」と思ったハズだ。そんな二人ですらすれ違っていく…じゃあもう誰とならずっと上手くいくんだ!?って話。でも、世の中には価値観が全然違っててもずーっと変わらずにいられる二人もいて、こればっかりはもう分かんない。
でも、やっぱり運命の誰かとめぐり逢いたいと思うよね、でも、きっと何の努力もなしに上手くいくなんてきっとない。運命だ!と思った相手であってもたゆまぬ努力が必要なんだろうな。
絹が可愛い
麦(菅田将暉)と絹(有村架純)の二人に焦点を絞って、奇跡の出会いから、同棲して、クライマックスはプロポーズして、ラストはその一年後を少し見せて明るくエンディング、というそれだけのことで、事件が起こることも災害にあうこともなく、会話や表情で心を見せる作品でした。
麦と絹の交互のナレーションが面白くて、特に絹の言葉の使い方が魅力的で、絹を泣かせた麦の未熟さに失望したりしながら、最後までしっかり観てしまいました。
二人の結末に納得です。男女の関係は、男の言動次第だと思います。麦は、絹が望むようなロマンチックなプロポーズが出来なかったし、つがいになる子どもも出来ませんでした。子どもは敢えて作らないように避妊していたかどうかは知りませんが、いずれにしても麦の、絹の扱いは酷いと思いました。
クライマックスのファミレスでのプロポーズのシーンは、菅田将暉さんと有村架純さんの演技が上手くて、つい もらい泣きしてしまいました。
観終わって考えてみると、伏線回収をしっかりしていたなぁと よくできた脚本に感心します。
排泄シーンはありません。生活の描写が奇麗過ぎるきらいもありますが、二人の婚前交渉のシーンを爽やかに描写し、麦の失敗から学びもあり、後味の良い終わり方に好感が持てます。
はじまりは 終わりの はじまり
大学生の麦( 菅田将暉さん )と絹( 有村架純さん )は、或る夜、東京の街で出逢い、恋に落ちる。
何処かに居そうな青年を演じるのが巧い菅田将暉さんがハマり役の本作。相手役の有村架純さんもまた、何処かに居そうな役を演じるのが巧い。
菅田将暉さんも、有村架純さんも、フツーには居ないんだけど、居そうだと感じさせる、そんな魅力あるお二人による、若者達の眩しくも切ない恋愛を描いた作品。
2人で交わす少し文学的な言い回しが効果的で、時の経過とともに関係性が変わっていく2人の姿が、とてもリアルでした。
ー 楽しかったね
TBSを録画にて鑑賞
目指せ造花!?
似た者同士は近すぎる。煮たものどうしは同日中に食べないで別日に分けて食べた方が飽きないで良い。
恋愛は永遠に続かない⋯⋯。
若い二人にはハードルが高すぎる?
そんな事はない。ちょっと近すぎた。共感しすぎると正しい距離感が保てないし狂うと補正出来なくなってしまう。
キャッチボールは近いと手が痛い。離れすぎると届かない。コントロールが悪かったり優しいボールばかり投げ合っても楽しくない。
上手く投げるよりも捕り方を工夫する方が楽しいし満足出来る。
花は咲いているから楽しいのかな?
滅多に咲かない花だってあるし畑の土作りや種選びする準備期間も楽しいよ。
作品の中でたらればポイントがたくさん散りばめられていたけど同棲しなかったら良かったのにと思った。
あんまり相性がピッタリ過ぎると余裕が入り込む隙間もなくなっちゃうから良くないね。
別れという隙間が出来て丁度よい距離感に戻ったのがホッとしたなぁ。
ロス・インディオスが脳内再生されたのはじじいならではです。
儚い恋愛映画
出会ったときに価値観が合うと思っても、環境の変化やふたりの将来を見据えたりすると価値観はずれていってしまうこともある。
変わらず趣味に没頭している彼女と、仕事に忙殺され趣味に身が入らなくなる彼氏。
人と何年も一緒にいるということはそれほど困難なことなのかと思わされる話。
菅田将暉と有村架純の気持ちのすれ違いの喧嘩が自然でよかった。
出会ったころと、仕事で趣味も興味を示さなくなった菅田将暉の変化がすごい
破局に向かっていく様子は、楽しかったふたりを思い返すと切なくなった。
二人の演技が良かったです
息子から、面白いよと聞いたので
テレビで観ました。結末は有名だったので
知ってはいたのですが
5年の歳月、なにからなにまで共感できていた
相性抜群の2人が最終的には別れを選ぶ。
きっと、これ以上の相手は現れないと
その後何年も思い出す相手になるんじゃないのかな。恋愛は複雑ですね。お二人の演技が自然でとても良かったです。
感動のラスト!じゃなかった
有村架純演じる絹ちゃんと、菅田将暉演じる麦くんの恋物語。
燃えるような恋をしてラブラブな時期を過ごし、だんだんすれ違ってきて別れて、運命的な再会をしてまた付き合ったり結婚したりする王道のパターンかと思って鑑賞したが違った。
まさかの別れて終了だった。再会したがお互い新しい恋人がおり、振り返ることもなかった。
感動のラストはなかった。
現代版東京ラブストーリー?
恋はドライフラワー?
坂元裕二のドラマは大好きだけれど、映画ではきっとうまく機能しないだろうと思いずっとウォッチリストに入ったままだったのを消化するべく鑑賞。
やっぱりダメだった。
本棚に置いてある本がほぼ一緒になるくらい趣味の合う男女の大学生が、どこにでもあるような出会い方をして付き合い、同棲し、別れるだけのお話。
分かる〜と共感する部分もたくさんあるけれど、そこから深い感慨に至るような坂元裕二らしいセリフや演出もなく、特別輝いたカップル生活を送るでもなく、それぞれが選んだ結末から新しい示唆がある訳でもなく、ただただ終わった。
冒頭のイヤフォン問題から最後のファミレスで始まる恋の萌芽まで、反復させることで対照的にみせて際立たせる演出は好きだけれど、それもテクニックに過ぎなくて物語の本質的な部分で新鮮さが足りない。
映画や小説などの作品名を具体的に出すことで2人のキャラクターイメージは伝わりやすいけれど、それは会話や感情表現で演出すれば良いし、それらの作品をしらない人には全く伝わらない。
同じようなサブカルをモチーフにした映画で「モテキ」や「明け方の若者たち」があるけれど、使われ方としてはそっちの方が効果的だった。
そもそも趣味嗜好が一致するだけの恋は続かない。
そのへんを描くのかなとおもったらそうでもなかった。
最大の違和感は、ラストで絹が麦との思い出を思い出しながらハヤシライスを食べていたけれど、新しい恋人と付き合っている時に別れた昔の男を思い出すことはない。というかもう上書きされて忘れている。
このあたり、完全に昔の男目線で愕然としてしまう。
ありきたりなカップルの4年間を過ごして別れただけで、いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまうようなことはない。ミイラのように腐っても形は壊れずにずっと残り続けることもない。それは男だけだ。
文句ばっかり書いてきたけれど、麦の「パズドラしかやる気しないんだよ」には共感した人も多いのでは。
仕事で疲れて帰るとスマホゲームで手軽な快感ばかり求めてしまう。考えながら読む小説や映画は心に余裕がないと楽しめない。あの辺の学生から社会人への変化が趣味嗜好への変化に繋がるあたりは本当に共感する。
あとは何より、「ベイビーわるきゅーれ2」をより楽しめるようになるのが本作最大の魅力。
タイトルなし(ネタバレ)
このタイトルから想像するに、都合の良い泣かせるための無理めな設定の映画なのかと思ったが、むしろこれまでの恋愛もののドラマティックな展開や価値観を否定するような、今時の背伸びしないリアリティにこだわった映画だった。
ハリウッド映画だったら不仲になっても何か出来事が起きて、結局最後は二人力を合わせてハッピーエンドになる。あるいは逆に寄りが戻ったと思ったらどちらかが事故に遭って悲しむなどの劇的な展開がある。そういう、これが映画だというような価値観がまかり通っていたが、そういう見せるためのストーリーづくりに一石を投じるという意味では、それなりの効果を得たのではないか。
ただし、夢はないが。
演技は自然体でとても良かった。
おもしろかったです。
恋愛ってし始めが一番楽しいんだよなー
ほんとに結婚してもずーっと楽しい存在だったらいいなと
二人がわかれるとき結婚しようとなったけど、絹のこともちゃんとみてよとおもった。
ファミレスのシーン泣いた
単なる恋愛映画ではありません(ネタバレ)
いやいや、素晴らしかったです。満足度120%!
いわゆる恋愛映画なのかな?と思って見てなかったけど、思ってたのと全然違いました。やっぱり会話劇です。さすが坂元先生という感じです。もっと早く見れば良かった。なんなら劇場で見れば良かったと思いました。このお話はお別れしないと成立しません。とても綺麗な別れ方でした。坂元先生的には最高の別れ方を見せたかったんだろうなという気がしました。そしてそして、別れたからこそ、最高の花束のような恋愛のままで終われたんだと思う。その辺はとても共感してしまって、私の場合は別れずに、結婚してしまったから、花束の恋愛にはならず、枯らしてしまったんだ。私もあのくらいの時に終わらせていれば、今の旦那さんとの恋愛も花束のような恋愛になっていたんだろうな、、、と思います。しかし、これは結婚して、今のこの状態だから言える事であって、恐らく今花束みたいな恋愛をしている最中の若者にはとても分かりづらいかもしれないです。
私もJAXA行った時にトートバック買っておけば良かったと思った(笑)そして、1番ツボなセリフはカラオケ屋さんじゃ無いよう見えるカラオケ屋さんでIT企業にみえる元ヤンキー達が集まってるってセリフが1番好きかな(笑)
ありきたり見えるかもしれないけどそれがいい
偶然の出会いから男女が恋人になり、そして共にするようになる。どこかありきたりのようなストーリーに思えるかもしれないけど、そのどこでもあるような世界ほどもっと大事しないといけない事を伝えてくれているんだなと思いました。
お互いが好きなものが一緒、嫌いなものが一緒。
そんな事、普通考えたらありえない事でもないのかもしれない。
全てが一緒とは、言えないけどどこかお互いに似てる部分があるからこそお互いをもっと自分のように大事にしようと思えるのかもしれない。
環境が変わって、自分の中で色んな変化が起きる。それが全ていいものでもないかもしれない。
だからこそ、今までそうであったと思う恋人とさえも違うのではないか?と疑問を抱いてしまう。
お互いに誠実で優しいからこそここまで傷ついてしまうのかと涙しました。
ストーリーも役者さんの演技も最高でした!
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