花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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画が良い
ストーリーは何てことないごくごく普通の二人の恋愛物語で、サブカルがどうのとかはどうでもいい、こんな登場人物は現実世界にも全然いるし、ストーリーも全然ありふれてる。
現実にはもっと拗れたサブカル好きもいるし、もっとサムくて、恥ずかしい人たちもたくさんいる。
なので、特にぶっとんだサブカル好きでもなく、浮世離れしてるわけでもない、貧乏でも貧困でもなく、多くの人が経験するような出来事に対して、知的でもなく、示唆に富んだセリフや考え方をするわけでもなく、ただひたすらふつ〜〜〜の二人が、ひたすらふつ〜〜〜な恋愛をして、青春を過ごしただけなので、そりゃふつ〜〜〜につまらない。
小学生の夏休みの絵日記の方がドラマがあってぶっ飛んでいて面白いかもしれない。
どこが名作なんだよこれの。こんなどうでもいい内容で2回3回見たいと思わないだろ笑
ありふれた二人でありふれた恋愛ストーリーならそら共感度100%になるでしょ。
ただ、こってりとした色味のルックは好みでよかったし、有村架純は可愛かった。
早く観ればよかった
いやー、固定観念ってほんと
持っちゃダメだね。
タイトルから、スィートな
ラブストーリーだと思ってて
これまでチェックしなかったけど、
こんなにいいならもっと早く観ればよかった。
’
二人の口にのぼるサブカルも
長島有、穗村弘、スチャダラパー、
天竺鼠、押井守、今村夏子と
いい感じを突いてくるなぁと
思わず笑った。
’
僕は有村架純側のような男なので(笑)、
ずっとサブカルで生きてきた。
だから女性にはいつも
「地上から2センチ浮いてるみたいな
暮らしだね。いつまで続けるの?」って
苦笑いされてフラれてきた。
気が付くと64歳。
10代とやってることはなんにも
変わっていない。
怖っ。
’
そんな僕にとって、本作は
清涼飲料水みたいに喉元を
気持ちよく過ぎていく。
’
先入観をもっと捨てる。
ほんと、映画はいろんなことを教えてくれるねー。
よくもわるくも大人になってしまった
学生時代の恋愛、とても楽しかったな。
社会人になってから、学生時代の恋人とは続かなくなって、別れて、たくさんの人と交流して、楽しかったな。
変わっていく相手と変わりたくない自分。
とても共感できる映画だったけど、結末はあまり好きではなかった。
エンディングも、しっとりした誰かの歌が良かったな。
思いっきり浮気してるシーンとかも欲しかった。
懐かしい気持ちにさせてくれる映画。
価値観の変化と成長
恋愛映画だけど、キュンキュンするような恋愛映画ではなくて、この映画に登場する麦くんと絹ちゃんの価値観が、どちらが正しいというわけではないけれど、年齢や周りの環境で変化して成長していく姿をみている感じでした。
出会う環境や人の影響ってやっぱり大きい。
かなりリアル
最初はただ大学生が恋愛してハッピーエンドになるだけの映画かなと思っていたのだが、全く違った。
大学生から社会人になるタイミングでお互いに恋人や社会に対しての意識が変わっていきそのすれ違いが、2人に変化をもたらしていく。
かなりリアルな大学生の恋だと思った。
登場人物の描き方も絶妙によく、セリフの言い回しも印象に残るフレーズが多数あった。
価値観というものが人によって違うし、同じであっても変わるタイミングが人生にはあると言うことを繊細に描いていてよかった。
リアルっぽい
男はちょっとした事で価値観とか優先順位が変わって刺激が多いので、近所の想い出のパン屋が閉店しても、ピンとこないよねー。
最初のシーンで二人が別れてる事が分かるんだけど、それって冒頭に持ってこなくても良いのでは?と思ってしまった。
コンバースのジャックパーセル♪ 好んで履いていたなぁ・・・。 ただ...
コンバースのジャックパーセル♪
好んで履いていたなぁ・・・。
ただ、ジャックパーセルを履いている女の子とは巡り会えなかった😬
「卒業」でダスティン・ホフマンが履いていたのもジャックパーセルでした。
あー、白のデニム穿いてしまった😰
他でも聞いた事あるので、意外に好まない女性は多いのかも😬
あれだけ理解し合えた2人。それ以上のパートナーが見つかるとは思えないが?
次の付き合いには、割り切りというか、相手に期待しないように賢くなるのかしらん?
戻れそうな気がするんだけどね。
意外に面白かった。
やっぱ台本
有能なクリエイターがつくっていることが解るできだった。やっぱり映画ってまぐれや気合いでいいものができたりしない。技術習得や台詞推敲の積み重なりだと思った。
現場で研鑽をつむのでテレビからきた人のほうが映画も巧い。近年いいと思える映画はテレビ系の人がつくっている。が、テレビ出身の映画監督はもちあげられない──という現象が日本映画界にはある。
すなわち本作の土井裕泰や福澤克雄や鈴木雅之や西谷弘や君塚良一(などのテレビ出身監督)のほうが、マスコミによって頻繁にもちあげられるあの人やあの人やあの人よりもずっと映画づくりが巧いのに、なんで下手なほうがもちあげられるのかが謎。──と個人的には毎度ながら思っている。
それでも最近になって新たな潮流を感じることがある。
カンヌ映画祭脚本賞で坂元裕二が国際的に裏付けられたのは痛快なできごとだった。まぐれや気合いで映画をつくってきた日本映画界の恐竜たちが行き場を失うような事態がつぎつぎに起こればいいと思う。
(坂元裕二が脚本で国際的な賞をとるのは合理だと思う。よって感じ入るのは脚本賞をとったことよりもカンヌがちゃんと映画を見てくれていることについてだった。けっきょく坂元裕二の受賞やドライブマイカーやベイビーブローカーのように海外での確かな実績が顕現することによって、たとえば今まで日本映画のセールスでさんざん使われてきた「海外で大絶賛」という存在しない海外をだしにした謳いが形骸化し、その手の謳いに頼っていた偽物が衰退するだろう。そうした事態が重なることで、それまでは勢いで生きてこれていた昭和勢や肉食獣が滅んでいけば日本映画界も多少は健全になれるのではなかろうかと思う。)
手堅い土井裕泰と坂元裕二が組んでいるから花束みたいな恋をしたができたわけで、やっぱり映画ってまぐれや気合いでいいものができたりしない。──ということが率直に解る映画だった。
見始めの段階では甘甘でさくっとつくってある感じのふつうな恋愛映画だった。が、台詞ごとに刺さり、いちいち唸るほどユニークだった。
急峻に盛り上がって冷めていく男女の話。
意気投合するひとに会い、朝まで街を低回し、趣味や理想を語り合い、つきあったら寝食忘れてヤって、そういう初動のいちばん楽しいところをだァーっと駆け登るかんじで描いて、そこからお互いの現実に向き合って崩壊していく。
どこにでもある話で大なり小なりじぶんと重ねられることに加え同時代性がちりばめられ麦と絹の趣味に寄り添って楽しむこともできる。
いうなればポップカルチャーなモテキあたりを見ているつもりでいたら泥沼の愁嘆迷宮へ潜っていきけっこうズーンとした感銘へ落とされ、そこからスルっと挽回してなんか爽やかな後味にして終わる。さすが坂元裕二、土井裕泰だった。
同時に菅田将暉と有村架純の空気感もよかった。ウィキペディアの「製作の経緯」が興味深く、そこに『恋人同士の5年間を演じた菅田と有村は撮影中、遠慮せずに距離を縮めた。』と書いてあり、ふたりで協力しながら雰囲気をもっていったことが書かれていた。また──
『作中に登場するカルチャーについて坂元は、友達の友達に関する又聞きの具体的な2名を対象にした趣味嗜好や発言を軸に、あまりよく知らない人のインスタと、その同世代である何人かの人たちに共通していた価値観を組み合わせて人物像とストーリーを構築しており、そのため主人公二人の麦と絹は「友達の友達ぐらいにいそうな人たち」という距離感で描かれている。』(ウィキペディア、花束みたいな恋をしたより)
──と書いてありリアリティの敷衍になっていた。あるある値を上手に共感へつなげているわけで、居そうだし有りそうだし、なんならじぶんにも似たような体験がある。そのさじ加減を『あまりよく知らない人のインスタ』から持ってくるという──やっぱり天才な坂元裕二だった。発想が鮮やかで引き出しが膨大で、なんかすごい事件を描いているわけじゃなく、ぜんぶスクリプトでもっていくのがすごかった。
ちなみに映画内で麦や絹がほめていたピクニックを読んだ。どうなんかな。じぶんはわかるタイプじゃないかな。読んだ感想は、いったん話が枝へ逸れて、枝へ逸れたまま進む話という印象だった。というか最初から逸れている話が、さらに逸れていくという短編小説だった。ドブさらいはヘドロと向かい合わせなので不快で臭く大変であり、なんでそんなことが軽やかに描かれているのかわからない話だった。が、才気にあふれる小説だった。
ふたりとも趣味がよく麦のイラストはそれで生きていけそうなほどおしゃれだった。実在の著名人がでてくる同時代性によってシンパシーが深まることと、ぜんたいに都市であることが顕著だった。
ちょっと離れた視点だが田舎者ではなぜいけないのか──ということが都市生活をするとわかるし、この映画でもわかる。そういう映画になっていたと思う。
またこれも少し離れた視点だがこの映画を見て「なんか日本人の人生って気の毒だよな」と思った。いい映画だが身につまされて疲れる──それは仕事も恋愛も人間関係もせっつかれる感じでやってきたからなんだろう。好きになって同棲して生活費に腐心してだんだんやだくなって・・・社会システムががっちがちで誰がやっても似たような人生になるからこの映画にも共感できるわけであって、なんならこの映画のハイライトにしたって麦と絹が別れ話をしている隣席に、初対面時の麦と絹とまったく同値のふたりが座りまったく同値の会話を繰り広げる場面なのであって、われわれが夢のように感じていた恋愛の初動なんてじっさいには日本じゅうの誰もが経験したあるあるの中央値なのかもしれない。──という諦観を提供していて、なんか日本人てむしょうに気の毒だわ、と思ったのだった。
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