花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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可愛いけど幼すぎる
一番好きなのは、麦くんが絹ちゃんの髪をドライヤーで乾かしてあげるところ。菅田将暉にぴったりで自然だった。びっくりしたのはファミレスでデートすることですごく驚いた。絹は恋愛指南のブログを読んでいる恋愛教信者で、大学生にしては幼い。色んな本を能動的に読んで頭使って考えているのであればあり得ないと思った。麦が思ってたことを翻して別れたくないと言ったのは本心で、大人になったのだと思う。涙が美しかった。麦の描く絵は私も好きだ。
この映画でうっとりしたり昔の甘苦いことを思い出して沢山の観客がいい時間を過ごせたんだと思います。私もです。でも若い人達の大変さを考えざるをえませんでした。
おまけ (2024.8.3)
今、新宿の紀伊国屋書店ではどのフロアでも平積みの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読み終え最後のあたりでは泣いてしまった。麦と絹の関係性と変化を通奏低音にした本書の著者は1994年生まれ。この映画を何となく突き放して見ていた自分はノイズを避けていたのか、上から目線だったのか。
有村架純
人の本棚を見るのは楽しい。その人が何でできているのかわかる気がするから。
内容的には普通ならスルーしている作品だが、東京テアトル、ユリイカにもしやと考え直して、今年初の劇場鑑賞へ。
ちょっとめんどくさいマニア気質な二人の5年間をニヤニヤ、アワワワ、しんみり、〇〇〇〇に眺めるお話。固有名詞を大量に投入というとスティーブン・キングを連想してしまうが、ある種のリアリティがあり共感を持つことができる。大人の事情ならこのチョイスにはならないだろう。舞城王太郎、いしいしんじに反応。「好き」を仕事にすると逆に辛いこともあるのにね。早稲田松竹行ったことない。『希望のかなた』をみる麦の生気のない目に、もうダメなんだなと悟る。
モノローグの多さは制作過程を聞くと納得はできるが、やはりもうすこし少ない方が主演二人の演技をじっくり観られて良かったのに。流石に終盤のファミレスでは抑えてあって、とてもよいシーンになっていたが。
束の間の夢を見た
タイトルの付箋回収出来ず...
思ってたのと違ったけれど
。
ちょっとでも本作が「刺さった」人は、パンフレット必携の一作。
この種の映画としては王道的な展開で、物語としての意外性はそれ程ありません。しかし「恋愛映画」の枠にはめ込んでしまうのは勿体ない傑作。もちろんデート映画として鑑賞するのもありだけど、その場合はタイトルの時制をよーく見てから判断しましょう。
また作品と同様、パンフレットもデザイン、情報量ともに素晴らしいできばえで、この値段は安すぎると思わせる力作!
いわゆる「サブカル」好きな男性と女性が出会い、ちょっと現実味の薄い共同生活を始める序盤、そして徐々に現実が侵食してくる中盤の展開は、ちょっと岡崎京子大先生の『うたかたの日々』を連想させるような夢見心地の美しさ(作中で「リバース・エッジ」と読めるTシャツが出てくるんだけど、偶然?)。洪水のように飛び交う文化アイコンや固有名詞に共感できるかどうかも、確かにちょっとは本作への感情移入の仕方に影響するかも知れないけど、菅田将暉と有村架純の表情、演技はとても自然で素晴らしく、たとえ彼らの「好き」そのものはあまり理解できない人でも(含自分)、作中世界に入り込ませる力があります。
ただ彼らが共有する世界と現実を対比させる象徴として、「ゼルダ」ではなく「パズドラ」、「文学」ではなく「ビジネス自己啓発本」を持ち出す当たり、ちょっと単純では…笑いました。これらが好きな人は、「自分って現実に妥協しているんですかー(涙)」となりそう。
終盤のやり取り、菅田将暉の訴えは理屈としては間違っていないんだけど、その場面で言うのは…、決定的に…、という、ある種の共感と断絶を同時に示すという見事な演出・演技。そこにさらにもう一つとどめを入れるというたたみかけがすごい。これがないとここまで後味爽やかにならなかったし、下手すると『レボリューショナリー・ロード』(2009)みたいな展開になっていたかも…。
恋愛映画が苦手な人でも
切ないけど、とても素敵な男女
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなくグレー
でもそれが生々しいリアルで恋愛の面白さ。
さすが坂元裕二の脚本。独自の細かすぎる皮肉の効いた穿った視点のオンパレードで、終始ボディーブローのように笑わされた。言葉選びとセリフ回しが巧みで、早くも次回の脚本賞ではないだろうか。
思わぬ偶然や共通点が重なり恋に落ちていく男女の物語。2時間で5年分のふたりの時間を追体験しているよう。恋愛あるあるでニヤニヤが止まらない。
やりたいことをやりたくても現実は日々生活していかなくてはいけない。日々“普通”に流され忙しく過ぎゆき、人生において本当に大事な時間、幸せをいつしか忘れてしまう。それですれ違っていくふたり。
特別ドラマチックな展開があるわけではないのに最後までぐいぐい惹き込まれていく。花束とは決して豪華なものでもなく、食卓に飾られるような日常のささやかな彩りなのかもしれない。
クライマックスでの菅田将暉の涙のシーンは見どころだ。有村架純とのふたりがなんとも微笑ましい。
監督の土井裕泰は同じく坂元裕二とタッグを組んだドラマ「カルテット」や、「逃げ恥」、アカデミー賞受賞の映画「罪の声」などと勢いを増している演出家。ユーモアを散りばめ、緩急の効いた間を見事に操る。
文字通り、恋愛が恋しく愛くるしくなる珠玉の作品。
良い意味で予告詐欺!
予告編観たときに「どうせまた安っぽい恋愛映画だろうな」と思ってた自分をぶっ叩きたいです!(笑)
思った以上に良いじゃん!
主演に菅田将暉と有村架純を迎え、TVドラマ「カルテット」や「Mother」を手掛けた坂元裕二氏によるオリジナル脚本の恋愛映画。
正直彼が映画の脚本を手掛けると聞いたときは驚きました。
ずっとTVドラマでやられてた方なので、「映画に手を出して大丈夫か?」と思ってしまってたのですが、そんな心配は見事に払拭されました!
個人的に、予告編だと菅田将暉と有村架純の二人が出会って付き合う所を中心に映していたので完全にティーン向けかと思っていたのですが、自分達みたいなサブカル好きの人達の方が刺さるのかもしれません。
というのも、この映画はかなりサブカルのネタが出てきます。
好きな音楽や映画で二人の関係性が親密になる話なので、出てくるバンドも映画も小説もメジャーからマニアックな所まで網羅しててビックリしました。
そんなサブカルのネタから菅田将暉含めた登場人物の人間性が解ったりします。特に、押井守が出て来て「神がいます!」とか言ったりする辺りは「いるよなぁ、こういうやつw」とか「俺も似たような経験してんなw」とか思ってました(笑)
また、2015年のパートではカラオケで歌う曲や好きなアーティストで上がるのがセカオワやきのこ帝国が出てきますが、2019年のパートでは羊文学が出てくる等、アーティストのネタで年の変遷を感じさせるのもまた秀逸です。
映画ネタでは、最初の方では「ショーシャンクの空に」といった王道の作品が出てきますが、「牯嶺街少年殺人事件」の名前が出てきた時は恐れおののきました(笑)
内容としては、菅田将暉と有村架純が気が合う同士で惹かれ合いながらも、年の変遷と共に次第に変化していく関係性を甘々に描きながら、すれ違いの場面をかなりビターに描いているのが容赦無くて良かったです。
内容を振り返った時に思い出した曲があります。
米津玄師の「メトロノーム」という曲です。
その歌詞は二人の関係性を二つに並べたメトロノームに例えられていて、次第にズレ始めると歌っています。
そんな内容の歌詞が今作の二人の関係性にかなり当てはまっていて、趣味や好きな音楽や映画、小説の何もかもが同じで気の合っていた二人が、次第にすれ違っていく様がそんな「メトロノーム」の歌詞に当てはまりました。
気が合うと思っていた相手から次第にすれ違っていくのってリアルですよね。
特に日本だと働き盛りになりますし、お金を稼ぐために仕事に熱中しだすと自分の趣味に熱が入らなくなってしまったり、余裕が無くなると周りが見えなくなってしまうのが凄くわかりみが深いです。
ただこの映画、色々と気になった部分もあります。
二人の即興演技やアドリブ等を入れたりしてたのですが、演技している場面がだいぶ演技にわざとらしさがあり、時々観ていて違和感がありました。
また、この映画はモノローグが非常に多いです。
入る頻度は新海誠作品と同等かそれ以上に感じます。
自分はモノローグを入れる事に関しては、少し添える程度であれば全然問題無いのですが、個人的には入れすぎるとしつこく感じてしまいます。
せっかく内容が素晴らしいので、菅田将暉と有村架純のモノローグを少なくして、もう少し登場人物達との会話を聞かせても良かった気がします。
あと、この映画はAwesome City Clubというバンドの女性ボーカル本人が登場したり、曲も何曲か登場させたりするなどしていました。
更に、「勿忘」という映画におけるインスパイア曲というのがあったのですが、何であんな良い曲をEDクレジットで流さなかったんですか!?
大友良英の音楽も良かったのですが、この映画にしては爽やかで明る過ぎるので、この「勿忘」で余韻に浸らせて欲しかったです。
個人的には色々と思う部分もありましたが、単なるティーン向けの恋愛映画とは思えないほどの良作でした。
男女二人による関係のすれ違いは、去年公開された又吉直樹原作の「劇場」も描かれてましたが、今作は「劇場」よりも男女の心情に共感出来るし、去年自分が感じたモヤモヤを払拭しました。
また、ティーン向けの恋愛映画でありながら「マリッジ・ストーリー」のようにビターだけど前向きになれる作品でした。
本当にさ、こういう淡々としたすれ違いの話で良い作品作れるんだからもう「余命もの」とかマジで要らないです!
もっとこういった映画を作ってほしいです。
恋愛とは
本当にあっという間の2時間でした。
恋愛したことある人は絶対観た方がいいって言われてる意味が分かりました。
映画の2人のように、まだ私は大学を卒業していないですし社会人の本当の気持ちは分かりませんが、共感しまくりました。笑
余韻が本当にすごくて、めちゃくちゃ考え込んでしまいます…。
菅田将暉さんの演技が凄すぎて半端なかったです…(語彙力)
新感覚の恋愛映画で、恋愛映画なのかと言うコメントもありましたが、私には素晴らしい恋愛映画だと思いました。
たしかに恋愛映画にしては割とあっさりとした終わり方で、別れたのに2人とも楽しそう?バッドエンドなの?ハッピーエンドなの?と疑問に思うかもしれませんが、別れてもがき苦しむだけが恋愛ではないと思います。(あるいはラブラブのハッピーエンド?)
私の考えですが、別れてからいい思い出だったなと思い返せるのがいい恋愛だと思います。だからなんだよって。笑
最後の0.5はこれが最高の恋愛映画だと認めてしまうと私の次の恋愛がうまくいかなくなりそうだなと思ったからです。笑
始まりは終わりの始まりでも、私は恋愛に終止符を打ちたくないです。出来るならいつまでも隣にいたい。笑
花束みたいじゃない・・デートには向かない映画
冒頭から別れた後の現代場面で、「きっとふたりは元のサヤに戻るんだろう」と思って見始めると・・美しいタイトルに騙されてはいけません。(花束、の意味合いをよーく考えると分かる仕組みになってますが・・)
いい歳をしたおじさんが、今更恋愛映画でもないと思いますが、若い世代に人気があるようなので、敢えてDVDを待たず、劇場へ。
意外にもカップルは少なく、高校生くらいの男子連れが多いのがまず驚きました。
遡ること2015年から、実際にあった音楽や本、ゲームや事件を散りばめてさながらプチ・フォレストガンプなつくりの前半は主人公と一緒に恋した気分で楽しいし上手いです。かなり生々しい場面もあるものの、ここまでなら☆5個なのですが・・・
後半、麦が就職したあたりから、同じ俳優で、全く別の映画を観ているような急展開に頭がついて行きません(苦笑)。
あんなに気が合って仲良かったふたりが「たかが5年」でこんなに変わり果てるか?という疑問をもちつつ、それまで一緒に応援していた観客はすっかり置いてけぼりです。
そして、何故か仲が良いまま迎える不思議な「別れ」には気持ち悪さが隠せません。「これから」を信じたい若いカップルのデートでは「絶対観てはいけない」と思います。
リアルラブストーリー
恋愛映画って
キュンキュンしたり、
あり得ないようなハプニングが起きたりと
夢世界な作品が多い中、
花束みたいな恋をしたは
リアルで
自分の恋愛体験を置き換えてしまいました。
大人になるという事、
価値観が変わるという事、
幸せな時間は最高だという事、
人は強がりという事、
全てが等身大でリアルで
新感覚のラブストーリーでした(^^)
恋愛映画の良さ
最近恋愛ものと言ったら少女漫画が原作で、若手を採用したきゅんきゅんものが多いイメージだったからこそこの映画を見て恋愛ものの良さを感じることができました
物語の日常をどちらからの視点で描かれていることでお互いの感情を知ることができ一緒に観ながら感情を置いてけぼりのされることなく持っていくことができました。
思わず笑いたくなる時も、思わず泣きたくなる時も私だけじゃなく映画の2人と一緒だったのはすごいことだなって
演技が上手な2人だからこそ画面の世界なはずなのに、自分たちに置き換えてしまう
それくらい自然な演技だったのがさすがで、この2人でよかったなって思います
日常を大切にしていきたい
変わっていく毎日の中でのかけがえのないものを守り抜きたいとそう考えさせられた映画でした
ピクニックよんで感情動かしていこうっと
映画的な喜びはなかった。
坂元裕二が好きだ。でもそれは、ドラマの脚本家としてだったよう。映画の脚本家としてではなかった。期待していたのだけど。
ドラマも映画も等しく映像作品だし、そんなジャンル分けは無意味かもしれないけれど、それでも自然と頭に「これって映画?」という疑問が浮かんでしまう作品だった。
率直に言うなら今作は、恋愛あるあるを繋いだプロットのような印象。
どのシーンも身に覚えのある、少しほろ苦い、かつての自分の恋愛を思い出させるもので、一瞬はセンチメンタルになるけれど、ただそれだけ。あるよね、とは思うけど、心は揺さぶられなかった。
二人の恋がいつか終わることが、付き合い始めから予想できてしまって、あぁ、そうそう、こうやって恋は始まり、終わっていくんだよね、と冷静に見守る感覚だった。
一瞬でも、二人の恋は永遠かもしれない、と思わせてくれていたら、ラストの別れも彼らと一緒に悲しめたのかもしれない。付き合いたてシーンもたっぷりあったが、あの描写では弱いと思う。胸が苦しくなるくらいの、キラキラ感がほしかった(例えば、妻夫木聡と池脇千鶴のジョゼ〜には、観ていて苦しくなる幸福感があった)
恋愛初期の幸福感や無敵感が感じられなかったのは、モノローグを頻繁に挟み込む演出のせいだと思う。始めから終わりまで、二人はずっと、各々の立ち位置から物事を見ていて、その客観性、個別性が恋の終わりを予感させていた。モノローグに頼る演出がなければ(つまり、2人がもっともっと直に激しくぶつかりあっていれば)、二人の恋にぐっと入り込めたと思う。
さらに残念だったのはカメラワーク。圧倒的に美しいと思えるシーンがなかった。絵だけで紡いでくれるシーンがなかった。
坂元さんの台詞は魅力的。だからこそ、その強くて印象的な言葉に負けない絵が観たかった。
今作を〝映画〟というより、ドラマ(もしくはドラマの予告編)のように感じてしまったのは、映画館のスクリーンで観て良かった!と思える映像体験がなかったからだろう。
有村架純さんは大好きだし、主演の2人の演技は素晴らしかった。だからこそ、監督、撮影、照明といった、映画的高揚感を生み出す立場の人たちの技術のなさ、工夫のなさが残念だった(もちろん、そのためには映画的な見せ方ができる脚本が必要なわけで、坂元裕二さんの脚本は台詞の妙や、ディテールの数珠つなぎに凝りすぎている。大きなスクリーンで楽しむ映画には向いていないのだと思う)
どこにでもある、羨ましいストーリー
20代に、5年間一人の人を愛するということ、どれほどの人ができているのでしょうね。
若さから、出会いと別れを繰り返したり、交際相手を求めたり。今となれば幼かったなぁ。同じクラスに1組か2組はいた、大人びて見える、長く続いている2人のカップルの心の移り変わりを見ているような気分になりました。
作中の2人はリア充と程遠いように描かれていますが、その時が過ぎてみるとこのような恋愛をして大人になっていることが羨ましい。
こんな青春を過ごしたかった。
恋愛生存率、確かに低いのかもしれませんね。
恋愛経験、社会経験を経て出会って半年で結婚をして5年。
優しい夫と2人の子供に恵まれて幸せです。
麦と絹も20代後半で出会っていたらまた結果は違ったでしょうね。
良いタイミングで、良い人と出会い結婚し、愛する子ども達に囲まれ、夫と力合わせて家族を作っていく、そこに人生の醍醐味があるように今は感じています。
結婚相手に出会う前の甘酸っぱい恋愛を垣間見れました。
麦(菅田将暉)が結婚して家族を持つ姿が、菅田将暉「虹」PVの子ども誕生と重なって、(全然関係ないのに)「麦、大丈夫、きっとこれから家族を持って幸せになるよ」と心の中で語りかけて涙腺崩壊しました。
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